キヴォトスメロンパンモドキ   作:ただねこ

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砂狼シロコ(2)

「見つけた」

 

 

ぞわりと、神経を逆撫でするような気配。これは、紛れもない恐怖(Terror)だ。

そして、空からあふれる黒──これ、帳か?

 

「……何の用だい?シロコ」

「……久しぶりだね、夏油さん」

「お互いに雰囲気が変わったね。そっちはどうだい、シロコ」

「……私は、世界を滅ぼすための神。役割は変えられない」

 

帳には、”夏油スグルと砂狼シロコのみを中に入れ、それ以外を拒絶する”結界術が組み込まれている。……ホシノたちの顔を見ないためか?

 

「シロコ。私は君に帳……結界術を教えた覚えはないんだけど」

「見て覚えた」

「へえ?……天才とはまさにこの事か。妬いちゃうね」

「……」

 

おどけてみせると、シロコは銃を構える。

 

「おや、勝てると思ってるのかい?たかだか神に成った程度の君が」

「……勝つ」

「そっか。じゃあ無理だね」

 

トリア・ソーテールを構え、思い切り脳天を叩き割る……つもりだったんだけど。

 

「避けるんだ、これ」

「……わざとの癖に」

「なんのことかな、シロコ」

「本気で来てるなら、既に私は殺されてる。夏油さん……貴方はなんで私を呼ぶの?」

「シロコはシロコだ。君が過ちを犯さぬように、私が肩代わりをした。その結果だよ、今の君は」

「……だから、夏油さんのせいだって言うの?」

「勿論。私のせいじゃなければ一体誰のせいなんだい?」

「……っそれは」

「君じゃない。わかるだろ。少なくとも君ではない。生まれたことは罪にはならない。生きることは罰ではない。……時代を渡った私だから出せた結論だ。時の流れは全てを押し流し、やがて忘れ去られていくものだ。……所詮、過去は過去さ。そんなモノに執着するような老けた輩は滅びればいい」

「……ほんとに、人間?」

「人間だよ。ちょっぴり長生きのね」

「……」

 

少し、むすっとしたような気がする。前の表情を出してくれた。

 

「変わらないね、シロコは」

「……」

「まあ、君の苦悩を理解しようとは思わないよ。もし救いを享受したいというのなら、その受け皿は自らの手で作り上げなさい」

「……うん」

 

この言葉が響いたかは、わからないけど。

 

「それじゃあ、()()()()

「ああ、()()()()()

 

 

・・・・・

 

 

”……色彩の、嚮導者……!?”

 

プレナパテスは、僅かに頷く。

 

”なんで、色彩をここに?”

 

その事位は、彼の耳には届かない。代わりに、聞き慣れた──いや、いつかに聞いたような音の塊。

 

 

 

”我々は望む、七つの嘆きを。”

 

 

”我々は望む、ジェリコの古則を。”

 

 

 

その音に、彼は驚愕する。

 

この世界に2つとない……であろうモノの声。

 

『先生の生体認証、完了。A.R.O.N.A.、命令待機中』

 

その声と共に、彼は現実へと引き戻された。

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