平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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破壊者√if番外
夏休み以降九巻以前
原作準拠時空に破壊者と白音が行ったら


破壊者兄妹、平行世界に行く。

 

「白音、落ち着け、落ち着いて冷静になってくれ」

「私は落ち着いているし冷静よ、一兄様。兄様こそ、現実逃避はやめたらどうかしら」

そうして白音の唇が一誠の唇に触れようとした丁度その時、床がなくなった。

「!」

「白音!」

 

「ってて…怪我はないか?白音」

「…はい、兄様」

「なら良かった」

そう言って目を細めた後、彼は周囲を見回してきょとんとする。

「…オカ研の部室?」

「何の音だ?」

「侵入者?」

現れた面々を見て彼は納得したような顔をする。

「平行世界ってやつか。参ったな、こりゃあ」

「え、俺、と………小猫ちゃん?」

「小猫?私は兵藤白音。一兄様の妹です」

「「「ええええええ?!」」」

 

「…手鞠とアユム先輩と嬬蕗先輩はいないんですね」

まあ別に会いたいと思ってないんでいいですけど、と白音は付け加えた。ちなみに当然のように彼の膝の上に座っている。

「…そちらの、白音、ちゃんは、部長の眷属じゃないんだね」

「はい、私と兄様はオカ研に出入りはしてますけど、リアス先輩の眷属ではないし、そもそも転生悪魔じゃありません。兄様は人間です」

「まあ、悪魔になる必要性も意味もなかったからね。僕の方はそもそもリアス先輩の力量じゃ転生させられないし」

「何でだ?」

彼は無言で空中に指で文字を描いた。するとそこに魔力塊が生み出され、ドラゴンの形になる。小さなドラゴンは宙を泳ぎまわり、火を吹く真似をした。

「先輩もまだ未熟だからな。流石に龍と魔法使いが重なると今ある駒じゃ全然価値が足りないそうだ」

「そもそも私は兄様を悪魔に渡す気はないです。…堕天使とか教会にもそうですけど」

白音の瞳が僅かに剣呑な色を帯びる。彼は苦笑して白音の頭を撫でる。

「まあ、現在聖書勢力も他神話体系も深刻な対立関係ではないから勧誘も軽いけどね」

「ってことは、そっちもこっちとそう状況は変わらないのか?」

世情説明。

「うーん…こっちはどっちかというと、実質僕とアポロが聖書勢力についてると見做されてるし、オーフィスが狭間に引っ込んだことで禍の団(カオス・ブリゲード)は弱体化してるらしいからなあ。正直、禍の団は面倒な相手ではあるけど、要注意とまでは思われてないかな。僕の印象だと」

「アポロ?」

『…グレートレッドだ』

「は?何でグレートレッドが出てくるんだよ」

『…およそ、12年ほど前から相棒はグレートレッドと契約を結んでいる。まあ、簡単に言うとアレは相棒を溺愛していて、何かあるとすぐ全部滅ぼして解決しようとするから迂闊に手が出せん。正直、アレがグレートレッドだと思うと頭痛がしてくる…』

「クロ兄には厄介なセコム扱いされてるよねー」

あはは、と彼は笑った。白音は口を尖らせる。

「あんな契約、破棄しちゃえばいいのに」

「んー、アポロ曰く、契約を破棄したくば殺せ、だからね。まあ、無理かな」

「…そんな変な契約なのか?」

「いや?ただ、僕とアポロが契約の続く限り互いの見方だってだけの契約だよ。終身契約だってのとお互いの力が契約を介してフィードバックしてるだけで」

そしてそもそもアポロは彼以外に全く興味がないので大体彼の希望に従ってくれる。

「だって、アイツ、我の我の、って煩いんだもん。…私の兄様なのに」

「まあ指輪も受け取っちゃったしねぇ」

「指輪って…」

契約の指輪(エンゲージメントリング)

「えっ、なにそれ、そっちの俺はグレートレッドと結婚してるようなものってこと?美女?」

『おいやめろ』

「どっちかっていうと僕の印象的には残念なイケメンかな…偶に人化することもあるけど、男だったり女だったり一定しないし。でも契約は契約であって結婚じゃないから。そういえば契約の言葉が病める時も健やかなる時も、とかなんとか言ってたけど結婚じゃないから」

「完全に結婚式の誓いの言葉じゃん」

「僕は、アイツと盟友関係になるつもりで契約を結んだの!」

「お、おう…」

アザゼルが何とも言えない顔をして言う。

「しかしグレートレッドと契約した赤龍帝か…正直洒落にならねーな…」

「流石に僕も戦いでアポロに譲渡したことはないよ?」

「あったらヤベェだろ」

 

"一誠"同士の模擬試合を行うことになった。

どちらが格上とも言いづらいが、かといって同格という感じもしない。

フィールドの真ん中で二人は禁手をまとって向かい合う。

「悪いけど、速攻で行かせてもらうぜ、ドラゴンショット!」

「その程度は速攻とは言わない。…"斉射"」

一誠の放った一発の魔力砲に対して、彼は八つの魔力砲台のビームで反撃する。

「うぇっ」

「これぐらいで怯むのか?修行が足りないな」

「んなことねぇっての!」

一誠はすぐ思考を接近戦に切り替える。距離を詰め、まずはストレート。攻撃はことごとく受け流される。反撃は砲台からのビーム。

「お前、接近戦苦手だろ?」

「そもそも魔術師が肉弾戦が得意だと考える方がおかしいだろう」

人間と悪魔は、根本的にスペックの違いが存在している。実のところ、こうして反応出来ていること自体、人間としては超優秀と言えるレベルである。彼が赤龍帝であることに加えて、バフ系魔術で能力や反応速度の底上げを行っているからこそ実現できていることだ。

 

 

 

 

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