バカテスと艦これと東方   作:海棠

9 / 80
バカテスト:雑学

問:自分の好きな戦車を答えよ。又、その理由を答えよ。別に理由ではなく、その戦車について知っていることでも構わない。尚、ペーパープランで終わった戦車は除外とする。






吉井明久の答え
「独逸戦車TigerⅡ(ティーガーツヴァイ)
 形状がかっこよく、当時連合軍でその装甲を貫ける戦車が無かったため、実質世界最強だったから。」


教師のコメント
 そうですか。確かに男のロマンですね。尚、映画「フューリー」では本物のティーガーⅠが使われました。





坂本雄二の答え
「ソビエト社会主義共和国連邦戦車KV-2(カーベードゥーバー)
 155mm榴弾砲を搭載していた。その破壊力のせいでドイツ軍に『ギガント』、ソ連軍からは『ドレドノード』とさえ言われた。」


教師のコメント
 この戦車は傾くと砲塔が回転させることが不可能だったようです。








第8問

放課後

 

コンコン

 

「・・・どうぞ」

ノックに対し、Aクラス代表霧島翔子が返事をする。

「失礼する」

そう言い入ってきたのは同学年Fクラス所属の彩樹天龍だ。

「座って」

と霧島は天龍をソファーに座らせる。

「ところで話って?」

と切り出してきたのはAクラス秘書木下優子である。

 

「・・・霧島さん、坂本雄二についてどう思っている?」

 

急にそんな質問をした。霧島は少しうつむき、答える。

 

「好き」

 

「え?!」

「代表、坂本君の事が好きだったの?!」

「知らなかった!」

その場にいた生徒たちが声を上げる。

「静かに」

天龍がその場を制す。素直に静かになった。

「・・・でもどうしてそんなことを聞いたの?」

霧島が皆が思っていたであろう気持ちを口にする。

「・・・あいつの為だ。」

天龍は少し淋しそうな声で言った。

「・・・え?」

霧島が疑問の声を上げる。

「聞いたんだ、代表に。霧島さんのことをどう思ってるか。」

「・・・うん。」

霧島はスカートをぎゅっと握りしめた。聞きたくない。そんな感情が彼女を支配しようとしていた。

 

「・・・好きなんだが、怖いんだとよ。」

 

霧島は少し目を見開いた。天龍を見る。天龍は少し見返した。少し優しさがこもった目だった。

「どういう事?」

と木下は尋ねる。

「聞いたんだ。直接な。」

と天龍はその時の出来事を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「霧島翔子についてどう思っている?」

俺は聞いた。

「な!急になぜそんなことを聞く!」

代表は酷く狼狽していた。普通の代表じゃあこんなことはありえない。

「聞いているんだ。」

「別に何とも思ってねぇよ!」

嘘だ。

「本当にか?」

「ああ、本当だ!」

「じゃあ、なぜそこまで大きな声を上げる?」

「ぐっ…!」

・・・。

「正直に話せ。仲間だろうが。」

「お前に俺の何が解るっていうんだよ!」

「そりゃあ解らねぇよ!お前じゃないんだから!だがなぁ!」

俺は代表に指を突きつける。

 

「お前の話を聞いて助言することはできるだろうが!」

 

代表は目を見張った。驚いたように。

「・・・解った。話そう。」

少し決心がついたような顔をし、俺に話し始めた。

 

 色々話してくれた。小学校の頃に起こった出来事やそれがキッカケで『悪鬼羅刹』とまで言われた経緯。更にはFクラスに入った理由を。

 

「此処まで話してくれた。それは良い。で、貴様は霧島さんのことを本当はどう思っている?」

 

俺は質問する。

 

「・・・好きだ。でも、怖いんだ。」

 

代表は言った。

「怖い?」

「また俺のせいで翔子が傷つくんじゃないかと考えたら、俺が辛くても離れた方が良いと思った。」

・・・今の俺みたいだな。ただ、違うのはあいつは俺が離れてからだと幸せそうに見えた事か。

「代表」

「何だ?」

「貴様は考えすぎだ。」

バカな頭をこねくり回すんじゃねぇよ。

「どういう事だ?」

「お前の言い分もわかる。大切な人を二度と傷つけたくない。だから離れた方が良いと思う。だが」

「だが?」

俺は言い切る。口から言葉を吐き出す。

 

「それで本当に大切な人を守れているのか、考えた事はないのか?」

 

代表はハッとしたように俺を見る。

 

「寧ろ、それで傷つけていたら?自分の願いとは逆の行為をしているとは思わないか?」

 

「・・・確かにそうか。」

俺は更に言う。

 

「『自分が常に傍にいて危険な時には守ってやる対象』だろ?好きな人っつうのは」

 

代表はうなだれた。

「・・・なあ、天龍。」

俺のことを「天龍」と言ったが、もう言及しないでおくことにした。

「なんだ?」

「俺でいいのだろうか?」

「別にいいだろ。喜ぶと思うぜ、きっとな。」

「…そうか」

俺は振り向きざまに言う。

「ただし、告白は試合が終わってからな。」

「・・・そうするぜ。・・・天龍」

「あ゛?」

「ありがとよ」

「礼を言われる筋合いはない」

と言いながら振り向いて見ると代表の頬には涙が伝っていた。

「・・・オイオイ。何泣いてるんだよ、らしくねぇなあ。」

「え、マジで?」

「オラ、これ。ハンカチ貸してやるから涙拭けよ。」

「ああ、済まない。」

代表の流した涙は嬉しそうな涙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 天龍が話し終えたとき、教室は静まり返っていた。

「…そんなことを思ってたんだ、坂本君。」

「ああ。だが、アイツは正直な気持ちになった。直に告白するだろう。」

「・・・でもなんで」

「ん?」

霧島は天龍に話しかける。

「何でそんなことを聞いたの?」

その疑問はもっともだ。と天龍は思った。確かに理由がないのに質問するバカはいないだろう。

「お前の為だ。」

天龍は言った。まっすぐ前を見つめていた。傷跡が痛々しかった。

「どうせならよ、ハッピーエンドで終わろうじゃねえか。お互い苦悩してたんだろ?それは本人にしかわからない。だが、第三者でも助言することぐらいはできるしな。それに」

「それに?」

 

「俺は両想いな二人が結ばれて幸せにしているのを見るのが好きだからな。」

 

ポタッ

 

霧島の頬に涙が伝り、カーペットに落ちた。

「…⁈」

「代表?!」

霧島翔子はうれしかった。自分の気持ちを肯定してくれている人が、自分の苦悩を理解してくれる人がいることを知って嬉しかった。今まで自分の気持ちを否定する人がほとんどだった。それは同級生でも例外ではなかった。親も例外ではなかった。あなたたちには関係ない!と思っても思った以上にその反応や風当たりは辛かったのだ。しかし、自分の目の前にその辛さや苦悩を理解してくれた人がいた。それだけでも嬉しかった。

「あー・・・、じゃあな。」

と天龍は面倒臭いことになったと思い、教室を飛び出していった。皆が引き留めようとしたがそれよりも早く去ってしまった。ただ、いつの間にか机におかれていたメモにはこう書かれていた。

 

『試合でこちらFクラスは9人出す予定である。そちらもそれに合わせるように。ただし、秘書は秘書と、代表補佐は代表補佐と、代表は代表と勝負すること。 以上

 

追記:霧島さん、自分の気持ちに素直になってくれ。そして全力でかかってこい。アイツも喜ぶだろう。 

 

2年Fクラス代表補佐 彩樹天龍』




彩樹天龍の答え
「独逸戦車 Ⅲ号突撃砲
 SturmgeschützⅢ。略称はStuGⅢ。WWⅡに独逸が製造した突撃砲。厳密に言えば戦車ではない(これについては後述する)が大体同じように扱われるのでここでは戦車とする。『Sd.Kfz.142』又は『142/1』が正式番号である。

 突撃砲は、WWⅡの独逸における『主力装甲戦闘車両』の一つである。当初は『歩兵戦闘を直接支援する装甲車両』として設計され、Ⅲ号戦車の車台を流用して製造された。歩兵に随伴して進撃し、敵の防御拠点を直接照準射撃で撃破することを目的としていた為、所属は戦車部隊ではなく『砲兵科』に属していた。終戦までに派生形等を含めて約10500輌が製造され、これはWWⅡで独逸が製造した装甲戦闘車両中最大の生産数である。

『戦車』と『突撃砲』の決定的な違いは機動戦の任務に用いるか否かである。
『突撃砲』は狭い射界で攻撃範囲を制限されるのに比べ、『戦車』は回転式の砲塔を持ち、全周囲に対する砲の指向を行いながらの機動が可能である。その為、目標を迂回しながら突破しつつ攻撃を仕掛けることができた。
しかし突撃砲はこの種の機動攻撃には不向きで『歩兵の支援』、『堅陣地への攻撃』、『敵戦車に対する防御戦闘』に投入された。
直接援護されることが多い歩兵の側から見れば、『陣地攻撃の支援』から『対戦車戦闘』までこなす突撃砲は常に頼もしい存在で、実際Ⅲ突が一台いるだけで歩兵達は安心できたという話がある。
大戦中期以降は歩兵の最大の脅威が『塹壕・トーチカ』から『戦車』へ変化した事から、三突もそれに倣うことになった。後期型は『長砲身75mm砲』を搭載、『対戦車砲』として運用された。前面装甲厚は8㎝に強化。砲は敵の主力戦車を1㎞以上の距離から撃破する事ができた。特に東部戦線ではソ連のT-34から歩兵を守る最強の盾として信頼され、親しまれていた。皮肉な事に東部に限らず、大戦後半の独逸は守勢に回らざるを得ない場面が多く、突撃砲の投入条件に適していたともいえる。

 突撃砲開発の発端は、エーリッヒ・フォン・マンシュタイン大佐(当時)が1935年に新生ドイツ陸軍参謀本部に配属された際、歩兵師団に直射火力を付与する為の突撃砲兵をルートヴィヒ・ベック上級大将に提案した事から始まった。1936年6月15日にダイムラー・ベンツ社は75mm砲を搭載した歩兵支援装甲車輌の開発命令を受領。
その開発する突撃砲の要求は

『①搭載砲は左右の射角を少なくとも25度は取れること』

『②乗員を保護するために上部構造の全面を装甲付きの完全密閉型』

『③車輌の高さは(当時の)ドイツ人男性の平均身長を超えないこと』

などだった。さすがに③の条件は満たせなかったが。

 ダイムラー・ベンツ社は、その時点で直近に製造されていたⅢ号戦車の車台と走行・牽架装置を利用して開発を開始。試作車の製造はアルケット社が引き継ぎ、1937年に『OシリーズStuG』としてⅢ号戦車B型をベースにした試作車5輌が製造された。これは軟鋼による上部構造を持ち、クルップ社製の『短砲身75mm砲StuK37 L/24』を搭載していた。
 1940年から量産が開始されるが、当初は単に『StuG』と呼ばれ、名称に『Ⅲ』は付いていなかった。『対歩兵の近接戦闘支援』を目的としていた初期は『短砲身75㎜StuK37 L/24と榴弾』を搭載していたが、ソ連のT-34に直面するに当り、『長砲身75㎜ StuK40 L/43(1942年春頃)』又は『75㎜ StuK40 L/48(同年秋頃)』を搭載するようになった。
 1943年、某アニメで有名な『Ⅳ号戦車』をベースにした『Ⅳ号突撃砲』が開発されると、この車輌は『Ⅲ号突撃砲』と呼ばれるようになった。『G型』からは、歩兵対策として『防盾付き7.92mm MG34』を車体上部に装備。後に『車内から遠隔操作可能タイプ』に変更されたが、生産が間に合わず未装備で前線に送られた物もあった。また後期には主砲と同軸にMG34を装備した車輌もあった。
 1944年、フィンランドは継続戦争用として、59輌のⅢ突を受領。戦闘において8輌のⅢ突が喪失、ないし行動不能に伴う乗員による遺棄処理となったが、その間に少なくとも87輌のソ連戦車を撃破している。此処でもⅢ突は信頼された。理由はフィンランド自体が防衛に徹していた為、『機動戦を得意とする戦車』よりも『防衛に徹する事が出来る突撃砲』の方が都合がよかったのだ。又車高が低いので雪さえ被せてしまえば隠す事が出来たのだろう。戦後、残存したⅢ突はフィンランド軍の主力戦車に組み入れられた。チェコスロバキアは接収し装備していたⅢ突をシリアに売却。これらは1967年の第三次中東戦争まで使われ続けた。今でもなお、多くの人に愛され続けている車両である。」


教師のコメント
 詳しすぎです。裏面にびっしり書き込まなくても。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。