平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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if番外
ヴァーリとリルとグレンと黒歌が原作準拠時空に行ったら
仮契約後
ちなみに一個前のとは両立しない


白龍皇+α、平行世界に行く。

 

青年が眠っていた。銀の毛並みの大型犬の腹を枕に、黒猫と赤い子竜を抱えている。皆大変リラックスしている様子で、ぐっすりと眠っている。

「…洒落にならないもん喚んじまったか?もしかして」

見間違えでないなら、この大型犬らしきもの、神喰狼(フェンリル)である。そして青年はおそらくヴァーリである。ちょっと未来の、と付け加えた方がいいだろうが。猫と竜は使い魔か何かだろう、多分。

ヴァーリがどのような大人になるのかというのは、アザゼルにとって少々心配の種ではあったのだが。

「…これはこれで、安心できる未来ではあるのかね」

その時、青年が目を覚ます。

「…ん?此処は…オカ研の部室、か?」

小さく欠伸をして青年は身を起こし、アザゼルを見る。そして暫しの沈黙の後、納得した顔をした。

「成程。平行世界の父様が何かやらかしたのか。探究心旺盛なのはともかく、最低限自分で収拾がつけられる程度に留めておくべきだと思うぞ」

「理解力高すぎんだろ…つぅか、父様って」

「義父を父と呼ぶことに何か問題があるのか?アザゼル」

「そりゃあないが」

何時の間にか目を覚ましていたフェンリルがアザゼルに剣呑な視線を向けている。猫と竜は相変わらず眠っているようだが。

「…何かそいつ俺を睨んでるみたいなんだが」

「ん?ああ…リルは初対面の時から何故かアザゼルを嫌っているみたいなんだ。流石に噛み付いたことはないんだが…どうしても仲良くしてくれる気がないらしい」

フェンリルは起き上がるとヴァーリの肩に手、頭に顎を乗せてもたれかかる。そして、アザゼルに向かって一度吼えた。

「なあ、そいつ…今俺のこと馬鹿にしなかったか?」

「まあ、宣戦布告の様なことは言っていたな」

「いい度胸だ。表へ出ろ、俺が灸を据えてやるよ」

 

「アザゼル先生、彼は一体誰ですか?」

「…平行世界のヴァーリとそのペットたちだ」

「やあ、グレモリー。邪魔をしている」

「…私にはあなたにそんな風に親しげに挨拶される覚えはないわ」

「…そうか。こちらの俺は君たちの学友にはなっていなかったのか」

アケノにもそういう視線を向けられたらヘコむな、とヴァーリは少し困ったような顔をする。

「…何で朱乃が出てくるのよ」

「彼女とは十分幼馴染と呼べる関係だからな。アケノの両親にもよく可愛がってもらった」

「「・・・」」

なんとも言えない顔をしたリアスとアザゼルに、ヴァーリは小さく首を傾げる。

「まあ、最近は若干疎遠なんだが。アカリと顔を合わせたのは授業参観の時だからもう…ええと、何ヶ月前になるんだっけか。バラキエルには三日前ぐらいに会ったんだが」

「待て、お前の世界じゃ朱璃は生きてるのか。ってか、その上でリアスの眷属になってるのか、朱乃は」

「ん?ああ。久しぶりに会ったらおそらく反抗期の勢いか何かで悪魔になっていたので驚いた。本人は後悔していないようだったから俺も何も言わなかったが。…うむ、だがよく考えると妹分の変貌にコメントするべきだったのだろうか…」

「なんというか…」

「その話、うちの朱乃の前ではしないでちょうだい」

「…まあ、聞かれなければ俺の世界でのことは話さないことにしておこう。所詮、平行世界、異なる選択のあった世界だ」

 

「全然歯が立たなかった…俺も、強くなってるはずなのに…」

「一年にも満たない程度の努力で、俺が今まで積み上げた15年程の時間を崩せると思われては困る。そもそも、お前、自分の力を掌握しきれていないだろう。それで俺に勝とうなどと、千年早い」

「うっ」

「まあ、イッセーじゃヴァーリを倒すには役者不足だよねー。せめて、旧魔王派の三人を片手間に倒せるぐらいじゃにゃいと」

 

「平行世界のヴァーリって割には、随分弱そうにゃん」

まあ、私じゃ負けるかもしれないけど、と黒歌は付け加える。

「俺が弱そうだって?」

「私が初めて会った頃のヴァーリとそう変わらない程度だと思うにゃ。一応、覇龍をコントロールするくらいならできるのかにゃ?」

「…俺は覇龍を超えるものを編み出した。まあ、まだ使える時間は短いが…」

それ(・・)を安定して使えるレベルじゃにゃいと、こっちのヴァーリの本気を見ることもできないと思うにゃ。…っていうか、私もヴァーリの本気の本気とか、一回しか見てないんだけど」

「…黒歌、何故平行世界の俺を挑発するんだ。何か面倒くさい感じのフラグが立った気がするんだが」

「…だって、ヴァーリ以上の戦闘狂っぽいのにヴァーリより弱いみたいだから、此処の私たちは苦労してるんだろうなー、と思ったらつい」

「俺は強さを求めてはいるが戦闘狂じゃない。平和主義だ」

 

「とりあえず小手調べだ。…偽りの神槍(グングニル・フェイク)

必中の概念を持った光の槍が"ヴァーリ"の手から飛び出す。ヴァーリはそれを避け、距離を詰めようとする。

「甘い」

「何?」

「お前はグングニルの伝承も知らないのか?グングニルは必ず敵に当たり、そして投げた者の手に戻る槍だ。その名を持つそれにも当然必中の概念が込められている。まあ、手元には戻ってこないが」

ひらひら、と手を振り、"ヴァーリ"は片眉を跳ね上げる。

「その程度の怪我ならものの内にも入らないだろう?俺が本気を出す価値が有るというなら、次は防げよ?…もう一度(リピート)もう一度(リピート)、そしてもう一度(リピート)だ」

光の槍がずらりと16本並ぶ。そして、幾らかのラグを伴ってヴァーリに殺到する。

「くっ」

『Half Dimention!』

偽・殺到する朱槍(ゲイボルグ・フェイク)

無数の矢尻と化した槍が降り注ぐ。

 

 

 

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