「今のD.U.シラトリ区は誰も居ない。好きに暴れるがいい」
「ありがとうございます……第6サンクトゥムの守護者はまだ確認できていませんが、6つのサンクトゥムの中では最も強力なエネルギーを持っていますので……」
「守護者が現れたら避難完了したエリアに誘導して、そこで作戦を開始するよ〜」
第6サンクトゥムでは、補習授業部が巡回をしつつ守護者を探している。所謂「偵察部隊」。……大丈夫か?強さの基準で言うのなら
「……」
待機していて、思ったことがある。黒服の言っていた「箱舟」が、少々妙な動きを見せていたと。その箱舟は、一体どこにある?
幸い、この身体は神秘で満ちている。別世界とは言えビナーと融合しているのだから、逆算して位置を割り出せるだろうか。
「……ふぅ、まだわからないか」
引っ掛からない……というか、天体の観測が重力により捻じ曲がる感覚に近い。弾かれる、ともまた違う。……天高い場所にあることは分かっているが、上空は神秘も薄い。酸素がなければ呼吸ができないのと同じで、神秘の濃度が薄ければ探知も利かないのだろう。
『第1サンクトゥムから第6サンクトゥムまで、全エリアのスタンバイを確認。再度「虚妄のサンクトゥム攻略戦」の作戦概要を展開します』
七神リンが、再度全体に通信を繋ぐ。
『攻略部隊には、各守護者を攻撃できる距離まで近づいてもらいます。道中、敵の防衛ラインで交戦となります。そうして、総計6つの攻撃ルートを確保していただきます』
『また、防衛部隊はサンクトゥムの攻略が終わるまで各自地区を防衛しなくてはなりません。攻略開始と同時に、サンクトゥムから敵が召喚されキヴォトス全土に広がる可能性が高いです。防衛部隊は襲撃に備えてください』
『各自地区の防衛が成功して、全サンクトゥムの攻略ルートを確保できたら守護者の集中攻撃のカウントダウンを始めるよ。カウントダウン終了と同時に総攻撃だからね。タイミングが重要だよ〜』
『5つのサンクトゥムが攻略できたら、第6サンクトゥムの攻略に全員で向かいます!』
『以上が「虚妄のサンクトゥム攻略戦」の全貌です』
『”それじゃあ皆──準備はいい?”』
「はい、先生!!」
・・・・・
この世界に来てから、禄に呪術を確認できていない。領域が使えるかどうか、黒閃を撃てていない。というか神秘で黒閃って撃てるのか?いや、神秘自体が観測できないからそもそも視えないな。
「……第1サンクトゥム、アビドス自治区……はぁ、さっさとビナーと戦いたい……」
「戦闘狂だねぇ。おじさんは防衛で精一杯だよぉ」
「……君はその気になればキヴォトスでも最高の戦闘能力を発揮できるだろう」
あぶね。一瞬「暁のホルス」の二つ名を言いかけた。これを知ってるのはゲマトリアくらいなので、言ったら確実に殺される。……ホルス程度で殺されはしないけど。
「うへぇ、おじさんはそんなんじゃないよ〜」
「……まぁいい。……さぁ、掃討と行こう」