キヴォトスメロンパンモドキ   作:ただねこ

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シャーレにて(2)

「現在、キヴォトスに出現した6つの塔。それらを今から「虚妄(きょもう)のサンクトゥム」と命名します」

「えーっと、つまり。あれは偽物のサンクトゥムタワーってこと?まあ、それならこの空の色も超高濃度エネルギー体のことも納得がいくけど……」

「これを、2週間以内に破壊する、と……?」

「はい、そうです」

 

シャーレ内では、既に会議が始まっていた。

 

”ごめん、遅れた!”

 

「先生!ご無事でよかったです」

「先生、こちらが資料になります」

 

”うん、ありがとうリンちゃん。もう一部くれる?あげたい人がいるんだ”

 

「?ええ、構いませんが……一体誰に?」

 

”夏油ちゃん、入ってきてもいいよ”

 

「おや、随分と早いね。もう少し時間がかかると思ってたんだけど」

「何者でしょうか」

「私は夏油。先生がカイザーPMCに襲撃された際に、ヴァルキューレ生と共に救出した者だ。敵ではないから安心してくれ」

「……わかりました。それでは、会議に戻りましょう」

 

トリニティの百合園セイアとシスターフッドの情報により、「色彩」と呼ばれる存在。それがこの世界に足を踏み入れたが故に起きた現象であり、人々を狂気に陥れる光だと判明した。

ミレニアムのエンジニア部からも「光に触れると人格と意識に変化が起こる」ということからも、色彩が”敵”であることに疑いはなかった。

 

「……それで、夏油さんは何故こちらに?」

「そうだね。結論から言うと、私は色彩と接触したことがある」

「!?」

 

驚くのも無理はないだろう。「色彩に触れてここに来た」とも取れるし、「シスターフッドの古書にしか記述がないほど古い過去に色彩をこの目で見た」とも取れるのだから。

 

「それは……どういうことです?」

「色彩とは、意思も理念も何も無いただの現象であり、一種の天変地異を起こす存在。今まさにそうだ。そして、色彩は私たち生徒の持つ「神秘」。それを反転させる」

「神秘?」

「頭のヘイローがその証さ」

()()そういう事だったんですか!?」

「身体が丈夫なのも神秘が理由さ。そして、反転した神秘……恐怖は、ヘイローを持つ者を狂気へと陥れる。存在そのものが裏返り、元に戻れなくなる」

「……言ってる意味がわからないわ。難解過ぎる……」

 

ミレニアムのセミナーである、早瀬ユウカの発言も理解できる。実際わかりにくい。

 

「まあ、恐怖へと転ずれば……あるべき姿に戻ると言うべきか。ただし、生徒ではいられなくなる」

「それは……嫌、かも」

「だろう?あの虚妄のサンクトゥムとやらは、「色彩」の光を伝播させるようだ。キヴォトス全土が飲み込まれる時間は?」

「約300時間……2週間ほどです」

「わかった。じゃあ2週間以内にアレを壊そう」

「という話を、先程までしておりました」

「あれ、そうなの?」

「はい」

 

……冷たいな、七神リンは。まあ妥当な警戒だろう。

 

「それぞれの「虚妄のサンクトゥム」の場所は、アビドス砂漠、D.U.近郊の遊園地、ミレニアム郊外の閉鎖地域、トリニティとゲヘナの境界付近、ミレニアム近郊の新しい都市──そして、D.U.の中心地点」

「D.U.中央のサンクトゥムが一番エネルギー体が大きいですね。先に他の5つを処理してからのほうがいいかと」

 

『そうもいかなくなりました』

 

通信で声を上げたのは、明星ヒマリ。ミレニアム史上3人しかいない学位「全知」を持つ者。

 

『私たちは、ビッグシスターが残したデータを利用してアクセスを試みましたが……どうやら、守護者に阻まれたようで。「虚妄のサンクトゥム」を守る存在は、いずれもキヴォトスに今まで存在した奇怪な現象の凝縮体のようなものです』

 

デカグラマトンの預言者、トリニティの複製(ミメシス)、先日ミレニアムの廃墟で確認された「Divi:Sion」。

 

 

 

アビドス砂漠には、デカグラマトンの3番目の預言者、「ビナー」。

 

廃墟化した遊園地には、スランピアに複製(ミメシス)されたアミューズドール「シロ&クロ」。

 

トリニティとゲヘナの境界付近には、”聖徒の交わり”「ヒエロニムス」。

 

ミレニアム郊外の閉鎖地域には、デカグラマトンの4番目の預言者、「ケセド」。

 

ミレニアム近郊都市には、デカグラマトン8番目の預言者、「ホド」。

 

それらの守護者を撃破せねば、虚妄のサンクトゥムは破壊できない。

 

そして、各自地区の避難誘導や治安維持もある。

 

 

『治安維持に関しては、私たち自治区の行政機関や「虚妄のサンクトゥム」向かわない者でやりましょう。それぞれの自治区で、既に防衛を進めています』

 

「……!ありがとうございます」

 

”問題なさそう?”

 

「そのようだね……皆、私を信頼してくれてありがとう」

「ええ、貴女の正体はまだ疑っていますが……先生が連れてきた人ですし、問題は今のところないと見ていいでしょう。襲撃するなら、今すればいいですから」

「それもそうか。……あと、先生は少し身の振り方を考えたほうが良いんじゃないかい?人誑しがすぎるよ、君」

 

”えっ!?”

 

「フフ、まあいいか」

「それでは皆さん、時計の方をキヴォトス標準時に合わせてください」

 

……私時計持ってない……。

 

”はい、時計どうぞ”

「あ、くれるの?助かる〜」

 

「「虚妄のサンクトゥム」、最終臨界点までの予想時間は、残り14日と23時間59分59秒……それではこれより──」

 

 

 

 

 

 

「「虚妄のサンクトゥム」攻略戦を開始します」




ロリ羂索って……ガコンされるものなんだね。ガコンッ
まあ羂索は子供の体にも入ったことありそうだよな……
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