キヴォトスメロンパンモドキ   作:ただねこ

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水面下に揺らめく影(2)

「……それは、由々しき事態だ」

 

”うん……”

 

ナギサがヒフミを”使って”裏切り者を炙り出そうとしている場所に放り込み、最悪の場合ヒフミごと消すつもりでいること。そして私はアリウスとミカと繋がっている……はは、最悪の盤面じゃないか。

こんなことなら、まだ何も知らないほうが幾分かマシだったろうに。……時期を見て、ベアトリーチェとの同盟は切るべきだ。彼女が何を考えているか、そのために何を起こすのか。セイアから何が起こるのかは聞いている。つまり、私がこの世界の命運を握っている。

 

”夏油さん?”

 

「いや……なんでもないよ。ミカは?」

 

”ミカからは、大昔に追放されたアリウス分校っていう場所の存在と……ナギサの危険性について”

 

「そうか。……あと、なんだか君疲れてない?大丈夫?」

 

”……水着パーティーのせいかな?”

 

「え?」

 

 

・・・・・

 

 

「ハスミ先輩落ち着いてください!!」

「絶対に、絶対に許しません……!万魔殿!ゲヘナ!どうして、どうしてあそこまで……!!」

「ひっ……!」

「……ツルギ、どうするこれ」

「私じゃあどうにも……先生にでもどうにか」

「私はそこまで信用がないかい?」

「夏油さんは日に油を注ぎそうで」

「くっくっく……違いない」

 

ツルギと内緒話を終え、ハスミに話しかける。

 

「ハスミ、まずダイエットに断食は効率が悪い」

「そうなんですか!?」

「食いつき凄っ。まあ、そうだね。食事でいちばん大切なのは”質”。つまり栄養バランスだ。幸いここはトリニティだし、健康な食事なんてすぐに貰える。それをしっかり食べた上で、運動をする。いらない脂肪を燃やすんだよ。今やってる特訓なんてぴったりだ」

「……!!」

「とはいっても、君は熱血になるとやりすぎるきらいがある。その辺りは適宜私とツルギで修正させてもらうよ」

「はい……よろしくおねがいします!」

「いい返事だ」

 

 

・・・・・

 

 

「……ほんとに1週間で……10kgも……」

「君たち、燃費がいいのかな?身体能力が高いと、やはり脂肪燃焼のスピードも速いね。おめでとうハスミ」

「はい!」

「よし、ここからは厳しくいこうか」

「え?」

「覚悟してねー」

「えっちょっとまっ」

「ほい」

「うっ!?」

「……容赦というものを地獄に置き忘れたみたいですね、夏油さん」

「ふふ、私は別にそういうんじゃないさ」

 

 

・・・・・

 

 

先生との通話中。深夜にもかかわらず、外での銃撃戦が聴こえる。

 

「先生、ハスミが迷惑をかけたね」

 

『”大丈夫。それと……”』

 

試験内容の変更、ね……。やはりナギサはそこまでしてくる。私情を重んじ、かつ徹底的に冷徹というか……なんというか、難儀な性格をしている。時間もとうに出発していなければ間に合わないような時間帯だし、嫌なところで頭が回る。

 

「試験会場はゲヘナときた。退学の件は伝えたのかい?」

 

『”うん、ヒフミがみんなに”』

 

「そうか。……なら私も、少々力尽くで止めなければいけないね」

 

『”?”』

 

「こちらの話さ。それじゃ、私はそちらに行けない。頼んだよ」

 

”……うん。任せて”




補習授業部編はだいぶ端折ってしまうことになります……すみません。もう山場がすぐそこまで来ていますから。
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