最強吸血鬼でオバロ 作:Revak
漆黒の県都ディ、ンフィーレア一行はトブの大森林に踏み入った。
目的は薬草の採取。どういう訳か自宅栽培よりも自然の物を採取した方が効能が大きいためこういった採取はたびたびおこなわれる。
森の中で以降は薬草を採取する。ディは薬草に関して知識なんてものはないので
森の賢王の縄張りなのもあってかモンスターが出現することもなく、安全に薬草採取が出来た。
そしてとくに問題なく一行はエ・ランテルに帰還した。
「あれ……? 鍵が開いてる。おばあちゃんが先に帰ってきたのかな」
夜。一行は積み荷をバレアレ薬品店に運ぶためにバレアレ薬品店に来ていた。
中に一行が入ると奥から女が出てきた。
「おかえり~ずっと待ってたんだよ」
女はにっこりとほほ笑んだ。
一般的に見て美しいと言える容姿の女だ。金髪のボブカットに赤い瞳の女である。奇妙なビキニアーマーを着用している。ローブをかぶることでそれは隠されているが。
「あ、あの。どなたなんでしょうか?」
「え、お知り合いじゃないんですか?」
「私はね、君をさらいに来たんだ」
女──クレマンティーヌがそう言う事で漆黒の剣は武器を抜いて構えた。
「ンフィーレアさん下がって!」
「君のタレントを使ってアンデッドの軍勢を
クレマンティーヌはニタニタと笑いながら言う。その表情には余裕があった。
「遊んでいる暇はないぞ、クレマンティーヌ」
そうぬるりと男が出てきた。
ローブをかぶった頭髪を剃っている男だ。アンデッドのように生気がない。
ねじ曲がった杖を持っているさまはまさに邪悪な魔術師といった風貌だ。
名をカジット・ディル・バタンデール。
「はいはーい。けど少しぐらい遊ぶ時間はあるよね?」
「うん。そんなことは出来ないよ──ここで死ぬからね」
ディが一歩前に出た。
ディの姿を見てクレマンティーヌは舌打ちをした。
こういった何の苦労もしてなさそうな美人を見るとクレマンティーヌは無性にイラつくのである。
「は、女が。くたばっちまいな」
クレマンティーヌスティレットで刺突を繰り出した。
レベル三十。英雄級の者の刺突である。まず防ぐことが出来ない。
だがディはレイドボスのステータスを持つ。容易く親指と人差し指でつまんだ。
「は?」
クレマンティーヌが間抜けな声を漏らした。
「じゃあ、死のうか」
ディは力でスティレットを弾いた。
それと同時に血の刃を形成。クレマンティーヌの胸を貫いた。
「クレマンティーヌ!」
同業者がやられたことにカジットが声を上げた。
ディは左手を銃の形にし指先を向けた。
「バン」
そう呟くと指先から血の弾丸を射出。カジットの頭部を貫き殺した。
「危なかったね」
「は、はい……ありがとうございます」
まだ状況がよくわかっていないンフィーレアは取りあえず礼を言った。
■
翌日になって。ディは冒険者組合の組合長に呼ばれていた。
冒険者組合の一室で待つことしばし。組合長のプルトン・アインザックが入ってくる。
白髪を持つ男だが、服の上からでも鍛えているとわかる筋肉を持つ。元冒険者の男だ。
プルトンはディと向かい合って座ると頭を下げた。
「まずは礼を言わせてくれ。君が先日殺した男女は装備品からズーラーノーンの幹部だと判明した。奴らを生かしていたらこの都市にどれだけの被害が出たかわからない。本当にありがとう……!」
「……お気になさらず。振りかかった火の粉を払っただけですから」
「そう言ってもらえるとありがたい。ズーラーノーンの幹部を倒した君はミスリル、いやオリハルコンにも迫る実力を持っているだろう。だがすぐにそのランクにすることは出来ない。明確な被害が出てない今急なランクの上昇は他の冒険者の反感を抱くからね。だから今のところはプラチナ級で我慢してほしい」
そうは言うがプラチナも結構高めの地位である。
「それだけでも充分ですよ」
ディはそう微笑んだ。
そのほほえみプルトンはくらっと来る。圧倒的美女の微笑みは魅了の力を持つ。
「それと、君に向けた依頼が幾つかある。いくつか受けてはくれないかな?」
「いいよ。受けてあげる」