例え、殴られても斬られても手は出しません。
ルパンスタイルですね。
~天龍サイド~
「何故演劇準備室にいるんだ?」
「仕方ないじゃないか!これしか思いつかなかったんだ!」
俺と吉井は今演劇準備室にいる。
「とりあえずだ。」
「うん」
「姫路はどこにいったか知らないか?」
「さ、さあ・・・」
「チッ、使えねえなぁ・・・。」
「どうする気?!僕をどうする気なの?!」
そうだな・・・。お、そうだ。
「女装していけ」
「・・・は?」
「女装だよ。見た目を誤魔化しちまえばウマい事いくもんだぜ?」
「ちょっと待って。するにしてもこの状態でどうすれば・・・。」
俺はそこらへんにあるロッカーからカツラとウィッグと女子の制服を取り出す。
「え?え?」
「悪く思うなよ。」
「ちょっと!待ってよ!いや!誰か助けて!誰k(ドゴッ)グフッ!」
ガクッ
「さてと」
と俺は手袋を外す。
「やるか。」
十分後、吉井は可愛い可愛い女の子に変化した。これでばれることはまずないだろ。そして、この声帯変化薬を飲まして、と・・・。
パチン(俺が吉井の頬を叩く音)
「おい、起きろ。」
「んん?あれ、声が変わってる?」
「薬飲ませたからな」
「・・・薬って、彩樹さん・・・・。」
「いいだろ?別に」
「黒歴史が・・・。」
「死ぬのと黒歴史のどっちがいい?」
「・・・黒歴史でお願いします。」
「そういうこった。行って来い。」
と、言いながら俺は吉井を蹴り出した。俺はスマホを取り出すと代表に電話を掛ける。
「彩樹だ」
『明久は?』
「女装させたから大丈夫だろ。それより、お前らはどこにいるんだ?」
『女装はさておき、俺と秀吉は屋上にいる。須川とムッツリーニはFFF団の排除に取り組んでいるらしい。』
「俺も姫路を見つけて捕まえて半殺しにしたらすぐ行く。」
『わかった』
プツン
「おい、吉井」
「どうしたの?」
シュパッ カシャカシャカシャカシャ
「お前はどこから来たんだ?」
「・・・秘密」
ま、いっか。
「ところで、土屋」
「?」
「姫路の場所は?」
「…俺が確認した限りでは2-F教室前にいた。」
待ち伏せか・・・。
「島田は?」
「一階で散策中だったはず」
ふむ・・・。
「吉井」
「何?」
「今2階だから屋上まで全力疾走していけ。」
「彩樹さんはどうするの?」
「え?俺?姫路に話があるんでね・・・。」
「ああ、そう・・・?」
吉井は全力で階段を駆け上がり始めた。
「土屋、いっていいぞ」
「・・・(コクリ)」
フッ
マジでアイツ忍者だな。さてと・・・。
「姫路を半殺しに行くかなぁ?」
俺は指を鳴らしながら階段を下りて行った。
「アキ~、一体どこに隠れたっていうの~?」
ひゅ~、こえ~。
「おい、島田」
「何よ!」
「落ち着けって。一体どうしたんだ?般若のような顔をして。」
「アンタもあそこにいたじゃない!」
「そういやそうだったな」
と言いながら俺は近寄っていく。
「とりあえずよ。島田」
「?」
「一旦落ち着きやがれや」
と言いながら俺は回り込んで拳銃で後頭部を殴った。
「ガッ・・・!」
と叫びながら島田が倒れていった。
「・・・よし、次」
俺は階段を上がっていった。
~明久サイド~
キャァァァァァァァァァァ・・・・・
・・・走っている途中で姫路さんの悲鳴が聞こえた気がしたが気にしないでおこう。
・・・げ、横溝君だ・・・。
「可愛いね、君。どうしたの?」
・・・・・・・・・・・泣きそうだ。
「いえ、気にしないで下さい!」
僕はそう言って走り去る。
後ろから横溝君の悲鳴が聞こえた気がした。
ギィ・・・
僕は屋上の扉を開ける。少し風が強い。
「お、明久か?」
凄く訝しそうな顔をして雄二が訊いてくる。
「雄二?」
「声どうした?」
「天龍さんに声帯変化薬飲まされた。」
「そうか」
「儂もおるぞい。」
「秀吉も・・・。一体どうしたの?」
「いや、ちょっとそのラブレターというものに興味があってのう・・・。ここで読んでくれんか?」
「いいよ、別に。どうせ減るものは無いしね。」
僕は手紙を開けると読み始める。
~しばらくして~
僕が手紙を読み終えると雄二と秀吉が苦虫でも噛み潰した様な表情になっていた。どうしたんだろう?
「マジもんだったな・・・。」
「マジもんだったぞい・・・。」
「うん、そだね・・・。」
次の瞬間、僕の持っていた手紙が誰かにとられる。
その方向を見ると少し赤いものが付着している彩樹さんがいた。
「彩樹さん?!」
「おう。・・・吉井、少し訊きたいんだが。」
「な、何かな?」
「お前は姫路のことをどう思っているんだ?」
「憧れ、かな・・・?恋心じゃないのは確かだから・・・。」
「ふ~ん、そうか。」
と言いながら彩樹さんは手紙を少し眺めるように見る。そして言った。
「これ姫路が書いてると思うんだが…。」
・・・ゑ?
「どういう事?!」
「どういう事じゃ?!天龍!」
「どういう事だ!説明してくれ!」
「・・・俺にも」
ムッツリーニはいつの間にいたの?
ジャキ(彩樹さんが拳銃を構える音)
「ちょっと静かにしろ。」
「「「「はい」」」」
拳銃を突きつけられたら黙るしかないじゃないか。
「一つ目。この手紙、紙自体にウサギが描かれているんだ。姫路の髪留めはウサギだ。ウサギに思い入れがあるんだろう。違うか?吉井明久」
「え?なんで僕に?」
「小学校の時に姫路と一緒じゃなかったか?その時に何かあったとか覚えてないのか?」
「え~と、・・・ごめん。覚えてないや。」
「それが普通だ。二つ目」
彩樹さんが指を二つ出す。ピースの形になった。
「この字体は明らかに女子だ。ただし、しかもFクラスの可能性が高い。」
「何故そう言いきれるんだ?」
「確かに疑問に思うだろう。だが、こう確信するにふさわしい決定的なものがあるんだ。」
「なんだよ」
彩樹さんは僕を指差しながら言う。
「こいつの称号を覚えてるか?」
「「「観察処分者」」」
皆、何でそこだけ息ぴったりなの?!
「それだよ。まず上位クラスはコイツを『ただの馬鹿』、『学園の恥さらし』、『問題児の中の問題児』くらいにしか思ってないだろう。そんなヤツにわざわざラブレターを渡すバカがいると思うか?」
全員首を横に振った。もう泣きたいや。
「だからだ。Fクラスに限定することが出来る。その中の女子だという事は確定的に明らか。ここで更に人物が絞られる。」
一息ついて彩樹さんは言う。
「俺とフランはまずありえない。理由はフランはそんなものに興味を示す可能性が限りなく低い・・・いや、無いからだ。俺は言わずもがなだな。次に島田もありえないと俺は見る。理由はここまで回りくどい説明書きの様なものを書く訳が無いだろうし、そもそも書けるか怪しい。よって俺には姫路しか思い当たらないんだ。どうだ?」
「そこまで見抜くか。」
「凄いのう」
「・・・探偵レベル」
「へえ・・・。」
「それに」
彩樹さんは付け足した。
「ラブレターの主は吉井と同じ小学校卒業者で、その上文月学園に入学したやつ。そして同学年か一つ上だ。更には文体が主の文章力の高さを表している。よってこの条件をすべて満たせるのは姫路瑞樹ぐらいしかいない。」
そう言うと、彩樹さんは僕に向き直った。
「で、吉井。お前はこの手紙への答えは書くつもりか?」
「うん、書くつもりだよ」
「どういう風に?」
それは・・・。
「ごめんなさい、で。」
「つまり、NOだな?」
「うん」
「何故?」
「え?だって、僕には、僕には・・・、別に好きな子がいるから。」
そう言うと皆(彩樹さんを除く)がしみじみしたような目で僕を見た。
やめて!そんな目で見ないで!
「つまり、この手紙を焼いてもいいんだな?」
「いいよ。別に」
「そうか。」
そう言うと彩樹さんはポケットからライターを取り出すと手紙に火をつけた。・・・なんでポケットの中にライターがナチュラルに入ってるのさ。
見る見るうちに燃えていく。
「綺麗だね」
「夕日がな」
僕らは夕日を見ていた。
その後、Fクラスの皆は徹夜で西村先生の補習を受けたんだとか。
次は何かな?次は何かな?
ソォイ!
・・・・オウフ。