平行世界のドラゴンたち。   作:ペンギン隊長

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ドライグとの初対面


秩序の破壊者2

 

 

大きな紫色の瞳を瞬かせる子供を見て、赤竜は少し感心したような声を漏らした。

「ほう、その年で此処にたどり着くとは、今代はなかなか優秀らしい」

「…赤い、ドラゴン…アポロよりは小さい、みたいだけど」

一誠は僅かに首を傾げた。確か、己は眠ったはずだ。となると、此処は夢の中だろうか。暗く、己と竜以外は何があるとも知れない場所である。

「アポロ?…俺は赤い龍(ウェルシュドラゴン)のドライグだ。お前の名は?」

「僕は兵藤一誠。ドライグさんは、えーと、何で僕の夢に出てきたの?」

「さん付けじゃなくて呼び捨てでいい。俺とお前は言ってみれば一心同体、相棒のようなものだからな」

「一心同体?何で?」

「俺はお前の神器(セイクリッドギア)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に封じられた存在だからだ」

「神器?」

ドライグは一誠の疑問に己が答えられる限り答えていった。

「…まあ、まだ幼いお前にはちょっと難しすぎたか」

「ううん。おかげで合点がいった」

一誠が伸ばした左腕に赤い籠手が出現する。それは紛れもなく神器・赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だった。

「ずっと己の魂に何か異物があるような気がしてたんだ。神器とドライグのことだったんだな」

「…異物とは、酷い言い草だな」

「他に言い方が思いつかなくって。悪いものだとは思わなかったけど、この世界に生まれ落ちる時に付け加えられたものってのは確かだし」

「それはまた妙な言い方をするな。生まれる前のことを覚えているとでも言うのか?」

「うん。僕には前世の記憶ってやつがある。…まあ、思い出したのはつい最近だけど。多分、今の"僕"になるより前の生全部足したらドライグの年に届くんじゃないかな。まあ僕、今まで全部覚えてるわけじゃないし、ドライグの年知らないけど」

こてり、と一誠は首を傾げる。

「ウェールズの相争う赤白の竜がア・ドライグ・ゴッホとグウィバーと呼ばれていたかな。関係ある?」

「…確かに俺のライバルであるもう一体の二天龍は白い龍(バニシングドラゴン)だが、その名はグウィバーではなくアルビオンだ」

「アルビオン…確か、白い丘という意味だっけ。何度か国名や地名として聞いた覚えがある。…まあ、同じものが別の名で呼ばれたり、その逆だったりは世界が変わればままあることだからな。そういうこともあるだろう」

一人で納得して一誠は言う。

「アポロが僕に目をつけたのも、同じ赤を持つドラゴンを宿すから、だったのかな」

「――それは違う」

「な?!」

そこに姿を現したアポロを見てドライグは動揺するが、一誠は平然と返す。

「違う、って?」

「我がイッセーと契約することを望んだのはイッセーがイッセーだったからだ。赤龍帝は関係ない」

「契約だと?」

「今日、アポロと契約を結んだんだ。終身契約で」

そいつ(グレートレッド)と契約?一体何の冗談だ」

「事実だ」

「別に、特に不都合はないからまあ、いいかな、って」

「悪いことは言わんから今すぐ破棄しろ。ただでさえドラゴンは争いを招き寄せる。事実上"世界最強"の更に上を行くグレートレッドと契約するなど、平穏をドブに捨てるようなものだぞ」

「あはは、妹にもクーリングオフしろって言われたんだよなー」

「我は契約を破棄するつもりはない」

「お前には聞いてない。そもそも、終身契約とか、俺の宿主に何をする気だ」

「我はイッセーと共に居たいだけだ。だから契約の指輪(エンゲージメントリング)も贈った」

「………イッセー、おそらくこいつは所謂変態と呼ばれるものなんじゃないかと思うんだが」

「んー…まあ確かにそれは否めないかも。でも、僕、ペットの躾はちゃんとやるから大丈夫だよ。両親とも約束したし」

「それをペット扱いできるのはお前くらいのものだろうよ…」

ドライグは大きく溜息をついた。

「まあ俺も流石に他者の契約に介入する力はないからな…お前が納得しているなら何も言わないが」

一誠はにっこりと笑う。

「心配しなくても、僕は見た目よりは戦えるから大丈夫だよ」

「争いとなれば我が守る故にイッセーが傷つく道理はない」

「全く安心できる要素がないんだが…」

ドライグが若干疲れた様子でそう言うと一誠は不思議そうな顔をした。アポロはふん、と鼻を鳴らす。

「そもそも、我のイッセーは可愛いのだから、傷つけようと思うのは余程の異常者に決まっている。ならば、消してやった方が世のため人のためというやつだ」

「所有格をつけるな」

「アポロ、お前頭大丈夫?」

「解せぬ」

「解せろ」

「…そりゃ、"前回"の僕はやたらと周囲に肯定されて神童扱いされてたけど、父さんも母さんも僕のことちゃんと普通の子供として扱ってくれてるし、そんな極端なことにはならないと思うよ?」

「イッセーが可愛いのはまごう事なき事実だろう」

「僕男なんだけど」

「男だろうが女だろうが可愛いものは可愛い」

「それはそうなのかもしれないけど」

一誠はやれやれと肩をすくめる。

「…まあ、相棒はまだ子供だからな。可愛いと言われることもあるのだろうよ」

いずれ屈強な戦士となればそれもなくなるだろうが。

「…いや、僕魔術特化型だから"屈強な戦士"にはなれないと思うなあ」

 

 

 

 

 




他ルートでもアポロの事を除けば似たようなやり取りをしていると思われる。ヴァーリも同じく
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