奮戦せよ!ダイゴロウ!   作:クォーターシェル

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第8話 ダイゴロウとガメラ

ダイゴロウがシーギャオスを倒してから1年、ダイゴロウは今日は月見島に上陸してきた大ダコを火炎放射で焼き蛸にして食べていた。そして食べ終えるとゆっくり休んでいた。暫くの間、休息をとってから月見島の森林部に入り野生動物の生態系が破壊されないように注意を払った。斉藤達職員はダイゴロウの行動を見て自然との共存の素晴らしさを改めて実感するのであった。

 

その頃、北海道周辺へ流星雨が降り注ぎ、そのうちの1つが大気圏にて制動を掛けたことで内部に何らかの生物が存在する事を確認。宇宙レーダーより事前に落下を察知していた特生自衛隊のメーサー部隊からの攻撃を受けるも支笏湖の北西約1キロメートル先にある、恵庭岳近くへ落下した。

 

現場に派遣された自衛隊は宇宙怪獣の類が居ないか捜索したが、その時は特に何も見つけられなかった。しかし、その数日後、地下鉄を多数の昆虫或いは甲殻類の様な生命体が襲った。更に高さ数十メートルもの植物がデパートを突き破って出現したのだった。

 

調査の結果、怪虫(群体)と植物(草体)は流星群と共に外宇宙から飛来したものであり、2つは共生関係にあるものと考えられた。群体はガラスや土などに含まれるシリコンを経口摂取し、その分解過程で発生した大量の酸素で草体を育てる、生物はその習性や聖書より『レギオン』と呼称された。

 

レギオンが発する高濃度酸素の環境下では地球の大部分の生物は生存出来ない為、日本政府は草体の爆破を決定する。しかし草体が種子を宇宙に打ち上げて繁殖させる役割であるとの指摘があり、コンピュータがシミュレートした草体の爆発力は、札幌市街地を壊滅させるに充分なものであった。これに伴い爆破は地上への誘爆の恐れから、地下鉄構内のみに限定され爆破の決定は継続された。

 

同時刻、1年前の戦いで死亡した筈の『ガメラ』が復活し、三陸沖より出現、海上自衛隊並びに特生自衛隊の生体レーダーによる観測網を突破。

 

そして草体の爆破準備が進む札幌に飛来し、草体を睨みつけるような仕草の後にプラズマ火球を放ち跡形も無く粉砕した。ガメラはそれだけでは飽き足らず、草体を倒し根本から引きずり出し、残った草体も全てプラズマ火球によって消し飛ばした。

 

その後ガメラはソルジャーレギオンの逆襲に遭い撤退し、更にその後地下から羽を持つマザーレギオンが出現して飛び去ったが途中で航空自衛隊のF-15JE+から発射されたサイドワインダーにより、津軽海峡において撃墜されるもそのまま羽を残して姿を晦ました。

 

北海道の事件を察知したのか、ダイゴロウは月見島を出発したのだった。

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

――仙台。

宮城県のほぼ中央に位置する東北地方唯一の政令指定都市である。今、その仙台では全区域に避難勧告が出ていた。それもその筈、レギオンの草体が市内に出現したからである。しかも、仙台は北海道より気温が高い為か草体の成長が早く種子発射の爆発が起きるまで時間の問題だった。

 

飛行場では避難民の乗せたヘリコプターが飛び立とうとしている。そんな時、ガメラが草体を破壊しようと飛来してきたが、地中から現れた巨大な鎌に激突して墜落してしまった。鎌はマザーレギオンの身体の一部で、そのままマザーレギオンは地中から姿を現してガメラと交戦に入る。マザーレギオンはその巨大な身体とパワーでガメラに襲い掛かった。

 

「!!」

 

マザーレギオンの鎌を受け止めるガメラ。しかし、パワー負けし押し込まれそうになる。そんな時である。マザーレギオンの側面に火炎放射が命中した。

 

「グウウウウッ!」

 

マザーレギオンに火炎を食らわせたのは仙台に到着したダイゴロウだった。ダイゴロウはシーギャオスを倒した火焔結節を体に纏いながらマザーレギオンに飛び掛かり左脚の膝を蹴ってマザーレギオンを倒した。

 

「シャアアッ!!」

 

マザーレギロンは怒り狂ってダイゴロウに襲い掛かるが、ガメラがプラズマ火球を連続発射して牽制してダイゴロウを助ける。ダイゴロウは火焔結節でコーティングした拳でマザーレギロンを殴りつけた。

 

「シャアアッ!!」

 

マザーレギロンは苦悶の声を上げて怯む。しかし、マザーレギオンも負けてはいない。マザーレギオンは角からマイクロ波を収束した光線であるマイクロ波シェルをガメラとダイゴロウに発射した。マイクロ波シェルは命中すればプラズマ火球以上の威力を持つ。ガメラとダイゴロウは左右に回避してマイクロ波シェルを避ける。

 

「シャアアッ!!」

 

マザーレギオンは続けてマイクロ波シェルを連射してくる。ガメラとダイゴロウはそれを紙一重でかわし続ける。そんな時だった、一機の輸送機によって巨大ロボットが現場に輸送されてきた。その機体の名前は五式支援機士ユウヒ。特生自衛隊が試作した遠隔操作型ロボットで怪獣保護条約に入っているダイゴロウを掩護する為に急遽出撃したのだった。

 

ユウヒは右肩からロケットランチャーを発射、左肩から滑空砲を発砲してマザーレギオンを攻撃する。しかしマザーレギオンは干渉波クローに電磁波を纏わせてバリアにすることでその攻撃を防ぐ。だが、その隙にガメラが草体を破壊しにいこうとする。そうはさせずとマザーレギオンはガメラの行く手を遮る。

 

ダイゴロウはというと、火炎を吐いてマザーを攻撃するが、強固なシリコンで構成されたマザーレギオンの装甲を破壊するには火力不足だった。だが、それでマザーレギオンの意識がダイゴロウに向いたその隙にユウヒは背中に装備していたパイルバンカーでマザーレギオンを突くが、マザーレギオンはそれに堪えるどころかパイルバンカーを掴んでへし折りユウヒを投げ捨てた。

 

ユウヒが投げ捨てられてマザーレギオンがダイゴロウを相手にしている隙にガメラは仙台の草体をプラズマ火球で破壊した。しかしその時、マザーレギオンはマイクロ波シェルで攻撃する。ユウヒがそれを身を挺してガメラを守り、爆発を起こして機能停止になった。

 

ダイゴロウは火焔結節を纏った拳でマザーレギオンを殴り続ける。だが、マザーレギオンの硬い装甲を破ることは出来ない。それでも殴り続けるダイゴロウの様子を見たマザーレギオンは、嘲笑するような表情を見せた。

 

「シャアアッ!!」

 

マザーレギオンはダイゴロウを無視してガメラに襲い掛かる。しかしガメラはマザーレギオンの顔面にプラズマ火球を発射する。しかしそれを物ともしないマザーは体内からソルジャーレギオンを生み出してガメラとダイゴロウを襲わせた。ガメラやダイゴロウにとってはそれこそ小さなソルジャーレギオンだったが、何しろ数が多く多数のソルジャーレギオンが2体に取り付いて攻撃を開始した。

 

取り付いたソルジャーレギオンは体を揺らしながら噛みつき攻撃で攻撃してきた。その攻撃の激しさにガメラとダイゴロウは押され始める。その隙をついてマザーレギオンはより草体を育てやすい場所へ行くべく地中へ潜り、姿を消すのだった。何とか2体がソルジャーレギオンの大群を振り払った時にはもうマザーレギオンが仙台を去った後であった。ガメラはレギオンを追うべく上空へ飛び立つ。ダイゴロウもマザーレギオンを追いに傷ついた身体を押しながら南へ向かうのだった。

 

ガメラによって2度の種子発射に失敗したレギオンは、更に電波が過密である東京を目指すことが予測された。日本政府は陸・海・空・特生自衛隊に総攻撃命令を下し、MOGERA・スーパーX2・スーパーXⅢ・ごうてん等の超兵器が一斉投入する事としレギオンの予想進路上に防衛ラインを構築する。

 

マザーが足利市に出現した。自衛隊は空陸からメーサーによる総攻撃をかけるが、予想以上の硬度と物量を誇るレギオンに対し、甲殻にヒビを入れ、発射されるマイクロ波シェルをスーパーX2が反射光線を放ち負傷はさせたものの、レギオンの想定以上の防御力には届かず第一次防衛戦を突破されるなど苦戦を強いられる。

 

そんな時、ガメラとダイゴロウがマザーレギオンの前に立ちふさがる。

 

「グオオオン!」

「オオオオッ!」

 

足利市の廃墟と化した市街地を背景に三体の巨影が対峙する。マザーレギオンの巨体から沸き立つソルジャーレギオンの群れが陽炎のように蠢いていた。

 

「グオオオッ!」

 

ガメラの咆哮が戦端を開く。漆黒の鋼殻が朝日に煌めきながら突進する。背中のプラズマコアが眩しく脈動し、尻尾が蛇のように宙を薙いだ。

 

一方のダイゴロウは右手を前方に翳し、火焔結節を瞬時に展開。拳全体が赤熱し始める。

 

「グァアアア!」

 

大地を蹴り上げて走り出す二つの巨体。マザーレギオンは三本の角からマイクロ波シェルを一斉掃射する。

ピカッ! ズバババ!

光線が家屋を溶かし、コンクリート橋を蒸発させる。だがガメラとダイゴロウは左右に分かれ、それぞれ異なる角度から接近した。

 

「挟み撃ちの構えだ!」

 

司令部でモニタリングする自衛隊幹部が喝采する。しかしマザーレギオンは巨大な胴体を回転させ──

シュインッ!

背中の鎌が高速振動を始め、真空刃が扇状に放たれた。

 

「!」

 

ガメラは即座に高度を上げ、ダイゴロウは膝を折って衝撃波を逃す。だが真空刃が掠めたダイゴロウの尻尾先端が切断された。

 

「ギャウッ!」

 

ダイゴロウが苦悶の声を漏らす。赤い血液が道路に滴り落ちる。

 

司令部に緊急通知が入る。

 

「エックス線カメラでマザーレギオン内部構造を把握! 中央胸部にエッグチャンバーを特定!」

 

オペレーターの声が震える。「腹部より数百個の胚が移動中! あと三分で孵化します!」

 

自衛隊幹部がマイクを握り締めた。

 

「ガメラ! ダイゴロウ! 胸部中央を狙え! 卵を潰すんだ!」

 

「ギャアアッ!」

 

ダイゴロウは痛みに耐えながら火焔結節を最大限に発熱させる。拳の表面温度は一万度を超え、大気中で虹色の光芒を放つ。

 

「!」

 

ガメラが急降下。ヒレを畳み込んで建物を蹴り、マザーレギオンの背面に突撃する。ガシャアン!

重厚な金属音と共に背面装甲が凹む。マザーレギオンは六本の脚で反転しようとするが──

 

「グァア!」

 

ダイゴロウが正面から突っ込む。火焔拳を胸部へ叩きつけた。

ドゴォン!

鈍い衝撃が奔り、マザーレギオンの鎧のような装甲に蜘蛛の巣状の亀裂が走る。

 

「……!」

 

ガメラが天高く舞い上がりプラズマ火球を収束させる。周囲の大気が歪み光輪が形成される。

 

「……!」

 

ダイゴロウは傷ついた尻尾を引きずりながら距離を取る。そして再び火焔結節を構えた。拳だけでなく腕全体が赤熱し始めた。

 

「!!」

 

ガメラの超高空から爆烈プラズマ火球が真下へ放たれる。マザーレギオンの頭部を貫こうとする一撃。だがマイクロ波シェルが交錯し爆発が起こる。

カァン!

 

火球は外れるが爆風がマザーレギオンを一瞬立ち竦ませる。その刹那──

 

「グルァアッ!」

 

ダイゴロウが灼熱の両拳を交差させ疾走する。断裂した尻尾から滴る鮮血が地面に軌跡を描く。

 

「!」

 

火焔結節が極限まで発熱。両拳が接触した瞬間、衝撃波が生じる。

 

「っ!」

 

ガメラも跳躍して衝撃波から逃れる。ダイゴロウの火焔結節が閃光を放ちながら分裂し──

ボゥッ!

双剣のごとく広がった灼熱の刃がマザーレギオンの胸部を斜めに袈裟斬りにする。

 

バキィィン!

 

硬質な装甲板が剥離し、露出したエッグチャンバー内部から孵化寸前の胚が溢れ出す。

 

「!」

 

ダイゴロウが左手を掲げる。火焔結節が炎の弓矢となり──

シュボッ!

超高温の矢がエッグチャンバーの核心へと突き刺さる。

 

「ギャアアアッ!」

 

マザーレギオンの巨躯が痙攣する。胴体内部から赤黒い粘液が滝のように流れ落ちる。

 

「撃て!」

 

司令部の命令で待機していたMOGERAとスーパーXシリーズが総攻撃を開始。

ヴィーン! ブシュウ!

 

メーサー光線がマザーに殺到する。しかし、それでもマザーレギオンは進撃を止めず、外敵を振り切ろうとする。しかし、

 

「ギュ!?」

 

放射熱線がマザーレギオンの頭部に直撃した。ゴジラジュニアもこの危機を感じ取って駆け付けたのだ。怪獣王が援軍に来た今、マザーレギオンにもはや勝ちの目は残って居なかった……。

 

そして3怪獣と自衛隊の総攻撃の前にマザーレギオンは粉々になったのだった。

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

怪獣達は向き合うとお互いを呼び掛け合うような咆哮を上げた後に、朝日が登るとガメラはジェット噴射を行い、飛び去って行く。ダイゴロウとジュニアはそんなガメラを見送ると、近くの海から住処へと帰還していった。

 

その姿を見た自衛隊員は外で活動していた者は次々と怪獣達に対し、敬礼をしていった。スーパーXⅢから作戦の指揮を担当していた黒木からの「作戦終了」の言葉を切っ掛けに、現場の隊員達はお互いの健闘と怪獣達の活躍を讃えた。その後の調査によりガメラが人類に害をなさない友好的な怪獣と認められ、『怪獣保護条約』にガメラが登録されたのだった。

 

レギオンとの対決を終え、月見島に帰還したダイゴロウ。斉藤達ダイゴロウ保護施設の職員は傷だらけで帰って来たダイゴロウを見て涙を流し安堵するとともにガメラと共に戦った彼を称賛した。マザーレギオン達との戦いで結構なダメージを負ったダイゴロウであったが、数々の戦いで成長したこともありその傷は一ヶ月程で程なく治癒したのだった。

 




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