「やぁ、イッセー」
「え、ヴァー、リ…?」
「
「ドライグ、また会った」
『何故お前たちがここにいるのだ』
「オーフィスがイッセーに会ってみたいと言うから連れてきた」
『…いや、お前たち、自分の立場を分かっているのか?』
「ああ。わかっているから、俺もオーフィスもいつもと違う姿で来た。お忍びというやつだ」
「何かおかしい所でもあったか?」
ヴァーリ(分身)は一誠と同じくらいの年頃の姿、オーフィスは中学生くらいの少女の姿である。
『そういう問題じゃないだろう…』
「…えーと、俺に会ってどうするつもりだったんだ?」
「お前ら、俺に胃痛でも起こさせたいのか?」
「そんなつもりはない。ヴァーリも俺も、アザゼルに迷惑をかけたくないと思っている。オーフィスは知らん」
アザゼルが溜息をつく。"ヴァーリ"は首を傾げた。
「お前は、ヴァーリの部下ではなく、ヴァーリの分身ってことでいいんだよな?」
「ああ。俺はヴァーリの
「ツッコミどころしかない自己紹介、どうもありがとう…その様子じゃ、本体と意識や人格は共有されてないんだな」
「現在、リアルタイムの共有はしていない。バックグラウンドの
「なら、幾つか情報をもらっても構わないよな。随分な爆弾を寄越しやがったんだから」
「"困ったこと"にならない程度には答えよう。何に答えればいい?」
「じゃあ、まず…"英雄派"について尋きたい」
「"英雄派"か…あの派閥は説明が面倒なのだが…まあ、順に話すとしよう。まず…元々、"英雄派"のリーダーは曹操という男だった。自称・弱っちい人間、
「
「現在は彼に同調した者も含めてヴァーリについている」
「…おい」
「形式的には、外部協力者、ということになっている。美猴とアーサーも元は英雄派に所属していた。まあ、あの二人は派閥を移った、という形になっているが」
「…っつーことはまさかあれか?アイツが言ってた、戦闘を任せられる部下ってのは、そいつら元英雄派ってことか?」
「概ねそれであっている。寧ろ、彼らがつくまではヴァーリの部下として所属している者はいなかったし、派閥への引き抜きもしていなかった」
派閥の引き抜きは実質、神器保有者の保護である。戦力には数えられない者の方が多い。
「しかし、英雄派について聞くということは、何らかの接触があったのか?」
「ああ…先週、修学旅行だったんだが、京都で英雄派を名乗る奴らとぶつかることになってな…把握してないのか?ルフェイって子がヴァーリの名前を出してたんだが」
「曹操たちは気にかけているようだから、おそらく把握しているだろうが、ヴァーリは最低限しか把握していない。ルフェイは正確には部下ではないことになっているからな。直接会った時しか情報が行き渡らない」
「…思ってたより複雑そうだな、お前らの立ち位置は…」
「ただの組織に対する帰属意識はないが、それを隠している者の集まりだ」
「共通点そこなのかよ」
「単にヴァーリの部下として動いている者というと、シャルバたちも入るからな」
「部下として動いてたのか、アレで」
「ヴァーリはあの辺りを"自分の"部下として認識していないので指示は回していないが」
「…意外とえげつねぇな、アイツ」
「あちらも求めているのは"象徴として"の"正統な血統の王"であってヴァーリ個人というわけではないから問題ない。…ヴァーリの人格を欠片も理解していないしな」
求められるままに振舞っているアイツもアイツだが、と"ヴァーリ"は毒付く。まあ確かに、"王"をしているヴァーリは普段とはほぼ別人みたいなものである。
「…一応、旧魔王派はほぼ壊滅状態になってるんだよな?」
「残党レベルには残っているが、発言力はだいぶ落ちている。最大派閥とは言えないからな」
「"ヴァーリの派閥"は?」
「俺たちは基本的に自己主張しない」