発進
超高性能AI、デカグラマトン。ヒマリたち特異現象捜査部や、アリスたちゲーム開発部と、リオと共にその調査をしていたのだが、2本の電話が入ってくる。1本はユウカから。2本目は──。
『あ、あー……先生、私だ、夏油だ。少し話$%{'#!<`……電波が悪いみたいだね』
「夏油さん……?」
「夏油って、
『虚妄のサンクトゥム攻略戦の時、私と先生と話をした夏油で合っていますか?』
「うん、その夏油で合ってるよ。……夏油さん、どうしたの?」
『デカグラマトン』
「「「!!」」」
『私も少し因縁|+}&#……あー、身体に関しても色々と物申したいことが多い。だから同行させてもらうよ』
「え、私たちが何処に居るのか知ってるの?」
『恐らく、私の鍵の機能との共鳴でしょう。位置情報も含まれているんですか?』
『多分ね。ある程度の位置がわかる。……ということで、ついて行かせてくれ』
「私はいいと思うな」
『……いいんだね』
「……私はあの時*1の件も含めて、まだ信用はできないわ」
「私は信用しますよ、リオ。報告書、貴女も見たでしょう?」
「……っ」
『……いいんだね?』
「うん、大丈夫だよ。今から詳しい位置情報を送るから、少し待っ」
「大丈夫、もう着いてるさ」
「──へ?」
「や。久しいね、先生」
「いや、速くない!?」
「術式を使って高速移動してきたんだから、速いのは当たり前だろう?」
「ええ……」
『あの、監視は大丈夫ですか?確か連邦生徒会の監視があったと聞いてますが』
「住居の監視だけだから大丈夫だよ、ケイ」
『……そうですか』
「安心した?」
『してません!!』
「……にしても、だいぶ姿が変わったね。イメチェン?」
『そこの黒髪のせいです』
「駄目じゃないかリオ。顧客の要望は出来る限り叶えなきゃ」
『私はミレニアム生であって、業者じゃないのだけれど……?』
『あーもー一旦黙ってください!!!』
「これより私たちは、デカグラマトンの預言者と、アイン、ソフ、オウルと呼ばれるエンジニア。そして、拡大を続ける鋼鉄大陸──その《特異現象》に対処するため、出発するわ」
……鋼鉄大陸。デカグラマトン第7セフィラ
─勝利を証明する無限の大地。
どれもこれも、ビナーのコアから読み取ったものだ。
「えっと、その……」
(……リオ、指揮は慣れていないのかな)
(まだ慣れていないようですね)
(会長はこういうのしてこなかったし、仕方ないか……)
「え、っと……みんなは帰ったら何をするのかしら?私はアバンギャルド君を更に改良しようと思っているわ」
「……?」
『リオ、貴女何を言って──』
「私はこの作戦が終わったら、オカルトの統計を纏めた同人誌を出す予定です」
『あの、出発前から不吉な話をするのはどうかと──』
「帰って先生にアイスを奢ってもらわないといけないから、負けるつもりはないよ」
「この状況で言うべきことは、ただ1つ。到着したら怪しそうな場所を見つけて、決め台詞を言います。「大丈夫、ここは安全です」と」
ゲームでもやりすぎたのかな。
「「ですが、念のために様子を観てきます。すぐに帰ってきますから、戻ったらなでなでしてください、先生」……こんなところでしょうか」
「君は何を言ってるんだい、トキ」
「じゃあ、私も!「ふっふっふ、謎は全て解けた」──!」
『やめてください!余計なことをいわないでください!ミドリ、アリス、ユズ、貴女たちは大丈夫ですよね……?』
……ケイの抵抗も虚しく。
「こんな危険な場所に居られるか!」
「わ、私は自分のロッカーに帰らせてもらいます……!」
「や、やりましたか……?」
うーん、あまりにも清々しいフラグ乱立。
『げ、夏油さん!』
「……気は引き締めようか。うん」
『よかった……』
「私に安心を求めないでくれるかい??」
『とりあえず!!出発しますよ!!今も鋼鉄大陸は刻一刻と拡がり続けているんですから!!』
「……離陸と同時に最大出力で加速するから、全員シートベルトをしてちょうだい。アナウンスするまで、絶対に席を立たないで。──トキ」
「はい、リオ様。……本船はまもなく離陸します。目標──鋼鉄大陸」
──発進。