「イッセーきゅーん、あっそびましょー」
「今忙しいからまた今度」
「いけずー」
一誠は机に向かって何やらタワー型PCのマルチディスプレイに様々なデータを流しながら紙に文章や図形を書いている。忙しそうに手を動かしているし視線も向けないが、フリードを追い払おうという様子はない。別に機密などではないのか、理解できないだろうと思っているのか。
「そういえば、レイナーレちゃんから何か頼まれごとしてるんだって?」
「ああ。それはもうちょっとで目処が付くな」
「何か弱みでも握られてるわけ?」
「いや?彼女、わかりやすくて嫌いじゃないし、今回はちゃんと対価もらってやってることだし、別に僕に損はないしで、突っぱねる必要なかっただけだよ」
「ふーん?」
フリードは横からディスプレイを覗き込む。各ディスプレイに一体ずつの
「見てても面白くないと思うよ?PCとタメ口きけるレベルじゃないと何言ってるか理解できないだろうし、そもそもさしてエンタメ性ないし」
「PCとタメ口ってどんな言語なわけ?フリード君気になるんだけど」
「メインモニタで使ってるのは機械語、残りはCOBOLの独自拡張版。まあ、完成したら魔術的にコンバートしなきゃいけないし、アウトプットのための容器がまだ作ってないからアレなんだけど」
「機械語?」
「例えるなら、んー…計算するのに指折って数えてるレベルの言語かな。プログラミング言語を作るためのプログラミング言語」
「不便なものをわざわざ使ってるとかマゾなんです?」
「後でコンバートすること考えると、メインはこれが一番なんだよねー」
その時、勢いよく部屋に駆け込んできた者がいた。
「兵藤ちょっと聞いてくれ!!」
「何、士方。焦りすぎじゃない?」
「俺もドラゴン系だった!…って」
士方はフリードに気付いて固まる。
「イッセーの友達?」
「士方歩武。小学校からの付き合いだし幼馴染でもいいかな、って気はしてる。士方、彼はフリード=セルゼン。教会のエクソシストで
「えっ」
「まあ、そういうわけで、よろしくぅー?アクマ君」
「えっ、エクソシストにしては邪悪な気がするんだけど」
「んー…まあ、否定しきれないかもね。でも一応教会から破門されたりしてないし、線引きはちゃんとしてるから」
「まあ、俺っちも、マイエンジェルイッセーきゅんに会ってなかったら道を踏み外していたであろうことは否定できませんなあ」
「…いや、絶対別の意味で道踏み外してるだろお前」
士方がジト目になる。向けられる不審の目にフリードは小さく溜息をついて肩をすくめた。
「僕ちん真面目で敬虔な神父っスよ、そんな滅相もない」
「血を見てヒャッハーする癖がなければねー」
「お前の近くって危険人物しかいないわけ?」
「失敬な。白音と黒姉は危険人物じゃないぞ」
他はまあ、お察しである。
「お前それ現在の白音ちゃんの戦闘力わかってての言葉か。あの子普通にナンパとか瞬殺するぞ」
「うちの可愛い
「シスコンめ…」
「家族が好きで何が悪い」
「いや、別に悪かないけど…」
士方は溜息をつく。フリードがからからと笑う。
「イッセーの身内びいきは今に始まったことじゃございやせんよ」
「それはまあ…っていうか、お前ら何時知り合ったわけ?」
「え?んー…確か、四年ぐらい前だっけ?」
「まあ、だいたいそれぐらい?それからすぐ上を脅…じゃない、駒王町への出向になって隣人になって、それからまあ色々とコンスタントなお付き合いをネ」
「出向の割に教会住みじゃないのが謎ではあるけどね」
「そのへんはホラ、僕ちん神父っていうよりエクソシストとして此処にいるわけだし?神父としての表の業務は苦手なのでございますよ」
「うんまあ、そんな気はしてた」
「そういうのは本職に任せる感じってことで☆」
「何でフリードが破門されてないのか理解できない」
士方がぼやくとフリードは不満そうな顔をした。
「ギリギリ踏み止まってる感じなんじゃない?多分」
「イッセーには嫌われたくないしねー」
「…十字教って同性愛アウトじゃなかったか?」
「手ぇ出してないからセーフ」
「何の話?」
相変わらず自分の作業を続けながら一誠は首を傾げた。
「そもそも、エンジェルに性的に手を出すとか…悪魔君ムッツリ系なんです?」
「別にムッツリじゃないし」
「でもオープンではないよね」
「うるせえ。俺だって、女の子とイチャラブしてぇよ!!」
「士方ならその気になれば幾らでも作れるような気がするけどな、彼女。顔悪くないし誠実だしスポーツ万能だし」
「お前それ彼女いない歴=年齢な俺に喧嘩売ってるのか」