「ようやく見えてきた、カイザーPMC」
「あの基地の中央……実験室にいるんだよね」
『前方2km、PMC兵が居ます!皆さん、戦闘の準備を──』
ドゴオォォォン!!
「!?」
「この音……」
『確認しますね……!L118、トリニティ総合学園の牽引式榴弾砲です!』
”ってことはもしかして……”
『みなさん!』
「ヒフ──」
『ヒフミじゃなくて、ファウストです!』
「おひさしぶりです!えっと、この榴弾砲は……」
『トリニティとは一切関係はありません!射撃している方にもそう伝えてあります!』
”……ありがとう、ファウスト”
『あはは……それでは、ご武運を!』
「行くよ、皆。ホシノ先輩を助けに行く」
「うん!」
・・・・・
デカグラマトン。それは超高性能AI。今回相対するは、デカグラマトンに賛同する預言者……第3セフィラ、
『クックック……それでは、ご武運を』
果たして、呪いは神に届きうるのか?
その答えを知るものは、未だ居ない。
・・・・・
”……気をつけて”
「……ここ、学校?」
「ですね……下のほうは砂に埋もれてしまってますが」
「砂漠に学校……ここってまさかアビドスの?」
「ああ。ここは、本来のアビドス高等学校の本館だ」
「……カイザー!!」
数多のPMC芸を連れ、カイザーは対策委員会の前に立ちふさがる。
『敵の増援多数!ここで総力戦に持ち込むつもりかと……』
「ここはかつてのアビドスの中心……かつてキヴォトスで一番大きく、強大だった残骸が……この砂の下に埋もれている。我々の目的のためにも、渡すわけにはいかないな」
「……ホシノ先輩を、返してください!!」
「契約を交わしたのは私ではなく、ゲマトリアだ。……既に実験が始まっているだろうな」
「そんな!?」
ゲマトリアという得体の知れない組織の名に、シロコの身体が強張る。
”……どこにいるんだ”
「……そうか、君が先生か。あいつと同じ……」
”?”
「……副委員長は向こうの建物だ。だがまあ、安々と通すつもりも──」
「いーや、ここはこじ開けさせてもらうわ!」
「!?」
爆発とともに馳せ参じたのは──
”便利屋のみんな!”
「ゲトーとかいうやつに依頼されたの。お金も弾むし、ラーメンの恩もあるし」
「夏油さんが?」
「ほら行きな〜。チャンスは次しかないよ」
「ッ!みんなついてきて!」
「──ここは私たちに任せて、先へ行きなさい!!」
”ありがとう、アル!”
「やろうか」
「そうだね、社長」
「今回ばかりは……負けられない」
「勝つわよ、お前たち!」
「小癪なぁ……!!」
・・・・・
「ぐああ……!!」
「脱走!実験体脱走ーー!!」
「くっ……何が起きてる!」
夏油が保険として施した呪霊は、オートマタには観測できない。
「ふう……銃は無いし不安だったけど、夏油さんの呪霊でなんとかってところかな?」
夏油が派遣したのは1級呪霊である。耐久の高い、実銃でも祓われにくいものを1体。
「……あ、いた!」
「ホシノ先輩!」
「呪霊……!?」
「あ、大丈夫だよ。これは夏油さんが付けてくれた護衛みたいなものだから。ありがとねー」
「……よかった、無事で……」
「心配かけさせたね、皆」
”帰ったらユメと説教ね、ホシノ”
「うっ」
ホシノが立ち直れたのは、梔子ユメの生存。そして対策委員会と先生、夏油の存在が大きかった。
自らの短慮が招いたことにさえ首を突っ込むようなお人好しだからこそ、小鳥遊ホシノの心は晴れた。
「……ただいま、みんな」
「おかえり、ホシノ先輩!」
対策委員会は、涙を流して抱き合った。
”……ホシノ、夏油さんはいつ呪霊を?”
「それが……夢の中だった。夢の中で呪霊を託されたんだ」
「夢?」
「目を開けたら実験が始まる寸前でさ。麻酔を施したのに何故起きたんだって、黒服の人が狼狽えてたよ」
「……なんだったんでしょうか?」
「てゆーか夏油さんは何をしてるの!?」
”夏油さんから連絡がきた。今は戦闘してるって。援軍は必要ないって……”
「ふーん?じゃあいっか」
「ほら、帰るよ」
「はは、説教かあ……」
「勿論、先生と私たちもしますからね!」
「うげ〜……勘弁してよお」
”ユメ、怒ったら怖いから……数時間は説教されるんじゃない?”
「ちょ、コワいこと言わないで!?」
ホシノ「それが……夢の中だった。夢の中で呪霊を託されたんだ」
これは、呪術で死滅回遊の際、佐々木(虎杖の母校のオカ研女先輩)の夢と現実の間に出てきたあの真っ暗空間のことですね。羂索の発言からしてあれ術式じゃね?と思ったので、これも羂索が前の身体の持ち主から持ち越した術式の1つということにしておきます。
死滅回遊なんていうものをするんだから、戦闘用だけじゃなくて色んな術式を持って然るべきなんだよな。