『第1サンクトゥムの作戦担当、奥空アヤネです。皆さん、指定地点に到着しましたか?第1部隊、応答願います』
「大丈夫よアヤネちゃん、準備は終わってるわ」
「うんうん!待機中です☆」
『ホシノ先輩はどうでしょうか?』
「うん、おじさんも大丈夫。それと……」
「……何故、私までここに?」
シロコの居ないアビドスに混ざって、何故か私が第1サンクトゥムの攻略に入ることになってしまった。
しかも相手はビナーだ。……前の世界では恩をかけてくれた相手だ。少しこう……うん、辛い。
恩人?恩蛇?に手をかけることになるとは……それはそれとして色彩は嫌いなので全力で壊しにかかるが。
『トリニティの百合園セイアさんから「アビドスで何か活動をしていた」と聞きましたので』
「それだけ?もっと危機感持ったほうがいいんじゃない?」
今私が手に持っているのは、急ピッチ……というわけではなく、元々エンジニア部が造っていたものに”私の左腕”を組み合わせたレールガン。その名も「トリア・ソーテール」。ガバガバ翻訳して”第3の救世主”と言ったところか。
ちゃんと反転術式で左腕は戻してあるから、別に欠損したまま戦うというわけじゃない。
『はい。あの会議でも、夏油さんが信頼できる人だということがわかったので』
「……」
・・・・・
「ホシノ先輩やシロコ先輩が信頼しているのなら、私たちは夏油さんを信じますよ」
・・・・・
「……そうかい」
「……で、あれが「虚妄のサンクトゥム」だよね?」
「ああ。第1サンクトゥムはデカグラマトンと呼ばれる者の預言者、「ビナー」を倒さねばならない」
今回囮役を担当してくれるのは、ゲヘナ学園の「便利屋68」と呼ばれる便利屋。まあ、アルたちだ。この子ら……特にハルカが面倒だった。捨て身の特攻をかましてくると思ったらアルの致命傷を庇う。他3人も同様で、かなりやりづらかった記憶がある。ビナーを引き付けるくらいなら、余裕でこなしてくれるはずだ。
「……じゃ、そゆことで。コッチは準備OKだよ〜」
『はい!「シャーレコントロール0号」、応答願います!第1サンクトゥムは準備完了です!』
『はい、確認しました。マキさん、そちらはどうですか?』
「問題ないよ!あ、でも1個注意ね。ビナーのレーザーは絶対触っちゃ駄目だから!岩を一瞬で溶かす程の超高温だから、掠ったらヤバい!」
『……だそうです』
……レーザーとは、もしかしなくとも《アツィルトの光》のことかな?それなら……フフ、良いことを思いついた。
ミレニアムのセミナー、生塩ノアが第2サンクトゥムの状況確認を促したところで、改めて兜の緒を締める。
「……うへー、何かワルいこと考えてるねぇ」
「あ、バレた?」
「そりゃあバレるでしょ。あんまりおじさんを舐めないでほしいね」
「クックック……まぁ、ビナーもきっと驚くだろうね。もしもビナーが喋るのなら、【驚愕……といったところだろうか】とか言うと思うよ」
「なんでそんな地味に解像度高いの?やだよビナーがびっくりー!とか言うの」
「フフ、まあその時まで待つことだ」
「はぁ……それじゃ、確認を終えるまで待ちますか」
プレ先世界の黒服曰く、呪力と恐怖の関係性みたく「正のエネルギー」は神秘に近いモノだそうです。反転アウトプットみたく呪霊特攻ではあります。呪霊は多分全部特殊装甲。
羂索が反転を使えるのは、司祭と色彩によってふっ飛ばされて欠損したのと、多分ビナーとの撹拌が臨死判定食らったんじゃないですかね。