最強吸血鬼でオバロ   作:Revak

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第7話

 

 一か月が経った。その間ディは幾つか依頼を受けた。

 北上してきたゴブリン部族連合の殲滅。ギガント・バジリスクの討伐。カッツェ平野から流れてきたアンデッド師団の殲滅などだ。

 それらの依頼の達成でディはオリハルコンにまで上り詰めていた。

 

 そして今、ディはアダマンタイトへの昇格試験兼依頼の達成のためトブの大森林に来ていた。

 

 聞いた話では二十年前に採取されたどんな病も治すという薬草を採取してきてほしいというもの。

 わかるのはトブの大森林のどこかというだけで具体的にどこにあるかもわかっていない。

 

 森の中をディは歩く。昼間だが木々の影によって光はあまり入らない。

 適当に森の賢王の縄張りの奥の方を歩いて行く。そこに何かないかなと期待を込めて。

 探し始めてもう一日になる。流石にここまで何もないとくるものがある。

 

 さてどうしようかと北東の方へ歩いていると声をかけられた。

 

「そっちは危ないよ」

 

 その声にディは警戒しながら振り向いた。

 

(私が探知できなかった?)

 

 ディは生命力ある者の探知能力を持つ。アンデッドやゴーレムなどの非生命体は探知できないが動植物は探知できるのだ。

 それで探知できなかったというはそのままアンデッドなどの類か今声をかけるまで居なかったかのどちらかになる。

 

「……君は?」

 

 振り向いた先に居たのは木がそのまま人型になったような少女だった。髪は葉っぱで出来ている。

 

「私はピニスン・ポール・ペルリア。ドライアードだよ」

「……ドライアードか。それで、危険とは?」

「そっちには強い魔樹が居るんだ。そいつは世界を滅ぼせる存在だから、むやみに近寄らない方がいいよ」

「世界を滅ぼせるとは……大きく出たね」

 

 ディはクスリと笑った。

 これまでこの世界で活動してきてレベルの低いモンスターしか相手にしていない。これまで戦った中で最もレベルが高いのがニグンが召喚した威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)だ。二番目がギガント・バジリスクである。

 更にそれらでも街一つ滅ぼす程度とディの警戒に値しないモンスターだ。

 

「私だってその気になれば世界を滅ぼせる。気にする必要はないね」

 

 ディが持つ特殊技術(スキル)に眷属招来がある。これはレベル七十代のモンスターを三十体ほど召喚できる特殊技術(スキル)だ。

 これを使って王国に一体けしかけるだけで一時間もすれば王国は滅びるだろう。

 

「えぇ……大言壮語にもほどがあるんじゃない?」

「それはお互い様だろう。実害もないのに世界を滅ぼせるなんて、到底信じられないね」

「ならついてきてよ。証拠見せたげるから」

 

 こっち、とピニスンが案内する。ディはそれに着いて行く。

 

 暫く歩くと枯れ木の森に突入した。

 

「これは……」

 

 そこは死んだ土地だ。

 大地は枯れ、木々も枯れている。森の生命力がまるで感じられない場所だった。

 

「わかった? これが魔樹ザイトルクワエの力の一旦。存在するだけで害となるんだよ」

「なるほどね……」

 

(レイドボスのようなものかな? 単独だと少しきついか……?)

 

 などと考えていると揺れが起こった。

 

 揺れはどんどん大きくなる。常人ならば立ってられないほどに。

 そして枯れ木の森の奥から巨大な怪物が姿を現した。

 

 巨木の部分だけでも百メートル。木の根の触手は三百メートルという圧倒的巨体。

 腹部には木の枝の口がついている。巨大な動く枯れ木の怪物。破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)と呼ばれた怪物がついに目覚めた。

 

「世界の終わりだー!」

 

 ピニスンがそう叫んだ。

 

「仕方ない、倒すか」

 

 ディはそういうと突撃した。

 特殊技術(スキル)を込めた突撃であり本気を出すためにアイテムボックスから愛用のワールドアイテムを取り出した。

 

 ワールドアイテム紅椿。それは刀だ。

 刀身九十センチと刀にしては長め。鍔は蝙蝠の形をしている。刀身は血のように赤い。

 

 持つ効果は相手のHP、MP、スタミナの最大値事の吸収だ。

 最大値を削ることが出来る数少ない武器の一つである。この吸収は時間経過か超位魔法でしかいやせない。

 

 ディは剣士としてのクラスも持っている。というか基本クラスはそれだ。

 幾つかの特殊技術(スキル)を載せて課金でエフェクトを変えた飛ぶ斬撃を放つ。

 血のように赤い斬撃が空を走った。

 

 巨大な──ザイトルクワエにも匹敵する斬撃がザイトルクワエの巨体を斜めに斬った。

 

 続いて接近したディに向かってザイトルクワエが触手の一本を振り落とす。

 ディはそれを刀で斬り飛ばした。

 

 更にジャンプし背中から血の翼を生やし滞空。居合の構えをとる。

 抜刀。またも飛ぶ斬撃が放たれザイトルクワエを今度は横に切り裂いた。

 

 怒り狂ったザイトルクワエが種を口から射出する。一発や二発ではない。何十、何百という単位の射出だ。

 だが無意味だ。魔法的効果を持たない遠距離攻撃はディの装備品で無効化される。全て弾かれた。

 

「すぅ────」

 

 ディは気合を入れた。

 そして接近──抜刀。綺麗に横にザイトルクワエを斬り、巨体が倒れ伏した。

 

「えぇ……」

 

 一連を見ていたピニスンは開けた口がふさがらなかった。

 空を飛んでディはピニスンのもとに戻った。

 

「倒したぞ」

「……もしかして君って世界を百回ぐらい滅ぼせるぐらい強い? 新種のドラゴンロードだったりしない」

「単なる吸血鬼の神祖だよ。それで、だ。世界を滅ぼせる奴を倒したんだ。少しは私も報酬が欲しくてね」

「なんだい?」

「この森にどんな病も治すという薬草があるらしい。それを知らないか?」

「……だったら、それザイトルクワエの頭に生えてるやつじゃないかな? 昔の七人組ザイトルクワエの分隊からそれ採取してたし」

「なるほど。じゃあそれを採取するわ」

 

 こうしてディはどんな病も治す薬草を手に入れた。てってれー

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