キヴォトスメロンパンモドキ   作:ただねこ

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孤独の総力戦其の一:ビナー(1)

【──《アツィルトの光》】

 

 

ドオオオオオオ!!

 

 

「ククッ、初手ビームか……面白い!!」

 

極太の熱線が砂漠を駆け抜ける。夏油はそれを横に避けることで、致命傷を回避した。

神の一撃など、人間にとっては少し貰えば即死なのだ。

 

夏油スグル(呪術師)vsビナー()

 

この勝負は、単なる勝負ではない。呪いか、神か。強いのは何方なのか。そういう戦いであり、殺し合いのようなものなのだ。

 

「……反重力機構(アンチグラビティシステム)……術式順転、”乱奔重(らんほんじゅう)”」

 

機械の身体を滅多に刻まんとする重力の奔流が、ビナーを襲う。

 

【……《大道の却火》】

 

ミサイルを放つも、反重力が軌道を逸らし、あまつさえビナーへと向かっていく。

 

「……」

 

(腐っても、人工物だろうと神は神だ。この程度で終わるはずがない)

 

ビナーは無事……装甲は凹みも、焼け跡すらも残っていない。あるのは元気なビナーの姿。

 

「さあ、どう来るんだい?神よ」

 

【……《アツィルトの光》】

 

「連発できるのか!!」

 

2、3、4、5。5本の御柱が夏油の身体を屠ろうと、放射状に放たれる。だが、躱す。反重力機構を使い、軌道を逸らす。呪霊を使い身代わりにする。あらゆる方法で、死の光を凌ぐ。

 

「……呪霊操術」

 

【!】

 

呪力の塊である呪霊の気配を感じ取り、ビナーは明確な警戒と殺意を表に出す。

 

【《アツィルトの光》……《大道の却火》……《アツィルトの光》】

 

「……1級を18体は出したんだけどね。流石だビナー。一瞬で塵と化したよ」

 

それでも、ビナーの目は夏油を捉え──

 

「どうした?私は此方だ」

 

【!!】

 

呪霊の消失反応での目眩まし。機械であろうと神は神。機械であって生命でもあるビナーだとしても、視界は重要な情報源らしい。

ビナーが見失う間、夏油はビナーの後頭部へと移動していた。

 

「螺旋、曼荼羅、旋禍の空……呪霊操術、極ノ番”うずまき”」

 

【《アツィルトの光》】

 

それでも咄嗟に反応したビナーは振り向く。神は絶対。油断など許されない。

呪いと神秘がぶつかり合う。

砂漠の津波が夏油を襲うが、反重力機構にてそれも意味を成さずに終わる。

うずまきがビナーを襲っても、神秘の光に呪霊の塊が耐えきれるはずもなく祓われていく。

 

残ったのはアツィルトの光による残熱と、うずまきによる大穴。

 

【……】

 

「硬いね……ダメージは殆ど無し。私はまだ反転を使えないし、当たれば死だ……。鼬ごっこのような、なんというか……」

 

【……ピピ】

 

「……?」

 

(そういえばなんだ、この模様は。アツィルトの光によるものか?)

 

ここは砂漠だ。ビナーの高火力があっても、焼けた砂など少しの風で散ってしまうはずである。

 

(何故、焼け焦げた砂漠がそのまま残っている……?いや、そもそも何故ビナーは動かずに私の位置を出来うる限り動かさなかった?)

 

神は、敵の思考を待つことはない。

 

【……領域、展開】

 

「!!」

 

神秘を利用した、呪術の極致。それができるのは、世界の何処を視ても神……デカグラマトンにしかできないだろう。

 

「クックック……いいね。それなら此方も……本気で行こうか。──領域展開」

 

 

 

 

 

胎蔵遍野(たいぞうへんや)

 

 

 

 

 

【《瞋恚冥黒蚖(しんにめいこくがん)》】

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