ED:バカ・ゴー・ホーム
「皆様、お待たせしました!いよいよ決勝戦です!」
司会がそう宣言すると観客席から歓声が響いた。そして、この司会はどうやらその道に精通する人間を雇ったのだろうと選手たちは思った。
「ここまででAコートとBコートのそれぞれで戦いが繰り広げられました!そして、その中を勝ち抜いてきた両チームが、今!此処でどちらが最強か決着をつけるのです!」
更に歓声が大きくなった。
「では、登場してもらいましょう!
赤コーナー!2学年Aクラス代表の霧島翔子と!同じく2学年Fクラス代表の坂本雄二です!これは代表同士のコンビだぁ!Aコートを制して此処まで上り詰めてきたぁ!そして、あの二人は付き合っているという噂があるぞぉ!」
そう紹介された二人がリングに上がると客席がさらに盛り上がっていた。
ワアアアアアアアアア・・・・・
「続きまして、青コーナー!Bコートを制し、勝ちあがってきたチームです!2学年Aクラス代表補佐の夕張芳香と!同じく2学年Fクラス代表補佐の彩樹天龍だぁ!相手が代表コンビなのに対し、こっちは代表補佐のコンビです!」
二人がリングへ上がると、夕張は手を振って、天龍は左の拳を掲げてアピールした。
「これは今までにない対戦カードですね!」
「ええ、そもそも今までAクラスとFクラスのペアは今までありませんでしたし、それに代表と代表補佐が対戦することも前例がありませんでしたからね。」
「これは期待してもいいんですかね?!」
「はい、期待しても大丈夫だと思います。では、赤コーナーにいるリポーターの新野すみれさん!」
「・・・はい!今、私はこちらの赤コーナーにいます。では、さっそくインタビューしてみましょう!すいませ~ん」
「ん?なんだ?」
「わたくし、新聞部の新野すみれと言います!今回はインタビューさせてもらいます!」
「ああ、どうぞ」
「ズバリ、お二人は優勝は狙っていますか?!」
「もちろん、優勝を狙う」
「・・・優勝したい。」
「おお!お二人とも自信満々ですね!では、二人はお互いのことをどう思っていますか?!」
「「(・・・)将来の妻(夫)」」
客席からヒューヒューと二人を茶化す音が聞こえた。
「お熱いですねぇ~。ありがとうございました―!」
「はい、中継の新野すみれさんでした!では、青コーナーにいる井川健吾に中継してもらいましょう!井川さーん!」
「・・・はい!只今私は青コーナーにいます。では、インタビューしてみましょう!どうも~、こんにちわ~。」
「あぁ?」
「新聞部員の井川健吾です!今回はインタビューしようと此処に参りました!」
「・・・どうぞ」
「ズバリ、優勝は狙ってますか?」
「ここまで来たんだ。狙ってないわけねぇだろ。」
「狙ってるに決まってるわ」
「ハイ!では、お二人はお互いをどう思っていますか?!」
「背中を任せれる友人」
「頼りがいのある親友」
「お互い信頼し合ってるんですね!有難うございました~!」
「では、両チーム!召喚準備をお願いします!」
4人は構える。
「・・・翔子」
「・・・何?」
「優勝するぞ!」
「…うん!」
「天龍」
「あ?」
「優勝しよう」
「当たり前だ」
「では、両チーム、召喚してください!」
「「「「試験召喚獣、召喚!サモン!」」」」
魔法陣が展開され、そこから召喚獣が現れる。
2年Aクラス代表 霧島翔子 299点
2年Fクラス代表 坂本雄二 280点
日本史 VS
2年Aクラス代補 夕張芳香 270点
2年Fクラス代補 彩樹天龍 278点
「では、開始してください!」
試合のゴングが鳴らされた。次の瞬間、天龍は召喚獣を猛スピードで動かし、雄二の召喚獣に斬りかからせた。
ガキィ!
「っ・・・!」
「テメェの相手は俺だぁ、代ひょ・・・いや、坂本雄二ィ!」
「望むところだ!」
キィン
一方では夕張の召喚獣に霧島の召喚獣が斬りかかっていた。天龍はそれを横目で見て少し不思議そうな顔をしたがすぐに前を見た。
~夕張サイド~
私は代表の攻撃を防がせるとカウンターを打ち込む。手ごたえはそんなになかったようだ。
2年Aクラス代表 霧島翔子 286点
2年Fクラス代表 坂本雄二 280点
日本史 VS
2年Aクラス代補 夕張芳香 270点
2年Fクラス代補 彩樹天龍 278点
今度は連続で突きを入れてくる。上手くそれをそらしながら後ろへ下がるが、いくらかさばききれなかったものが点数を削ってきた。
私は再びカウンターを打ち込ませるとすぐに後ろへ飛ばせる。
私は横目で天龍を見る。真剣な雰囲気だった。髪のせいで表情をうまく見ることはできなかったが。
・・・私は昔を思い出した。天龍は幼馴染だ。昔はあんな性格ではなかったが。
あの頃から友達のいない私をリードしてくれた。私が迷った時は常に手を貸してくれた。
何故自分に手を貸すのか、と聞いたことがある。すると、アイツはこう答えた。
『え?人を困っているのを手助けするのに理由なんているの?』
それを聞いて、わかったことがある。
天龍は、常に全力で物事に取り組むことを。理由なんていらない。ただ、取り組めばいい。彼女はそんな考え方だった。
・・・今の彼女は昔と比べてがらりと変わってしまった。
殺気なんて昔は出していなかった。
髪なんて短くなかった。
口調も荒くなかった。
一人称も『俺』じゃなかった。
拳銃なんて持ってさえいなかった。
ただ、変わってなかったのは私を信頼していたことだった。
『背中を任せられる友人』
・・・天龍は私を信頼している。だったら、私はそれにこたえよう!私は召喚獣を殴りかからせた。
~天龍サイド~
キィン
キィン
俺は召喚獣を駆使し、代表に連撃をかます。
代表は苦そうな顔をしながらさばき切っていた。
さすがだな、代表。だが、これはどうだ!
俺は召喚獣にナイフを投げさせる。代表がそれを弾いた瞬間、一気に斬り込んだ。
シュッ
どうやら服を掠っただけのようだ。代表の召喚獣はバックステップをとっていた。
・・・少し厄介だな。
続く