「…何ですか、ヴァーリ=バニシングドラゴン、というのは」
「俺の実家の家名は大っぴらに名乗るには少々問題があってな。でも語呂はいいだろう」
「馬鹿ですかあなたは」
小猫の呆れたような視線にヴァーリは心外そうな顔をする。
「語呂は大事だぞ。君は言霊というものを知らないのか?言霊を操る上で滑らかに言葉を紡ぐことは必要不可欠なんだ、己の紡ぐ言葉くらいは把握しておかなければならない」
「…。…そうですか」
「少し遅くなったが…久しぶりだな、アケノ」
「ええ、久しぶりですね、ヴァーリ君」
「悪魔になったとは聞いていたが…元気そうで何よりだ」
「ヴァーリ君こそ、色々飛び回っているとは聞いていましたけど、転入してきたということは、暫く留まるつもりがある、ということですか?」
「ああ。
「何故一年なんです?どうせなら私と同じクラスに来てくだされば良かったのに」
「どうせ一年も通うかわからないがな。そのまま通うのもつまらないので女体化してこようかと思ったらグレモリーとシトリーに揃って反対されてしまったし…」
キャラがかぶるとかなんとか。
「一年なのはこの姿でいても違和感が少ないからだ。塔城という例もいるしな」
「…それ、小猫ちゃんに言っちゃダメですよ?」
「?わかった」
きょとり、と小さく首を傾げたヴァーリを朱乃は思わず抱きしめる。
「本当にヴァーリ君は可愛いですね。実は天使だと言われても、私納得しちゃいますよ。そんなに可愛くて痴女や変態に襲われたりしていませんか?」
「部下と友人には変態も痴女もいるが、別に可愛くて襲われる、ということは………あー、黒歌のはそっちに入るのか…?」
「…ヴァーリ君を性的に襲う人がいるんですか?」
「童貞は失っていないがな」
「それはつまり、失いかねないことをされたということですか?」
「まあ、たっていたらそのままこれ幸いと食われていただろうな」
「・・・」
「…アケノ、何か怒ってないか?」
「怒ってません」
「そうか…」
「…俺を見くびるのおは構わない。だが、アルビオンを馬鹿にするな」
呼吸が阻害されそうな程のプレッシャーがライザーに向けて放たれる。
「フェネクス、だったか?
「直接ゲームに加わることはできないが、修行の手伝い位ならしてやる」
「何でだよ。お前だってアイツにはムカついてるんだろ?」
「どの程度まで
「うっ…」
「彼が指導してくれるというのは、いい考えだと思いますよ」
「朱乃、根拠は?」
「実は、私とヴァーリ君は幼馴染と呼んでもいい関係なんです。彼の実力をこの目で見たのは随分前に数回だけですが、話は幾らか聞いています。神器での戦闘も、魔術も剣術やその他の白兵戦も、戦闘に関しては天才を通り越して天災と言っていいレベルだと」
「それは一体どういう噂なんだ…」
「あなたの幼馴染、ってことは…」
「いえ、彼は私とは違いますよ」
「…そう」
「朱乃先輩と幼馴染、だと…?」
「?どうした、イッセー」
「羨ましい!羨ましいぞヴァーリ!!」
「…これは、俺はどう反応すればいいんだ、アルビオン」
『私に聞かないでくれ』
「朱乃先輩みたいな、おっぱいの大きい幼馴染がいるとか、羨ましい!」
「…俺たちが幼馴染としてそれなりの交流があった頃はアケノの胸はぺったんこだったんだが」
アケノが思春期に入る頃には疎遠になり始めていたし、とヴァーリは付け加える。
「後、俺は女性に興味がないから」
『ヴァーリ、その誤解を招く発言はやめろ』
「?」
「まさか、あなた……女装して通おうとしていたし…」
「ヴァーリ君、ちょっとお話いいですか?」
「何だ、アケノ」
「ヴァーリ君はイッセー君のことはどう思っているんですか?」
「抽象的すぎて何を答えればいいのかよくわからないが…まあ、イッセーは俺と同じ、龍を宿す者として引かれる部分があるし、悪感情はない。俺の
「性的な興味は、ありませんよね?」
「そもそも俺は生まれてこの方、性的な興味を持った相手がいないんだが」
「…よかった、ヴァーリ君は
「そういう趣味とはどういう趣味だ」
思わず首を傾げてしまったヴァーリに朱乃は返答せず、ただ笑う。
『不名誉な誤解過ぎる…』
「不名誉でない誤解などないと思うが…」
「とりあえず、君たちの実力を見せてくれ。手加減はいらないから全力でかかってこい」
「…じゃあ、僕から行かせてもらおう」
そう言って木場が一歩踏み出すと、ヴァーリが首を振る。
「
小猫を合気の要領で投げ、木場を魔力で作り出した双剣でくだし、朱乃を魔術で撃ち落とし、アーシアをデコピンで転ばせ、一誠を足を引っ掛けて転ばせた後かかと落としで気絶させ、リアスを掌底で吹き飛ばして、ヴァーリはふむ、と呟く。
「成程、だいたいわかった。今回は時間制限もある。単純に弱点をなくすのではなく、長所を伸ばして弱点を補うか弱点を突かれないようにすることを考えることにしよう」
「勝手に納得しないでくれるかしら」
「まず、塔城。君は接近戦特化のインファイターだ。ルークとしてのパワーも申し分ない。…だが、少々動きが単調すぎる。君は基礎的な身体能力と手数を増やす事にしよう」
リアスの滅びの魔力による攻撃を避けながら、ヴァーリは平然と続ける。
「次に木場。剣術は優れているし、スピードも優秀だが、君の剣は脆すぎる。
アーシアの神器で一誠の意識が回復する。
「アケノは…流石クイーンといったところか。君はそのまま魔術を強化して移動砲台…いや、寧ろ爆撃機か、になればいいだろう。強いて言うなら、"出し惜しみ"するな、と言うところか。まあ、それが君にとって譲れないものであるなら、俺は無理に使えとは言わないが」
ヴァーリはリアスの手首を掴んで一旦攻撃を中止させる。
「アーシアは今回は戦闘力をつけるのは無理だろうからスピードを上げる事にしよう。危険が迫った時に安全なところまで退避すること、それに神器による回復の高速化が目標だ。可能であれば遠くからの回復も目指そうか」
不機嫌そうなリアスの頭をぽん、と撫でてヴァーリは一誠に視線を移す。
「イッセーお前は長所短所以前の問題だ。とにかく基礎力を上げろ。いくら肉体が悪魔になって耐久力が上がったといっても、神器を生かしきれない程度では意味がない。どれだけ能力を上昇できても自分の体を壊してしまっては意味がないからな」
「長所短所以前、って…一個ぐらいないのかよ、俺の長所!」
「強いて言えば…
つまり弱いからこそ、これからいくらでも強くなれる可能性がある、ということだ。
「最後に、グレモリー。君はもっと冷静になれ。そして、その上で自分の配下を信じろ。
そこで言葉を切り、ヴァーリはニィ、と笑う。
「
魔術により分身を作りリアス配下の指導を行うヴァーリだったが、本体は一人、キッチンにこもっていた。何故なら、彼は戦闘行為全般がストレスになるレベルで嫌いだからである。美味しい料理を食べて怒る人はそうそういない。喜ぶ人を見るのが好きだからヴァーリは料理をするのである。
「イッセー、お前は赤龍帝ドライグと対話してこい」
「対話してこい、と言われても…」
「精神世界の中でじっくり向き合え、そしてついでに戦って来い。まあ、初日は瞬殺されるだろうが…何事も経験だ。
「…何か、嫌な予感がするんだけど、その対話ってやつ、どうやるんだ?」
「魔法陣を敷いてやるからその上で眠れ。夢の中で会えるはずだ」
「俺の休憩時間は?!」
「どうせお前グレモリーの胸で幾らでも回復できるだろ」
「っ、否定できない…」
「そこは否定しなさいよ!」
「部下の精神的なケアは上司の役目だろう?」
「くっ」
「別に、俺がこう、女の子になって」
ヴァーリの姿が服装ごと可愛らしい少女へと変化する。
「イッセー君、頑張ってください」
「お、おう!」
「…とやってもいいのだが、それは俺の役目じゃないだろう?」
「実演しないでちょうだい」
基本的にイッセーのハーレムはイッセーのハーレムのままっすよ、ええ
後修行時は見た目17歳ぐらい
分身は瞳の色が青なのでよく見ればわかる