キヴォトスメロンパンモドキ   作:ただねこ

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虚妄のサンクトゥム攻略戦(2)

『改めて──全自治区の防衛、完了ですね。お疲れ様でした。……全サンクトゥムの攻略準備、完了。これで「虚妄のサンクトゥム」攻略戦の準備は整いました。まもなく、総攻撃のカウントダウンを開始します』

 

……案外早かったね。30分程度で自治区の防衛は完了したか。

そして、これから守護者の攻略を開始する。

 

『5……4……3……2……1……総攻撃、開始!!』

 

 

・・・・・

 

 

「うわぁぁっ!出たわよ!!」

「さあ、走りましょう!」

「目標地点まで引きつけるよ〜」

 

ビナーと戦うのは、通算2度目だ。あの時は領域展開と呪霊操術……うずまきも使って辛勝といったところだった。今回は色彩によって強化されているし、どうしたものか……。

 

「エネルギー反応!?き、気をつけて、レーザーが来るよ!!」

「回避タイミングが予測できません!ホシノ先輩!」

「……いや、その必要は無いみたいだよ〜」

「え?」

 

……「トリア・ソーテール」を構える。めちゃくちゃ重いので、銃身を横にして、左手で後ろの取っ手を持ち、右の掌で銃口を支える。弓を引くようなポーズで、ビナーのレーザー……「アツィルトの光」に備える。

 

「げ、夏油さん!?如何にレールガンとは言え、出力が段違いで──」

「──この銃は、ミレニアムのエンジニア部がお試しで造ったレールガンに、「私の左腕」を組み込んだものだ」

「左腕?」

「この身体は特別性でね。ビナーの装甲と同じ物質が使われてる」

 

キュイイイイイイイイイイイイン……。装填されている銃弾に、神秘を込める。と同時に、”反重力機構”……術式反転を用いて、更にエネルギーの密度を高める。

 

準備は万端。

 

「ビナーよ……自分の技を食らったことはあるかい?」

 

溜まったそれを、一直線に放つ。

 

 

 

 

 

「《アツィルトの光》」

 

 

 

 

 

ふわっと浮きつつかなり後ろに押されるが、問題ない。

 

「!?」

「ビ、ビナーと同じビーム……!?」

「どういうこと!?いや、拮抗は流石にしてないけど……なんで耐えてるの!?」

「……っ夏油ちゃん!」

 

ホシノがセリカとノノミを抱え、此方に走って抱えに来る。

 

「いや、大丈夫だ」

 

反重力機構……術式順転、”乱奔重”。ビナーの放った《アツィルトの光》を逸らし、そのまま私の《アツィルトの光》共々ビナーにぶつける。

 

「……うわあ」

「頭おかしいんじゃないの?」

「ド直球だなあ……酷いよセリカ。ひぃん……」

「なっ……事実でしょ!!ビナーと同じレーザーを発射した挙げ句、それを変な力で逸らしてビナーにぶつけるって何なの!?」

「……たしかに」

 

呪術を知らないセリカたちから見れば、何がなんだかわからないだろう。

ホシノとノノミの後を走りながら説明する。

 

「理由は知らないけど、重力を操ることが出来る能力を持っていてね。それも利用して、ビーム……《アツィルトの光》に使うエネルギーの密度を高めたんだ」

「ふーん……重力って強くない?」

「使用した後はちょっとした痛みがくるから、一概にメリットとは言えないさ。私は痛みだけじゃ止まらないけどね」

「……イカれてるの?」

「イカれなきゃやってらんない職場にいたからねえ……痛みなんて付き物さ」

「……ま、これが終わったら転職でもすれば?ていうかあんた歳幾つなのよ……」

「おや、乙女に年齢の話は駄目だろう?」

 

生まれた時は男だったけどな!!

 

 

「すごいねあなた達の委員長……いや、アビドスって強いんだね。そこの白い人はよくわかんないけど」

「え、そうなの?」

「比べる材料がないからよくわからないですね……とにかく、これでビナーとの戦闘、いつでも開始できます!」

「漸くか……!わくわくしてきたよ」

「じゃあ、ちゃちゃっと行っちゃおっか♪」




因みに、トリア・ソーテールは1発アツィルト撃ったら羂索の腰くらいまで反動で浮きます。羂索が軽いのかアツィルトがやばいのか……。
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