平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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閑話。
ヴァーリの兵藤家訪問+α


白き龍皇6

 

 

「ええと、本日はお招きしていただいてありがとうございます」

「そんなに緊張しなくていいのよ、イッセーのお友達なんでしょう?」

「自分の家だと思ってくつろいでくれていいからな」

「…ありがとうございます」

ヴァーリはそう言ってはにかむような笑みを浮かべた。

 

「…お前、敬語とか使えたんだな」

「当然だろう。人を何だと思っているんだ」

「だってお前一年(こうはい)なのに俺にも先輩たちにも敬語使わないじゃん」

「そりゃあ、使う必要性を感じないからな。というか、お前自分が敬語を使われるだけの尊敬を得られる人格と実力を持っているとでも思っているのか?」

「うっ」

もっとも、実年齢的にはヴァーリは一誠の五つ上である。朱乃くらいしか知らないが。

「そもそも、そういうイッセーは正しく敬語を使えるのか?」

「つ、使えるに決まってるだろ」

「・・・」

「・・・」

「まあ、使えなくても使えるようにならざるを得ないだろうがな」

「な、何でだよ」

「グレモリーは貴族だぞ。関われば色々とお偉方と顔を合わせる機会もあるだろうし…部下の所業は上司の評価にも影響するからな」

 

「アーシアはすっかりイッセーの家に馴染んだみたいだな」

「はい。お父さんもお母さんもとてもいい人で…私、とても幸せです」

「そうか、それは良かった」

「…そういえば、ヴァーリさんの家族の話って全然聞かないですけど…」

アーシアはそこまで言ってヴァーリの顔を見て口篭る。

「…まあ、俺は子供の頃に両親に捨てられた身だからな。今は一応育ての親と言うべき相手がいるが…家族というものにはあまり縁がない」

妹分、弟分、父親のような人。それはあくまで似たような他人であって"家族"ではない。そんな擬似家族でも大切な相手ではあるけれど。

「…その育て親という人は家族ではないんですか?」

「…わからない。だって、一緒に暮らしてるだけが家族じゃないだろう」

「じゃあ、ヴァーリさんが家族と思えたら家族、ってことでいいんじゃないですか?だって、ヴァーリさんその人のこと大好きで大切なんでしょう?」

「…ああ、そうだな。ありがとう、アーシア」

 

「アザゼル、今日会いに行っても大丈夫か?」

『ん?大丈夫だが、どうかしたのか?』

「ちゃんと顔を合わせてアザゼルに言いたいことがあって」

『ど、どうした?何かあったのか?そんな重大なことが…はっ、まさかついに誰か選んだのか?!』

「選ぶ?何の話だ。俺はただ………その、本当、電話越しとかじゃなくて、ちゃんとアザゼルの顔が見える状態で言いたいだけで…とにかく、今から行くから」

『今から?そんな急を要することなのか?!』

 

「アザゼル」

「お、おう。何だヴァーリ」

「これからアザゼルのこと偶にパパって呼んでも良いか?」

「…は?」

「アザゼルは俺の義父みたいなものだけど、父さんは父さんのことだから、アザゼルはパパかなって」

「・・・」

「それか、えーと、父様、とか」

どう、かな、とアザゼルの様子を伺うヴァーリに、アザゼルはぽん、と肩に手を置く。

「ばっちこいだ」

ぐっとサムズアップされ、ヴァーリは安心したように笑う。

「アザゼルパパかアザゼル父様か…どっちもありだな」

「アザゼル父様」

「ん?何だヴァーリ」

「言ってみただけ、だ」

「…お前、本当可愛いな。何でアレ(・・)の孫として生まれたんだ?本当は天使として生まれるはずだったのが色々ねじ曲がって悪魔に生まれたとかじゃないのか?」

「別にそんなことはないと思うんだが…」

「まあ、そんな与太話はともかく…何で突然そんなこと言い出したんだ?これまでずっとそんなこと言わなかっただろ?」

「それは…血縁関係だけが家族を決めるわけじゃないって、わかったから、かな」

「・・・」

「アザゼルには感謝してるし、大好きだけど最初は父親というか"保護者"って感じだったし」

「まあ、最初はな…」

アザゼルはそっと視線を逸らす。若干照れている。

 

『アザゼルが父親なら私は何だ?』

「アルビオンは…兄、かな。一応俺より年上ってことになるし」

『一応って何だ、一応って』

「何か俺よりメンタル弱いっぽいから」

特に対赤龍帝(というかイッセー)でそれが露呈している気がする。

『…年長者だからといって、メンタルが強いわけじゃないんだぞ』

「うん」

『・・・』

素直に肯定されると逆に反応に困る。

「アルビオンも偶には"アル兄様"とかって呼ぶ方がいいか?」

『いや、いい』

「そうか」

『…ヴァーリが呼びたければ呼んでもいいんだぞ』

「別にそれ程でもない」

『…(何だこの敗北感)』

「だって、アルビオンは家族っていうよりも寧ろ相棒って感じだし」

『相棒、か』

噛み締めるようにそう言って、アルビオンは口元を僅かに緩める。

『確かにそうだ。私はお前の"相棒"だ』

「神器そのものはあまり使う機会がないがな」

『それはお前の戦闘方針の問題だろう』

 

 

 

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