平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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if番外 
ヴァーリが原作準拠時空に行ったら。 
時期一致、ディオドラ戦後~フェンリル前間


白龍皇、平行世界に行く。

 

「…15分仮眠する。時間が経ったら起こしてくれ」

『わかった。…無理をするなと言っても、お前は聞かないからな…』

ヴァーリは椅子に座ったままの状態で目を閉じる。

 

「…おかしいな。平行世界のイッセーを喚んだはずなんだが」

「どう見ても別人じゃないですか。ってか、年上っぽいしイケメンだし」

『…というか、これは…』

「…んぅ?」

ヴァーリはゆっくりと目を開けた。そして、アザゼルを見てふにゃりと笑う。

「あ、父様だぁ」

「とっ、父様?!」

「ええええ?!」

困惑し必死に記憶を手繰るアザゼルを見て、ヴァーリは表情を曇らせる。

「…父様、俺のこと嫌いになったの?俺が悪いことしてるから?」

『おっ、落ち着け相棒、お前の父様(アザゼル)はそう簡単にお前を見捨てたりしないからな、な?』

「ふぇぇ」

ガチ泣きしそうになるヴァーリをアルビオンが必死に宥める。

『白いのがいる、ということは…やはりそいつは白龍皇、ヴァーリ=ルシファーか』

「えっ」

「…あれ」

『…まあ、そういうことだ。…相棒、此処は平行世界らしいぞ。そこのアザゼルはお前の知るアザゼルとは別のアザゼルだ』

ヴァーリは一誠を認識して一回固まった後アルビオンの言葉で再起動する。そして不敵な笑みを浮かべてみせた。

「やあ、イッセー」

「いや、取り繕ったって無駄だからな?」

「うっ」

アザゼルが落ち着きを取り戻し、ヴァーリを眺めて呟く。

「ヴァーリのやつ、反抗期が終わるとこうなるのか。一体何歳なんだ?」

『いや、相棒はアザゼルに反抗期だったことはないぞ。多少方向がズレてたことはあるが、ずっとデレだ』

「俺は一応、22…の、はず」

「はず?」

「俺は自分の誕生日がわからないし、12年前にアザゼルに拾われるより前の時間経過にどうも自信がない。だからその日が10歳の誕生日として計算している」

「…12年、なあ…」

この世界のヴァーリは17歳だが、同じく12年前にアザゼルに保護されている。

 

なんだかんだ、ヴァーリと一誠が戦うことになった。

「…さて。どう戦おうか」

「禁手化しないのか、ヴァーリ」

「俺が禁手を使うというのは、お前の神器を封じるということとほぼ同義だが?」

ヴァーリは肩をすくめてみせる。その余裕に満ちた笑みに一誠はムッとする。

「その鼻っ柱、へし折ってやる」

「やれるものならやってみるがいい」

ヴァーリは楽しそうに笑うと、その両手の中に剣を作り出す。二剣を構え、一誠を迎撃する。

「なっ」

「これぐらいの魔術、そう驚くことはないだろう。何の属性も付加していないただのロングソードだぞ?」

「何で木場の神器と同じ…?」

「神器は唯一無二というわけではない。木場の魔剣創造(ソード・バース)聖剣創造(ソード・ブラックスミス)神滅具(ロンギヌス)ではない同じ神器を持つ者が複数いてもおかしくない神器だ。…まあ、聖魔剣は彼以外には余程開眼できないだろうが」

「まあ、俺は別にそれらの神器を持っているわけではないがな。…俺の神器(あいぼう)はアルビオンだけだ」

『別にそうやって解説してやる必要はないだろう。混乱に乗じてやってしまえばいい』

「手合わせでそれは大人げないだろう。それに、瞬殺しては手合わせの意味がない」

「そこはかとなく馬鹿にされてる気がする…」

『馬鹿にされているというか、見下されていると言うべきだろう』

「馬鹿にはしていない。俺はイッセーより強い、という事実から導き出される当然の結論だ」

「なにおう…同じ手段は取れないったって、俺は一回ヴァーリに勝っているんだぜ?」

俺は(・・)イッセーに負けたことはない。…その一回とは、おそらくヴァーリがアザゼルに離反した時で、決定打は白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)だろう?」

「!」

「まあ、とりあえず事実だけ見せてやろう」

禁手が発動し、ヴァーリの躯が白銀の鎧に包まれる。

増幅(ブースト)

右手の籠手が赤い、赤龍帝の籠手に組み変わる。

「なっ」

「俺の方が強いだろう?」

『…まあ、あの茶番(・・)の時相棒は取り込んだだけで結局それを使っていなかったがな』

ぼそりとアルビオンが呟く。

『…そちらの白龍皇は、こちらの者より手強いようだな』

『相棒は私より強い(・・・・・)のだから当然だろう』

『それは自慢げに言うことか?』

『私はもう開き直ったのだ。オーフィスが私のことを弱い弱いと言うからな…ふふ、どうせ俺はおっぱいドラゴンと決着がつけられない程度の弱いドラゴンだよ』

『全然開き直れてないじゃないか。というか、おっぱいドラゴンと呼ぶんじゃない』

「大丈夫か?アルビオン」

『うむ…』

「…いや、気持ちで負けてちゃダメだ。俺は絶対こいつに勝つ!」

『ああ、その意気だ、相棒』

「そんな風にイッセーが奮起して向かってくるというのは新鮮だな。…ふむ。もしかして俺は手を出さないべきだったのかな?」

『どうだろうな。おそらく、実力的には±0だろう』

「…まあ、別に後悔はしていない。あれで良かったのだ、ということにしておこう」

ヴァーリは一度距離を取って禁手を解除する。そして剣を砕き新しく聖槍を作り直す。

「この攻撃、避けられるか?イッセー」

槍に聖なる力が集まり、余波で強風が巻き起こされる。

「…ドライグ、なんかアレ洒落にならない気がするんだけど」

『悪魔であるお前がくらったら相当やばいだろうな、アレは』

 

 

 

 

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