最強吸血鬼でオバロ   作:Revak

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第2話

 

「確かにいるな」

 

 ディとガゼフは村の外に近い家に入り中から外を見ていた。

 外には召喚モンスター、炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)がを召喚しているフードをかぶった集団が居る。

 

(あれはユグドラシルのモンスター? ユグドラシルと関係ない世界ではなかったのか)

 

「あれは……」

「あれだけの魔法詠唱者(マジック・キャスター)を集められるとなるとスレイン法国、うわさに聞く六色聖典のいずれかだろう」

「何故、奴らはこの村に?」

「フランケリヒ殿に心当たりがない、とくれば……狙いは私だろうな」

「……恨まれてるのね」

「まったくだ。まさかスレイン法国にすら狙われているとは」

 

 そうガゼフは肩を落とした。

 そして、真っすぐな目でディを見た。

 

「フランケリヒ殿。良ければ雇われないか? 報酬は望む額だそう」

 

 その問いかけにディははい喜んでー! と飛びつきたくなるのを我慢した。

 この地の通貨を持っていない以上金銭の会得は急務だがガゼフ、王国側に着くのは問題がある。

 この世界の情勢をまるで理解していない現状でどっかの国に所属するのは非常にまずいのである。

 

「それは断る。国のゴタゴタに関わる気はないからね」

「だとしたら……王国の法で従ってもらうといったら?」

「面白いことを言うね、人間」

 

 ディは少し気合を入れてガゼフを睨んだ。

 レベル百の中でもレイドボスに君臨する者の眼圧にガゼフは恐怖を感じざるおえない。

 そして人間という言い方にガゼフは悟った。これほどの美貌と強さを持つものが人間であるはずがなかったのだ。

 

「……やめておこう。スレイン法国よりも恐ろしい者を敵にしそうだ」

「懸命だね……その判断に銘じて一ついいのを上げよう」

 

 ディはアイテムボックスから木彫りの人形を取り出した。

 

「お守り代わりに持って行くといい」

「……あなたからの品だ。ありがたく持って行くとしよう」

 

 そしてガゼフはディの手を両手で持った。

 

「そしてどうか頼む。村人たちを守ってくれ。ぶしつけなことだとはわかっているが、なにとぞ──」

 

 ガゼフは頭を下げようとしたがディが手で止めた。

 

「……そこまで言うなら村人は守ってあげるよ」

「……ならば後顧の憂いなし! 私は前だけを見て進ませてもらおう!」

 

 そうしてガゼフは陽光聖典との戦いに挑んだ。

 

 

 

 

 

 

「何者だ、お前は」

 

 陽光聖典と王国戦士団の戦いは陽光聖典の勝利で終わった。

 だがガゼフが地に付しかけた時。ディが渡した木彫りの力で位置を交換。ガゼフたちは倉庫に転移した。

 代わりにディが陽光聖典の前に出現した。

 

 陽光聖典の隊長ニグンは突如現れた美女を前に警戒を強めた。

 これほどの容姿の女が王国に居るとは聞いていない。黄金に匹敵か上回る美貌を持つ女だ。話題になって当然のはず。

 だというのに話題になってないという事は遠くから来たという事だ。そして単体で来てるという事は最低でも戦闘力を持っているはず。

 警戒して損はない。

 

「初めまして、スレイン法国の人間。私はディ・フランケリヒ。君たちを殺す者だ」

「……我々を殺すとは大きく出たものだな、女。どうやって殺すというのだ?」

「こうやって」

 

 ディは両手を突き出した。

 何を、とニグンは思ったがもう遅い。ディは両手から血をものすごい勢いで射出した。

 血のレーザーとなって陽光聖典を襲う。

 陽光聖典の隊員たちは遠距離攻撃に対する守りを得る魔法を唱えていたが無意味。すぐに破られた。

 神祖としての特殊技術(スキル)の一つである。

 

 瞬きする間もなく半数が死んだ。

 

「ば、馬鹿な……」

 

 ニグンはこの現実を直視したくなかった。ありえないのだ。精鋭部隊である陽光聖典がたった一人の女で半壊させられたなど。

 無論それはディが手加減した結果であった。

 

「さぁ。どうする?」

 

 煽るようにディは言った。

 殲滅するのは容易だ。だがディは陽光聖典がカルネ村の人たちに与えた恐怖をわずかでも与えたくてわざと人を残したのだ。

 

「さ、最高位天使を召喚する!」

 

 それは悲鳴のような叫びだった。

 

(最高位天使? その程度勝てるから、わざと召喚させるか)

 

 ディはそう判断し相手の動きを止めなかった。

 ニグンは懐から魔封じの水晶という輝きに応じて魔法を込められるアイテムを取り出した。

 ユグドラシルの魔法は第一位階魔法から第十位階魔法、そして超位魔法がある。

 ニグンが出したのは第十位階魔法までなら込められるアイテムだ。

 

「威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)!」

 

 召喚されたのは翼の集合体にも見える天使だ。

 だがちゃんと手はあり錫杖をもっている。

 

「たかが主天使程度か」

 

 そうふっと笑った。

 

「<善なる極撃>(ホーリー・スマイト)を放て!」

 

 ニグンの命令に従い威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)が魔法を発動する。

 初回限定の次に使う魔法の威力を増加する特殊技術(スキル)を込めての魔法だ。

 

 ディの体に向かって光の柱が落ちた。

 ディの体は光に焼かれるも──即座に再生し何ともなくなる。

 光がおさまった後。そこにいたのは無傷のディだ。

 

「ありえええん! 魔神すら屠った一撃だぞ! なんで、何故! 耐えられる?!」

「私が魔神より上の存在だからだよ──<血液武術・血の閃>(ブラッドアーツ・ライン)」

 

 ディは右手から血の閃を出し威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を両断した。

 

「さぁ、死のうか」

 

 そうしてディは陽光聖典を皆殺しにした。

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