「"初めまして"。私はミカエルといいます」
「"初めまして"。赤龍帝、兵藤一誠です」
二人は平然と微笑みを交わす。
茶番である。
今回の会は"非公式の顔合わせであり会見という体の公式の場"という他勢力にも知られた公にされたコンタクトである。"前回"の秘密の会合とは違う。お互い公の立場に基づいた言動をする必要がある。
「
「三勢力が再び戦争を始めることを未然に防いでくださったあなたにお礼を言いたかったのです」
「俺は降りかかる火の粉を払っただけです」
「その火の粉の源となったのはこちらの不始末でもありますから」
ミカエルは二振りの聖剣を取り出す。一振りは真新しい鞘に収められた
「…これは?」
「あなたへの感謝と期待と誠意、といったところでしょうか。あなたが生まれ変わらせた
一誠はまずエクスカリバーを手に取って調べる。
「…この鞘が
「比較のために並べたところ、砕けてしまったので作り直したのですよ」
「…確かに、
悪気はなかったのだ。やるならできる限り完璧に近いものにしたかっただけで。
「聖剣の意思、ですか」
「そういう雰囲気を感じるというだけですけどね」
エクスカリバーを籠手に収納し、今度はアスカロンを手に取る。このレベルなら、普通の剣よりはダメージが大きいだろうが、致命的という程ではないだろう、と思う。
「ところで、よりにもよってアスカロンってのは、何かの皮肉ですか?」
アスカロンの伝承上の担い手は
「あなたに贈る相応しい格の高い聖剣、というだけで、深い意味はありませんよ。…あなたの
「剣術の心得のない俺に扱いきれるかわかりませんけどね」
まあ、常識的な大きさと形の剣なのでどうにかなるだろう、と思いたい。
"以前"見たアスカロンは、到底常人の扱えるものではない大きさと重さとギミックを備えた、規格外の霊装だった。まあ、
「でも、ありがたく受け取っておきます」
二振りの聖剣を籠手に収納し、一誠はミカエルに礼をする。
内実、アスカロンは前回ミカエルに渡した12本の
18本の
「あなたと争わねばならない日が来ないことを心から願います」
「俺も、無用な争いのないことを心から祈りますよ」
偽りのない本心である。一誠が祈る相手は聖書の神ではないが。彼が祈るのはまあ、兵藤家の氏神か仏あたりである。"聖書の神"ではないので祈りのダメージも発生しない。まあ、そうでなくともダメージを受けないようにできるのだが。
「どう、ドライグ。エクスカリバーは使えそう?」
『…慣れるまで練習が必要かもしれないが、使えそうだ。アスカロンの方は、籠手に竜殺しを付加させるくらいならやってやれないことはないだろうが…特に特殊な力を持っているわけでもなさそうだからな…』
「それだけできれば十分だよ。仲間に渡して使ってもらう、って手もあるしね。俺が直接使うよりは祐斗かゼノヴィアに任せた方が活用してくれそうだし」
『仲間、か…まあ、そういう手もあるか』
しみじみと、ドライグが呟く。
『どちらも信頼できる相手でなければ渡せない聖剣ではあるだろうが…まあ、相棒ならどうにかなるのだろうな』
色々な意味で。
一誠には聖剣もさして大きな意味を持たないのである。普通の悪魔であれば弱点を突かれることになってしまうのだが。
某ゲオルギウスさんとは多分敵対状態での遭遇での感想
ちなみに天閃は実質量産型が上位互換化しているので