平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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現在に戻って翌日


秩序の破壊者35

 

 

「一誠、今日は部に顔を出していくんだな」

「ああ、ちょっと気になることがあって」

「気になること?」

首を傾げた祐斗に一誠は肩をすくめてみせた。アユムは少し考え、問う。

「…もしかして、部長関係で何かあった?」

「…うん、まあ」

一誠は僅かに遠い目をする。

「…何かは、あったな」

「何だその意味深な発言。人に言えないようなことでもあったのか?」

「…まさか、ついに部長が一線を越えてしまったのかい?」

「いや、そういうR18な方向まではいってない。…一応」

「何だ未遂か」

「部長…」

などと雑談しながら旧校舎に一歩足を踏み入れたところで一誠が立ち止まる。

「どうした?」

「…いや、何でもない」

「?」

暫く歩いて、祐斗が何かに気付いた顔をする。その少し後にアユムも気が付く。

「この気配…」

「覚えがない気配だな。二人は知り合いなのか?」

「うん、一応」

「つい昨夜にも顔を合わせたばかりの相手だ」

そんな話をしていたところで、イリナとアーシアが追いついてくる。

「あれ、こんな中途半端なところで待っててくれたの?」

「いや、別に待ってたわけじゃない」

「?…あ。ああ、成程」

「何が成程なんですか、イリナさん」

「これは自分で気付かないとねー。ってわけで、さっさと部室に向かいましょ」

 

「…君、何やらかしたの?」

部室に入るなり一誠は呆れた顔をした。

「セクハラ撲滅拳です」

「白音ちゃんって、ハウル先輩に厳しいよね…」

「割と当然の結果だと思います」

問いかけられた嬬蕗の代わりに一年生トリオが答える。嬬蕗は床に倒れ、白音に後頭部を踏みつけられている。

「あ、えっと、治療した方がいいんでしょうか…?」

「後でいいんじゃないか?何か嬬蕗に非があるみたいだし」

「男として、美女がいれば話しかけるのは当然のことだろ!」

「既婚者にちょっかいをかけるのはどうかと思う」

視線を向けられ、グレイフィアが会釈をした。

「グレモリー家でメイドをしています、グレイフィア=ルキフグスと申します」

初対面だった面々が自己紹介を行う。

「…そろそろ、続きを聞いてもいいかしら、グレイフィア」

リアスがそう言った時、部屋の奥に魔法陣が出現する。それを見て、一誠が白音とギャスパーの前に出る。魔法陣から風と焔が巻き起こり、男が姿を現した。

「会いに来たぜ、愛しのリアぐふっ」

たらいが落下し、ライザーに直撃すると共に風と焔が跡形もなくかき消された。

「婚約者に会いに来るのはともかく、地上に転移する時に無駄に魔力と焔を撒き散らすのはやめてください、ライザーさん」

「き、君もいたのか、イッセー…」

「僕もオカ研の一員だからね」

「…イッセー先輩、お知り合いですか?」

「部長の婚約者のライザー=フェニックス。ちなみに三男らしい」

「…ライザー、一体何の用かしら」

「式場の下見をするから迎えに来たのさ。ドレスの採寸なんかもしなきゃならないしね」

「私は、あなたとの婚約にまだ納得していないわ」

リアスはライザーを睨みつける。ライザーは肩をすくめてみせた。

「純血の子孫を残すことは俺たちの義務でもある…俺たちの婚姻がお互いの家の益となるということに関しては、俺たちの見解は一致していたはずだ」

「それに関しては否定しないわ。でもね、ライザー、私はあなたとは結婚したくないのよ」

にべもない言葉だった。

「振られてやんの」

「まあ、部長は…ね」

「さっさと落とせばいいと思うんですけどねー」

「ライザー様じゃ多分無理だと思う、です」

ひそひそと外野が話している中、グレイフィアが前に出る。

「お二人の話し合いが決裂した場合、レーティングゲームで決着をつけるように、とのことです」

「…望むところよ」

「構わない。準備期間とハンデはどれぐらいいる?」

「ハンデなしなら、準備期間は二週間から一ヶ月、ってところが妥当なんじゃない。リアスの眷属にはつい最近悪魔に転生したところの者が二人いるから」

挑発とも取れる発言にカチンときたらしいリアスが何か言う前に一誠が口を挟んだ。

「イッセーが一枚噛むんだったら、それだけ時間を与えたら随分な魔改造がされそうな気がするがな」

「ははは、僕はそんな無粋はしないよ。精々、内部条件を自由に操作できる異空間をトレーニングスペースとして貸し出すくらいかな」

ちなみに広さや重力、酸素量、地形などの他、時間の流れる早さも操作できる。

「…十分無粋だと思うが?」

「良き指導者(トレーナー)のない訓練は思うように効率が上がるとは言い切れないからどうだろうな。多分、どっかからいい指南役を探して連れてくる方が効果があると思うよ」

残念ながら一誠には適当な相手の心当たりはないのだが。

「…それでは、三週間後にゲームを行うということでよろしいでしょうか」

「ああ」

「それで構わないわ」

 

 

 

 

 

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