「やあ、ミカ」
「……
「遅いぞ、羂索」
「すまない、サオリ。ミカに捕まってしまってね」
「……どういうこと?ケンジャクって何?ねえ、教えて」
「お前にそれを知る権利など無い。……行くぞ」
「ああ。……ミカ、君は少々思い違いをしているようだ」
「……何?」
「私は元より呪術師だ。今回は、そちらの業務が優先された。それだけのことだ。君には後で通信でも送っておこう」
「……チッ」
・・・・・
「や、ベアトリーチェ」
「はぁ……遅いですよ羂索。まあ10分前に来たので良しとしましょう」
は?
「間に合ってるんだから別にいいだろ。更年期でも来たか?」
「この……!」
ねえこの人殴っていい?今なら黒閃出そうな気がする。
「マダム!!」
「……なんですか、サオリ」
「今羂索とやり合うのは得策ではない。ここは我慢です。それに……会合とやらにも遅れてしまいますよ」
「そう、ですね。……次はありませんよ」
「肝に銘じておこう」
・・・・・
「皆さん、お集まりのようで」
「ああ……。羂索の存在がまるで橋渡しのようだよ。ほんの少し場が和む」
「お褒めに預かり、光栄だよマエストロ。君とは仲良く出来そうだ」
「ええ、ええ……話はそこまでにして、会議を始めましょうか」
ゲマトリアはこうして、不定期に会議をする。黒服とベアトリーチェの2名とは協力関係を結んでいるとはいえ、羂索は部外者なのだが……こうして、会議に参加することが出来ている。
「では……「無名の司祭」の遺産が観測されました」
「!」
「不勉強で申し訳ないのですが、無名の司祭とは具体的に何を意味するのでしょうか?」
どうやら絵画の男……ゴルコンダは、ベアトリーチェの保有する
「彼らは端的に言うなら、キヴォトス以前に存在していた
「同時に、この世界に居て居ない者……とでも言おうかな」
「……?」
羂索は話す。黒服伝ての情報に自らの見識を加えて。
「彼らは太古の昔、とある神を崇拝していた司祭だ。呪霊に近い類のね」
「呪霊に?」
「黒服曰く「自然を象った存在」なんだ、成り立ちとしては呪霊に近い。土地神がそのまま呪いとして
「ふむ……それで?」
「キヴォトスに兵器を遺したんだ。何かと敵対したか……そして、追い出された。故に、この世界からは司祭を観測することが出来ない。もう幾年も前の話、残穢すら遺っていない」
「……そうですか。ありがとうございます」
その司祭の遺産である、「方舟」が此方に
「何故かはわからないが……「方舟」が来るということは……恐らく「色彩」の脅威も迫ってきていることでしょう。互いに気をつけることです」
「そうですね……そうなれば、各々で出来うる限りの対策をしましょうか」
「そういうこった!!」
「……」
ベアトリーチェは喋らない。珍しくマエストロやゴルコンダと対立することはなく、静かにその盤面を眺めていた。
「では、対策のため解散としましょう。もう暫くしたら、今度は「雷帝」の遺産についても語りたいところですね。クックック……」