「ホシノ」
「ん?」
「……正気かい?」
「うん、正気」
ほんの少し口角を上げたホシノの目は、まるで獣だ。獲物を襲い、存在を抉り、髄に胞に至るまでを喰らい尽くす目。
「っはは……いいね」
「夏油ちゃんはいいらしいよ。どうする、そっちのシロコちゃん」
「……わた、しは」
シロコはまだ、戸惑っている。世界を滅ぼすという役目を与えられたというのに、目の前にいる
「別に、誰も怒ったり悲しんだりなんてしてないよ。夏油ちゃんにはちょっと言いたいことあるけどさ」
「……」
「そっちの先生も、多分ずっと苦しんでる」
「!」
シロコの目が見開かれる。
「……ごめん、なさい」
「うんうん、いいよー泣いても。おじさんがよしよししてあげよう」
「ありがとう、せんぱい」
シロコは、泣きじゃくった。
「リン、私は今のうちに箱舟を占領してくるよ」
「……わかりました。先生も連れて行ってあげてください」
「ああ」
・・・・・
「……こちらのシロコが泣き止んで協力するまでの間も、箱舟は……あのエネルギーは密度を増し続けている。虚妄のサンクトゥムが出現する前に、巨大な演算装置である『アトラ・ハシースの箱舟』の全てを占領して、破壊する」
”うん、よろしくね、夏油さん”
「ああ。そちらのシロコ捜索に関しては、対策委員会に任せることにしよう。私たちはここを突き進み、箱舟の中心部に向かうよ」
・・・・・
「シロコちゃん」
「……」
「大丈夫、大丈夫だよ」
背の小さいホシノだが、泣きじゃくるシロコの頭を優しく撫でる姿は、まるで母のようで。
「……砂狼シロコ」
「ん?」
「……箱舟の中央にある、第4エリア。そこの閉鎖された場所にいる。そして、そこを通り抜けて行った先にエンジンがある」
「!!」
「そこは、実在と非実在が混在する場所。世界の存在が薄まる。だから、そこに私を連れ去った。同じ人間は2人として存在することは出来ないから」
「……だってよ、オペレーター」
「はい、全て聞き届けました。……こちらに協力するということで、よろしいですか?」
「うん、やるよ」
「……ありがとう、シロコちゃん」
涙を拭った、跡の残った顔のまま。
「今から、箱舟を破壊する」
・・・・・
”……敵が一瞬で倒れていく”
「これでも単騎でビナーを倒したからね。余裕だよ」
レールガンを振り回しながら先へ進む。
途中で合流した対策委員会と救出したシロコは、ハッキングされた本船の対処に戻った。
私は、先生とシロコに呼びかける。
「……準備はいいかい?2人とも」
”勿論”
「出来てるよ、夏油さん」
……ああ、そうだな。
「それじゃあ、行こうか。正真正銘、これが最後の決戦だ」
だいぶ端折ったねごめんね!!ほら、もう20話とか書いてるからさ。プレナパテスにお話割きたくて……。
(占領戦のとこあんまり覚えてなかったのは内緒)