平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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突撃、お宅訪問


白き龍皇16

 

「やぁ、イッセー」

「え、ヴァー、リ…?」

二重存在(ドッペルゲンガー)…まあ、分身の方だ」

「ドライグ、また会った」

『何故お前たちがここにいるのだ』

「オーフィスがイッセーに会ってみたいと言うから連れてきた」

『…いや、お前たち、自分の立場を分かっているのか?』

「ああ。わかっているから、俺もオーフィスもいつもと違う姿で来た。お忍びというやつだ」

「何かおかしい所でもあったか?」

ヴァーリ(分身)は一誠と同じくらいの年頃の姿、オーフィスは中学生くらいの少女の姿である。

『そういう問題じゃないだろう…』

「…えーと、俺に会ってどうするつもりだったんだ?」

 

「お前ら、俺に胃痛でも起こさせたいのか?」

「そんなつもりはない。ヴァーリも俺も、アザゼルに迷惑をかけたくないと思っている。オーフィスは知らん」

アザゼルが溜息をつく。"ヴァーリ"は首を傾げた。

「お前は、ヴァーリの部下ではなく、ヴァーリの分身ってことでいいんだよな?」

「ああ。俺はヴァーリの二重存在(ドッペルゲンガー)だ。スペック的には神器を抜いたヴァーリの三割(推定)程度になる。主成分は魔力だ。故に戦闘には向かない」

「ツッコミどころしかない自己紹介、どうもありがとう…その様子じゃ、本体と意識や人格は共有されてないんだな」

「現在、リアルタイムの共有はしていない。バックグラウンドの知識領域(ライブラリ)は定期的に同期するので知識は共有している」

「なら、幾つか情報をもらっても構わないよな。随分な爆弾を寄越しやがったんだから」

「"困ったこと"にならない程度には答えよう。何に答えればいい?」

「じゃあ、まず…"英雄派"について尋きたい」

「"英雄派"か…あの派閥は説明が面倒なのだが…まあ、順に話すとしよう。まず…元々、"英雄派"のリーダーは曹操という男だった。自称・弱っちい人間、黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)の所有者だ。だが、先日の一件よりも前…だいたい、二年前か三年前、くらいだったかな?組織と己の望みの違いから、禍の団から離反している。現在禍の団に所属している英雄派はその残党になる。当初はメインメンバーを欠いたことで派閥として消滅するかと思ったのだが、意外としぶとく残っている。俺たちとは関わりが薄いというか、互いに距離を取っているようなところがあるので、現在(リアルタイム)の詳しい情報はあまりない」

黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)、だと?んなヤベェのまで参加してたのかよ」

「現在は彼に同調した者も含めてヴァーリについている」

「…おい」

「形式的には、外部協力者、ということになっている。美猴とアーサーも元は英雄派に所属していた。まあ、あの二人は派閥を移った、という形になっているが」

「…っつーことはまさかあれか?アイツが言ってた、戦闘を任せられる部下ってのは、そいつら元英雄派ってことか?」

「概ねそれであっている。寧ろ、彼らがつくまではヴァーリの部下として所属している者はいなかったし、派閥への引き抜きもしていなかった」

派閥の引き抜きは実質、神器保有者の保護である。戦力には数えられない者の方が多い。

「しかし、英雄派について聞くということは、何らかの接触があったのか?」

「ああ…先週、修学旅行だったんだが、京都で英雄派を名乗る奴らとぶつかることになってな…把握してないのか?ルフェイって子がヴァーリの名前を出してたんだが」

「曹操たちは気にかけているようだから、おそらく把握しているだろうが、ヴァーリは最低限しか把握していない。ルフェイは正確には部下ではないことになっているからな。直接会った時しか情報が行き渡らない」

「…思ってたより複雑そうだな、お前らの立ち位置は…」

「ただの組織に対する帰属意識はないが、それを隠している者の集まりだ」

「共通点そこなのかよ」

「単にヴァーリの部下として動いている者というと、シャルバたちも入るからな」

「部下として動いてたのか、アレで」

「ヴァーリはあの辺りを"自分の"部下として認識していないので指示は回していないが」

「…意外とえげつねぇな、アイツ」

「あちらも求めているのは"象徴として"の"正統な血統の王"であってヴァーリ個人というわけではないから問題ない。…ヴァーリの人格を欠片も理解していないしな」

求められるままに振舞っているアイツもアイツだが、と"ヴァーリ"は毒付く。まあ確かに、"王"をしているヴァーリは普段とはほぼ別人みたいなものである。

「…一応、旧魔王派はほぼ壊滅状態になってるんだよな?」

「残党レベルには残っているが、発言力はだいぶ落ちている。最大派閥とは言えないからな」

「"ヴァーリの派閥"は?」

「俺たちは基本的に自己主張しない」

 

 

 

 

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