「……それは、由々しき事態だ」
”うん……”
ナギサがヒフミを”使って”裏切り者を炙り出そうとしている場所に放り込み、最悪の場合ヒフミごと消すつもりでいること。そして私はアリウスとミカと繋がっている……はは、最悪の盤面じゃないか。
こんなことなら、まだ何も知らないほうが幾分かマシだったろうに。……時期を見て、ベアトリーチェとの同盟は切るべきだ。彼女が何を考えているか、そのために何を起こすのか。セイアから何が起こるのかは聞いている。つまり、私がこの世界の命運を握っている。
”夏油さん?”
「いや……なんでもないよ。ミカは?」
”ミカからは、大昔に追放されたアリウス分校っていう場所の存在と……ナギサの危険性について”
「そうか。……あと、なんだか君疲れてない?大丈夫?」
”……水着パーティーのせいかな?”
「え?」
・・・・・
「ハスミ先輩落ち着いてください!!」
「絶対に、絶対に許しません……!万魔殿!ゲヘナ!どうして、どうしてあそこまで……!!」
「ひっ……!」
「……ツルギ、どうするこれ」
「私じゃあどうにも……先生にでもどうにか」
「私はそこまで信用がないかい?」
「夏油さんは日に油を注ぎそうで」
「くっくっく……違いない」
ツルギと内緒話を終え、ハスミに話しかける。
「ハスミ、まずダイエットに断食は効率が悪い」
「そうなんですか!?」
「食いつき凄っ。まあ、そうだね。食事でいちばん大切なのは”質”。つまり栄養バランスだ。幸いここはトリニティだし、健康な食事なんてすぐに貰える。それをしっかり食べた上で、運動をする。いらない脂肪を燃やすんだよ。今やってる特訓なんてぴったりだ」
「……!!」
「とはいっても、君は熱血になるとやりすぎるきらいがある。その辺りは適宜私とツルギで修正させてもらうよ」
「はい……よろしくおねがいします!」
「いい返事だ」
・・・・・
「……ほんとに1週間で……10kgも……」
「君たち、燃費がいいのかな?身体能力が高いと、やはり脂肪燃焼のスピードも速いね。おめでとうハスミ」
「はい!」
「よし、ここからは厳しくいこうか」
「え?」
「覚悟してねー」
「えっちょっとまっ」
「ほい」
「うっ!?」
「……容赦というものを地獄に置き忘れたみたいですね、夏油さん」
「ふふ、私は別にそういうんじゃないさ」
・・・・・
先生との通話中。深夜にもかかわらず、外での銃撃戦が聴こえる。
「先生、ハスミが迷惑をかけたね」
『”大丈夫。それと……”』
試験内容の変更、ね……。やはりナギサはそこまでしてくる。私情を重んじ、かつ徹底的に冷徹というか……なんというか、難儀な性格をしている。時間もとうに出発していなければ間に合わないような時間帯だし、嫌なところで頭が回る。
「試験会場はゲヘナときた。退学の件は伝えたのかい?」
『”うん、ヒフミがみんなに”』
「そうか。……なら私も、少々力尽くで止めなければいけないね」
『”?”』
「こちらの話さ。それじゃ、私はそちらに行けない。頼んだよ」
”……うん。任せて”
補習授業部編はだいぶ端折ってしまうことになります……すみません。もう山場がすぐそこまで来ていますから。