「レイナーレ、約束のスペシャルなやつ持ってきたよー…って、これどういう状況?」
「やったー、イッセー君、愛してる!!」
「兵藤、お前…堕天使側だったのか?」
「まさか。僕は武装中立だよ。彼女ともまあ、個人的な取引だし」
はい、とバングルをレイナーレに渡し、一誠は改めてその場を見回す。そして逆十字に磔にされてグロッキーになっている嬬蕗に微妙な顔をした。
「一応嬬蕗はグレモリー眷属じゃなかった?」
「えー、だってー、ナンパしてきたのは彼の方からだしー、ちょっと誘ったらホイホイついてきてくれたんだもーん」
周囲に描かれた魔法陣の術式を読み取り、一誠は溜息をついた。
「リアスは自分の眷属を大切にしてるから、そいつに危害を加えられれば黙ってないだろう。勘弁してやってくれないか?」
「それって、私にメリットあるの?」
「
「くれるの?」
「此処での争いが穏便に終わったらね」
そう言って一誠は士方たちに向き直る。
「そっちはどうする?嬬蕗を無事に返す以外に必要なことはあるか?」
「説明してくれ、色々と。この場でとは言わないから」
「兵藤、お前…どれだけ美少女に縁があるんだよ…!」
「いや、レイナーレの本命は僕じゃないし、そんなすごまれても…」
「嬬蕗先輩、男の嫉妬は見苦しいです」
手鞠がそう言いながら嬬蕗を十字架から降ろす。完全にグロッキーらしいので背負おうとするが、その前に士方が歩み寄って背負い上げた。ちなみにその両腕は紫の籠手に覆われている。
「部室に行けばいいのかな?」
「その前に部長たちに連絡した方がいいかもしれないけどね…」
祐斗が疲れたような調子で言う。
「人工神器、
「なんか、操作がめんどくさそう…」
「そりゃあ操作のシンプルさと万能性は両立しないからな。一応ある程度所有者のイメージを読み取って反映させる仕様にはなってるからチャンネル操作を間違えなければ
一誠は何処からかUSBメモリのようなものを取り出し、レイナーレの手を取ってバングルに接続させる。
「
「むっ…」
レイナーレは策士というよりは脳筋に近い戦い方しか一誠の前ではしたことがない。頭が悪かったり、策を練ったり罠を張ったりができなかったりするわけではないようではあるのだが。
とりあえず、一誠の中のイメージは詰めの甘いアホの子である。
リアスが士方にハウルや眷属でないオカ研部員について紹介する。
「…俺と嬬蕗は使った駒と数が同じなんですよね。どっちの方が強いんです?」
「単純な殴り合いとかなら士方の方が強いと思うよ。嬬蕗は絡め手タイプだし戦わない派だし」
そう言って言葉を切り、一誠はアーシアを見る。
「ところで、何でアーシアが此処に?」
「まあ、色々あって…私の眷属に転生させたのよ。駒は
「ってことは、こっちに編入するのか?」
「そのつもりよ」
「
「そうか…?」
「安定して高い出力を保てて、特殊な機能はないが、これといった弱点もない。士方は元々無手の戦士なんだし、適当なんじゃないか」
無手と武器を持つのでは戦い方が変わってくる。龍の両腕はその性質上組み込むために特に戦法の変更は必要ない。多分剣士とかであっても問題ないだろう。単純に、所有者のステータスを上げるだけだから特に癖はない。…力加減に対する慣れなどは必要になるだろうが。
「今回の件、一誠はどの程度関わってたんだ?」
「今回の件って?…僕が最近やってたのは人工神器作りくらいだよ。レイナーレに彼女用の奴作る代わりにその為のデータを収集するために神器のサンプルを要請したらアーシア連れてこられたけど」
「無責任だな…」
「まあ、オカルトサイド的には
「安全…?」
「大体の勢力が僕と僕の周辺にちょっかいをかけると拙いって認識してるから、上が手綱を握れてる内は何もしてこないはずだね」
言い訳は聞かない。ただ、現実に起こったことに対して報復する。