かのん達が神津島に行っている間、かのん達の練習を見に行く必要が無い僕はちーちゃんはダンスの練習に
立ちあっていた。
「どう?」
「どうって言われても…ダンスは分からんって…」
「いいの、素人目に見た感想で」
「じゃ…軸がぶれてる、それもはっきりと分かるくらいに」
僕がそう言うと、ちーちゃんはその場で固まった。
「どうしたの?」
「ううん、さっき先生にも同じ事言われたから…しょーくんにも分かるんだってびっくりしちゃった…」
「そういう事」
「もしかしてだけど…しょーくん…私に隠し事してる…?」
「何の事?」
ちーちゃんは顔を近づけてきて疑うような目で見てきた。
「だって…やたら、スクールアイドルにも詳しいし…」
「それはかのん達がスクールアイドルやり始めたから見て始めただけだし…」
「それにサニパの2人に誘われたし…」
「本当になんでなんだろうね」
ちーちゃんに隠すのもかなり難しい所まで来てる…
「本当はしょーくんがSKSって人なんじゃないの?」
「まさか…ネットで仲良くしてもらってるだけだよ」
「ふ~ん…」
その時、レッスン室のドアが開いた。
入ってきたのは葉月さんだった。
「澁谷さん達は一緒ではないのですね」
「かのんちゃん達はイベントがあって、今こっちにはいないんだ」
「いいんですか? それで」
「え?」
「スクールアイドルにずっと関わっていくような事をおっしゃっていたので」
「心配してくれてるんだ?」
「そういう訳ではありませんが…」
「大丈夫! ケンカした訳じゃないよ!」
その時、ちーちゃんの鞄から何か紙が出てきた。
「あ…」
「見た?」
「い、いえ…何をですか?」
「何でもない…」
「それじゃ…ピアノ弾きに戻るね」
「あっ…うん…」
最近、ちーちゃんの様子がおかしいような気がする。
ダンス大会が近づいてきているから、緊張から来る物かと思ったがそうでもなさそうだし…
「本当に言ってるの?」
「はい…元々そういう気持ちでいましたから」
「けど…そしたら音楽科に居る意味が…」
「はい!その事を理事長に言ったら転科を進められました」
「そう…」
音楽室で音楽の先生に今回のコンクールでコンクールに出るのは最後にすると言った。
理事長には事前に伝えてある。
そしたら
「あの子達のサポートしたいって事でいいのかしら?」
「そういう事です」
「ピアニストを目指してたのでは?」
「はい。それは事実です。ですがあの子達の頑張る姿を見てると支えてあげたいと思いまして」
「分かりました。後悔はしないですか?」
「はい!元々このコンクールで最後にするって決めてましたから。結果はどうであっても」
「分かりました。こちらでも普通科に転科の準備を進めておきます」
「ありがとうございます」
そう言って理事長室を後にする。
今回のピアノコンクールに出るのは最後になる。
これからみんなの事を支える事を決心した。
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ピアノコンクール当日。ダンス大会を次の日に控える中、ちーちゃんがやってきてくれた。
「しょーくん、最後のコンクール頑張ってきて」
「うん、頑張ってくるよ」
ちーちゃんには最後のコンクールって事を話した。
ピアノから一旦離れる以上、金賞という結果を残してけりを付けないといけない。
みんなの為にも、僕の為にも
結果としては金賞を貰う事が出来た。
「おめでとう金賞」
「ありがと、ちーちゃん。これでね」
「そっか…しょーくんのピアノ聞けるの一旦終わりかぁ…」
ちーちゃんにはこのコンクールでピアノを一時的に終わることは話している。
彼女からもダンスで優勝出来たらスクールアイドルに専念したいという話も聞いた。
「そうだね。次、ここで弾けるのはいつになるんだろう」
そう言って、会場を見る。
「そんな遠くないと思うよ私は」
「ありがと、やっぱりちーちゃんの事好きだわ」
「えっ?」
「あっ…今の告白じゃないからね」
「うん…分かってるよ」
あぶねぇ…いや…危ないどころかもう言ってしまってるけど、なんとかごまかす事は出来たのか…?」
「とりあえず、明日のダンス大会頑張ってね」
「うん…頑張るよ」