「はぁ……はぁ……あー、疲れた」
汗をタオルで拭きながら、そう呟く。筋トレでここまでなるか?って俺も思うが、どうやら俺の想像以上に俺は体力がないらしい。いやほんと実感したよ……さて、こっからがメインだ、いや成功するかどうか分からないし、そもそも筋トレがメインだが、まあいい。俺はそいつの名前を言う
「こい、ねこまどう!!」
そう言うと、俺の目の前に黄色い衣を着た、小柄の人型のモンスターが出る。だがその顔は猫の顔である。手には杖を持っており、名前の通り猫の魔導士、と言うところだ。
(この前のズッキーニャみたいに手振り身振りで魔法とか教えてもらおう)
このねこまどうしは、ドラクエ7の序盤の二つ目のダンジョンで出現するモンスターだ。そのため、コスト的なものが重く、今の俺ではこいつ一体呼ぶので精一杯でこれ以上追加で召喚はできない。
「さてと……じゃあねこまどう、早速で悪いけど、魔法を教えてくれる?」
「ん?構わないにゃ」
……………ん?
「……えっと?」
「どうしたにゃ?何かあったのかにゃ?」
あれ、あれあれ?この声気のせいか、ねこまどうが喋ってる気がする。こいつの口の動きに合わせて聞こえる気がする………もしかして、目の前のねこまどうって
「……喋れる、の?」
「わたしは考えるネコにゃ。呪文も使えるし、人の言葉も使えるにゃ」
「………そーなの!?!?」
え?!?ま、まじ!?!?いや魔法使えるからかしこさのステータス高いのかなあ?って思ってたが、え!?
「ひょっとして……知らずに召喚したにゃ?」
「えっと、まぁ……はい、お恥ずかしながら……」
そう俺が言うと、はぁ、とため息を吐いた。
「まぁ仕方がないにゃ……じゃ、最初言った通りに魔法の勉強をするにゃ」
「あ、はい……あ!でもまどうし師匠!」
「ねこまどうしでいいにゃ、なんかあったにゃ?」
「……俺、魔法使えるの?」
「…………その段階からにゃ?」
ごめん、ぶっちゃけ何も分からないんだ、無知なんだ、俺。これがメインになるか分からない理由、だって俺魔法使えるか知らないし。
「……ここまで何も知らないとは、わかったにゃ。色々教えるにゃ、何せ考えるネコ、教えてあげるにゃ。まず前提として、リュカ様は魔法を使えるにゃ」
「マジ!?」
……リュカ様呼びも気になるが、ひとまずは魔法のことについてきくとしよう
「とはいえリュカ様の本職は魔物使い、戦士よりも力で劣り、レンジャーよりも妨害に劣り、魔法使いよりも魔力に劣るにゃ」
「すっごいディスるじゃん。何も言い返せねえけど」
「それはあくまで魔物使いだからにゃ、魔物使いの本質は魔物と心を繋いで協力する職業……というわけにゃ」
「……俺魔物使いなんだ……なんとなくそんな気はしてたけど」
魔物使い、とは。呼んで字の如く魔物を扱う職業だ……有名所で言えば、俺と同名、と言うか俺が名前パクった疑惑のある伝説の魔物使いの5の主人公や幼少期のテリーとかが有名どころだ……だがその割にはかなり逸脱してるような?モンスター召喚能力とかあったか?……まぁそこは本題じゃない。
「魔物使いは分かったとして、魔法って使えるもんなのか?」
「使えるにゃ、魔法使いのような本職には劣るけど、魔の力は使えるにゃ」
「なるほどな……」
魔法について教わる前に、俺の力について知ってるか聞いてみよう。
「俺の力、魔物使いってのは分かったが……質問したいことがある、いいか?」
「にゃ?……まぁ己の力を知るのは大切なことにゃ、どんどん質問してくれにゃ」
「まず、モンスターを出す条件……強いモンスターとかを出すにはどうすればいい?」
「それは簡単にゃ、リュカ様の成長……強くなるしかないにゃ」
この強くなるってのは、ドラクエでいうところのレベルアップって意味だな。敵を倒すとかすればいいって感じだな?
「じゃあ次、モンスターがやられたらどうなる?」
「それはリュカ様の元に送られるにゃ……つまりやられても本当の意味では死なないにゃ」
「俺の元?……どういうことだ?」
「リュカ様の中、のようなところには、モンスター牧場のようなものがあるにゃ。だから戦闘で傷ついたり消耗したらこの中に戻ることで傷が癒えるのにゃ」
ほうほう、つまり俺のエネルギー的なものを消費すれば、アイテム使わずともモンスターたちは回復可能、と……これ結構重要なことじゃね?……っぶね、ここで知れてよかった、こんな重要なことを……そして俺の中にモンスター牧場あるんだ、正確には違うみたいだけど初耳だ………他に聞きたいことも、あ、あったあった。
「ねこまどうし以外に喋れるモンスターっているの?」
「わたしのように知恵を持つモンスターなら大体は……あ、でもリュカ様が言葉で他の魔物とコミュニケーションを取る方法ならあるにゃ」
「他のって、スライム達みたいな?」
「そうにゃ」
「どうやって?」
「魔物使いは魔物と心を合わせる……まぁ、リュカ様が魔物使いの素質を高めることが大切にゃ」
「素質?強くなるとは別って感じか?」
「魔物使いは魔物と心を合わせる職業、リュカ様が魔物達とコミュニーケーションを取れば自ずと会話ができるにゃ」
つまり、今みたいな感じでたくさん話しまくりゃあいい!って話か?……まぁこれに関しては特に素質高めること考えずにいつも通り過ごせばいいかな?
「ありがとう……じゃ。早速魔法の使い方について教えてくれ」
「わかったにゃ、とはいえ魔法を使うにはイメージあるのみにゃ」
「イメージ……メラを唱えるのに火の玉をイメージするみたいな?」
「そういう感じにゃ……一回本物の魔法を見るといいかもにゃ……どっかで撃っていい場所はあるかにゃ?」
あー確かに、ゲームのイメージ映像だけじゃイメージにも限界はあるしなあ、実物見た方が効果あるか
「OK……じゃあ引火しねえように外でやるか」
ということで外に出た。念のため水バケツ持ってくるかな。
「じゃあ、頼んます!」
念の為に色々準備したのちに、ねこまどうに頼んだ。無言で頷くと、杖を前に掲げて、高々に叫んだ。
「メラ!!」
ねこまどうの持つ、おそらくかしの杖から拳サイズの火球が現れて、地面に着弾した。軽く地面が焼ける程度であったが……これが本物の、魔法ってやつか。ドラクエシリーズの魔法使いキャラが最初に習得して、最弱魔法ではあるが、確かに目の前で起こったのは、超常の力である、火球を生み出すメラだ。
「……すっげぇ……!!」
ただ感動した。本物の魔法を見たからだ……ねこまどうの話的に、俺にもメラが使えるらしいのだが、出来るのだろうか?……いや、出来るって考えないとできないのが魔法か
「とまぁ、こんな感じにゃ。あとは練習あるのみにゃ!」
「はいっ!」
数時間ほど経ち、最終下校時間にまでなった……で、結局俺は魔法を使えたのかというと
「……メラ!メラ!……うん!!」
手のひらを前に出して、メラを叫ぶが……火球どころか、火の気配も全くない。使えませんでした
「ムムム……困ったにゃ……」
後ろでそれを見ているねこまどうも手を組みながら唸り声を出している。申し訳ない。本当に
「……一応確認だけど、本当に魔法の才能って俺、あるの?」
「あるにゃ!あるにゃ!……魔力自体はちゃんとあるにゃ!」
魔力、つまりMPみたいなものは俺にはちゃんとあると……でも肝心の魔法は使えないってことかぁ?……メラとかの炎系魔法に対して才能がない……ってのは考えられないな、魔法使う系のキャラは大体最初にこれを覚えるからな……うーん
「とはいえ、今日はもう遅いし魔法に関しては明日でいいか?」
あとは並行して体のトレーニングやんねぇとなぁ
「確かにもうそろそろ暗くなる時間にゃ……念の為リュカ様の身を守るために私を一旦戻して他のモンスターを召喚した方がいいにゃ」
なるほど、確かにねこまどうは強力だが一体だけだし、あと魔力的にあと一発メラ撃つので限界だから本人の言う通りだな。
「おう、分かった。今日はありがとうな」
「どういたしましてにゃ!」
そういい、ねこまどうを戻して、俺は他のモンスター……この前と同じ編成で行こう。スライム、ドラキー、いっかくうさぎ、ズッキーニャのメンバーで行こう。
(……コイツらといつか話せる日が来るのか、なんか楽しみだなぁ)
そう思いながら、俺たちは家に帰った。今日も特にヘルメット団に襲われずに済んだ。
そして、夕食も食ったあと
「……喉痛え」
喉をさすりながら俺はそう呟いた。よく考えなくても数時間メラって叫んでいたからな……
「喉ぐすりやのど飴は……ない!」
部屋の中を探すが、そんな都合のいいものは無かった。うん、まぁあったほうが怖いけど、なら仕方がない。買いに行くか、痛すぎて寝れねえし。これ
日も暮れてるからあの蛮族ヘルメット団達に襲われないように帰りと同じメンバーで行こう。キヴォトス初の夜中の外出だ。
「……近くのドラッグストアは……あ、めっちゃ遠い……どうするか、スーパーなら……まぁ、遠いがこっちならのど飴売ってそうだし、こっちにするか」
スマホを覗きながらそう呟く。そして家を出ると
「……へぇ、コイツはマジで驚いたなぁ」
空を見上げる。スライム達も上を見上げて、驚いたように目を見開いてた。そこには、いつもの多数に重なった光輪とその合間を縫うようにたくさんの星が見えた。昼間とはまた違う、キヴォトスの空の光景が、そこには広がっていた。
っと、見惚れてる場合じゃあねえな、スーパーに行かねえと
「しっかし、かなりアビドス自治区ってでかいよなぁ」
その上、施設が全く密集してねえ。人いないから仕方ないが
「自転車でも金稼いで買うか?…いや砂多すぎて俺の技術じゃ無理か」
そう言うと、いっかくうさぎが、自分の体をアピールする。自分の体に乗ってくれ?ってことか?
「お前らの体に乗ってっていうのも、アリだな。楽しそう!」
でもいっかくうさぎと俺の体格的に考えると潰れそうだな、ここに関しては要検証!ってことで
「ピキー!」
歩幅が小さくてズッキーニャの頭の上に乗せてもらっていたスライムが俺の服を口で引っ張る。何か伝えたいようだ。スライムの向いてる方向を見ると
そこにはホシノが1人で歩いてた。なんか買い物に来てたのかな?
ドラクエ大百科
ねこまどう
序盤でメラを使い、魔法の強さとそれを使う敵の強さを教えるモンスターの一体を務める。最初のエリアの最終ダンジョンに出現するモンスターなので、ステータス自体も高水準、更にMPが低いとはいえ2発もメラを撃つため、厄介。ドロップアイテムはひのきのぼうやかしの杖、初登場はドラクエ7
かしの杖
樫の古木を削って作られるごく一般的な杖。シリーズ初の特殊効果のない打撃専用の杖である。ドラクエ5の主人公がイメージ画で持ってる杖もおそらくはこれ、杖の中で最弱なので、あまり日の目を浴びることはない。初登場はドラクエ5
メラ
指先に灯した小さな火の玉を敵1体にぶつける、炎系の基本呪文で大体の魔法使えるキャラクターが最初に覚える魔法、最弱魔法ではあるが、戦士や勇者が武器を振るうよりも火力が出て、リソースを消費して高火力を出す。と言うのを端的に説明する役割がある。だが武器や魔法が揃っていくと、自然とお役御免となる。前述の通り、敵の魔法が厄介。と言うのも教えてくれる役割を持つ。初登場はドラクエ3。