天才ピアニストとスクールアイドル   作:桜紅月音

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大会と告白

 

「遂に本番だね」

 

「うん…かのんちゃんの為にもしょーくんの為にも頑張る」

 

一夜明けて、ちーちゃんのダンス大会の日がやってきた

僕はちーちゃんと会って話していた。

 

昨日のコンクールではちーちゃんのおかげで緊張しなかった。

今日は僕の番。

 

「かのんちゃんから連絡来ないの?」

 

「うん…」

 

「かのんの事だからこっちに来てたりするかもよ」

 

「あはは…流石にね…」

 

ちーちゃんと話をしていると、ちーちゃんの顔が変わった。

 

「かのんちゃん…」

 

ちーちゃんがそう言ったので、背後を向くとこっちに向かって走ってくるかのんの姿が見えた。

 

「やっぱり来たね」

 

僕がそう呟くように言った言葉はちーちゃんには届いてなかった。

   

「かのんちゃん!」

   

「どうして?」

 

「来ちゃった…なんか、電話で話してた時、変だなって思って…」

    

「なんか、ちぃちゃん、すごい不安なんじゃないかって…勘違いかもしれないけど」

    

「あ、私が伝えたかったのは一つだけ。私、いつも、ちぃちゃんの事尊敬してる。真面目に頑張って、少しダメでも、めげたり落ち込んだりしないし。だから…」

    

「やっぱりダメだな…」

 

「え?」

   

「1人で頑張らなきゃいけないのに…自分で自分に自信持てるまで、かのんちゃんがいない所で、1人でやろうと思ったのに…」

 

「ちぃちゃん…」

    

「かのんちゃんが来てくれた時、やっぱりホッとしちゃった…かのんちゃんは悪くないよ! 悪いのは、弱い私…」

   

「かのんちゃんに頼らないって! 今日ここで、かのんちゃんのできない事をできる自分になるんだって!」

 

「ちぃちゃん…」

    

「こう見えて私、負けず嫌いなんだ…」

   

「だったら、私も思ってた。ちぃちゃんに助けてもらってばっかりだって。」

 

「え?」

   

「歌えなかった時、失敗した時、いつも、ちぃちゃんが助けてくれた!」

 

「それは、かのんちゃんがいたから…」

   

「じゃあ、2人一緒だね!」

 

「え?」

   

「2人とも頑張ってきた…お互いがお互いを見て、お互いを大切に思って…」

   

「私ね、あの時、本当に感激したの! 全身が震えた!」

   

「私、かのんちゃんのできない事をできるようになる! かのんちゃんの歌みたいに、大好きで夢中になれるもの! 私も持てるように頑張る!」

    

「なんて、カッコ良いんだろうって…私も、ちぃちゃんの事、見習わなきゃって…マネできないくらい歌えるようにならなきゃって!」

   

「ありがとう。あの言葉があったから。私、今こうして、歌っていられる…」

 

「良かったねちーちゃん」

 

「うん」

 

「しょーくんもありがとう、ちぃちゃんのそばに居てくれて」

 

「いいって、僕も昨日は助けて貰ったし」

 

「そうだよ。しょーくんもピアノコンクールで金賞だったんだから」

 

「おめでとう!」

 

「ありがと。それよりもちーちゃん行かないと」

 

「あっ!本当だ!」

 

「それじゃ!三人でいつものやろ!」

 

かのんが手をピースにしてそう言った。

 

「オッケー」

 

「ういっす!」

 

「ういっす!」

 

『ういーっす!』

 

 

その後、ちーちゃんはダンス大会を見事優勝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

「はぁ…なんで今船に乗ってるんだ僕…」

 

「コンクールで金賞取ったらコンクール出るの辞めてかのんちゃん達を支えるって言ったのは誰?」

 

「…僕だけど…」

 

ちーちゃんのダンス大会が終わって、かのんとちーちゃんに乗せられるがまま、次の日、始発便の神津島行の船に乗っていた。

展望デッキから夕陽によってオレンジ色に染まる海を眺めていた僕にちーちゃんが隣にやってきてそう話かけてきたのだ。

 

「それなら付いてこないとだめでしょ」

 

「そうなんだけど…」

 

「それに私、しょーくんに言いたい事があって」

 

「うん」

 

その時のちーちゃんの頬は紅く染まっていた。

 

「私の事どう思ってる?」

 

「そうだね。大事なって言って良いのかな。とっても大事な人だよ」

 

「そうなんだ」

 

「どうしたの?最近ずっと様子おかしいけど」

 

「えっ?そんな事ないよ!」

 

「その慌てぶりは何かあると思われるよ?」

 

「本当に何もないんだって」

 

「本当にそうならいいんだけどね」

 

そう言って、ちーちゃんの方を向いていた顔を再び海の方へと向けた。

その時、ちーちゃんに背中を叩かれてちーちゃんの方を向くと。ちーちゃんの顔…頬が赤く染まっていた。

 

「しょーくん…」

 

「何?」

 

「私は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しょーくんの事が好き」

 

 

 

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