日本人死にすぎ問題!!青井ちゃんに幸せを!   作:ウォーキング担々麺

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影からハジケリストが出てくる!?

翌日。ギルドの中にある駆け出し冒険者の宿を出て、ギルドの酒場に向かうと…そこではクールビズなスタイルの着こなしをした七海建人がコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいた。

 

「おはようございます。青井さん、金子さん、黒糖さん。良く眠れましたか?」

「はっはい…」

「私はそこそこかな?安いビジネスホテルより、お布団ふかふかだったし!!」

「ベッドで寝るなんて、初めてだったので…」

 

七海建人の問いかけに対して、上から青井、黒糖、金子と順番に言っていく。三者それぞれの反応であるが、異世界についてから日が浅いとはいえ、多少は眠れていることがあり、疲れなどは特にないようだ。なにせ、疲れが残っていたら大変だ。今日から冒険者としての一歩を改めて踏み出すことになるかもしれないし、少なくとも死なないための訓練を受けることになる。間違いなく、呪術師以外の現代日本人が危険な異世界で生き残れるための訓練だろう。

 

「それは良かったです。睡眠は適切に取るようにしましょう。外傷は反転術式や回復魔法で治りますが、病気はそうも言ってられませんからね」

 

七海建人はそう言い、コーヒーを飲み干して新聞を机の上に置いて立ち上がる。これから、青井達…デスゲームに脱落したことでこの世界にやってきた少女達が無事に生き延びれるように訓練が始まるのだ。

 

と、その時だった。なにやら七海の影がゆらっと動き出した。先ず、前提として異世界に転生した人達はアクアの上司達の力で肉体が再生…或いはコピーされてそこに魂を入れられて復活する。こうすることで日本にも亡骸がそのままあることになるのだ。その時に、異世界の言語や魔力などに対応するため脳に刺激が与えられる。そして呪術にも脳が関わっており…呪力が使えない人と呪術師の違いは脳とも言われている。

 

「えっ?」

「影が?」

「影?…そう言うことですか。渚くん、イタズラするのはわかってます。素直に出てきなさい」

 

七海はため息をつきながらそう言った。そして出てきた渚という人名からして、誰かがスキル或いは術式で七海の影に入り込んでいるのだろう。

と、その時だった。七海の影から何かが飛び出した。それは…真っ白で額になにやら紋章が記された大陸狼ぐらいの体躯を持つ犬であった。

 

「ワン!!」

「ひっ…えっ?」

「大きなワンちゃん?」

「でか!?犬って言うより、狼じゃん!!」

 

「この犬は渚くんの術式。十種影法術。特別な目が必要な無下限術式などを除けば、間違いなく()()と断言出来る術式です。

日本神話の宝具、十種神宝になぞらえた式神を扱えます。しかも式神自身の能力も術者本人も使え、更に影さえも操ることが出来る。術式の性能なら、間違いなく最強でしょう」

 

そう、七海の言う通り、特別な体質などが必要な無下限術式などと違い…十種影法術は正に最強の術式。

影を操り、影から十種類の式神を出すことが出来る。式神の術式も術者本人が使うことが可能で、実質…11種類の術式を生れつき持っていると言えるだろう。しかし、デメリットも幾つか存在する。

デメリット1つ。最初は扱いやすい黒と白の玉犬しか使うことが出来ず、使う式神を増やすには調服の儀で、呪術的には一人で倒して従えるしかない。言い換えれば、式神を増やそうとして…式神に殺されるという情けない最期を向かえる場合もある。

デメリット2つ。完全に破壊された式神は2度と顕現出来ない。しかし、その力と術式は他の式神に移すことが出来る。

 

「本来ならそうですが、彼は2番目のデメリットを無効にしてます。その上、破壊されていない式神同士の融合や分離も可能です」

 

なんと言うことでしょう。七海の言う彼は術式の解釈を広げて、2番目のデメリットを無効にしており…その上、破壊されていない式神同士の融合や分離も自在に出来るのだ。

 

「そろそろですね」

 

七海がそう言うと、七海の影から白髪の女の子…いや美少女と見間違えるほどの顔立ちをした男の子が出てきたのだ。

 

「はぁーいナナミン!遊びましょー!!」

「わかりましたから、出てきてください。紹介したい人が居ますから」

「あっそうなの?とぅ!!華麗に脱出!!」

 

影から出てきたのは15歳ほど…まだ中学生だろう。背丈も青井より10センチほど大きいぐらいの男の娘だった。

過去に過剰なストレスを受けたのか、毛髪は色素を失った白をしており、体つきは発展途上のスポーティーな肉つきをしていて無駄がない。

 

「みんな~~注目!!俺ちゃんは江戸末期産まれ!明治初期にドブカス実家から北海道に逃げようとしたら、頭メロンパンに殺されちゃった禪院渚15歳でーす!!宜しくね!!」

 

彼は禪院渚。普通の転生者と違い、幕末末期産まれ。呪術御三家の超名門、天皇家とも繋がりがある禪院家の分家出身。双子で不完全なフィジカルギフテッドの母を持ち、父親は不明。

6歳の時点で術式が発覚したが、目の前で母親が本家に殺されたショックで本家に反逆を開始。10歳の時に、玉犬2匹だけで禪院家を半壊させ、逃亡。13歳の時に最強の式神魔虚羅以外の全式神をゲット。14歳の頃、渚の噂を聞きつけた加茂憲倫…というかメロンパンの手で倒されて、肉体を解剖される。

 

「んで、ここに来ました。今ならメロンパンを殺せる気がするけど。魔虚羅ゲッチュしたし…宿儺のおっちゃんに結界術教わったしね」

「まって!?江戸時代!?」

 

そう、渚は江戸末期産まれで明治初期に此方に着たのだ。しかし、そんな大昔の人なら、昔に転生してる筈だろう。だが、これには渚の特殊体質が関わっている。

 

「はい。彼は紛れもなく明治の人間です。彼の転生が遅れたのは、彼がキメラ体の天与呪縛だからです」

 

七海…いやナナミンが解説してくれた。この世には天与呪縛というものがある。

天与呪縛とは産まれた段階から宿してる縛りであり、生れつき肉体が欠損している変わりに呪力が強いとか。生れつき呪力が少ないがフィジカルが超強いとかがあるのだ。

そして天与呪縛で最強なのが結合双生児である。該当する人物は一卵性では呪いの王と呼ばれし呪術師、両面宿儺のみ。彼は生前、一卵性の片割れを吸収したバニシングツインであるが…次期が次期だったこともあり、両手が4本、腹部にも口があるなどの怪異てき外見をしてるが、フィジカルギフテッドに匹敵する腕力、莫大な呪力を誇る。

 

「「「キメラ体?」」」

「二卵性の双子が片割れに吸収される現象です」

 

そして渚は二卵性のバニシングツイン。遺伝子レベルで片割れを取り込んでおり、心臓が2つ存在している。外見は普通の人と変わらないが、胸の部分には渦巻き上のアザがあり、そのアザをDNA鑑定すると二卵性の双子の兄弟と出るのだ。早い話、次世代の宿儺である。

 

「いやーまさか、俺も心臓が2つ有るなんてここに来るまで分からなかったし!てへ」

「てへではありません」

 

しかし、ここで青井達は思った。渚は十種影法術を使ってナナミンの影にも入ってたし、なんなら玉犬白も出している。スキル習得の条件は出たし、もしかすれば自分達も十種影法術を使えるのでは?と思い、冒険者カードを見る。

 

「ワン!!」

(ワンちゃん可愛い…もしかしたら…)

 

だが、十種影法術の習得スキルポイントの数は……

 

「てっ!?なんじゃこの桁ぁぁぁあ!!那由多!?0が書けないからまさかの漢字表示!?」

 

黒糖が驚きながら叫ぶ。無理もない、十種影法術の必須スキルポイントは9那由多である!!

 

「では…そろそろ行きましょう。朝食がまだなら、食べて行きましょう」

「ななみーん!俺も食べたい!!朝3時からスタンバイしてたからお腹ペコペコ!!」

「全く…貴方って人は…」

 

腹ごしらえをしてから、訓練開始である!!




次回こそ、訓練である。

青井ちゃん達パーティーに加わって欲しい大人

  • グレートティーチャー五条悟
  • 七三分け大人 ナナミン
  • 料理も出来る!烈海王
  • マイルドになった宿儺様!
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