「村上君は生徒会長に立候補しないの?」
教室に入り、自分の席を見つけて座ると声をかけたきたのはナナミちゃんだった。
「みんなからそう言われるけど…立候補する気はないかな…」
「へぇ~あんたなら立候補すると思ってたのに」
「そういうすみーはどうするの?」
「ふん、私はする気でいるわよ」
まぁ…すみーはそういうと思っていたけど…
っていうか、あっちはあっちで大変だなぁ…と思って、かのんの方を見る。
「できマシタ!」
「ん?」
「何で平仮名?」
「調べてみたら、名前を平仮名にするのは日本の選挙の基本と書いてありマシタので!」
「選挙って?」
「まさか、かのん、忘れたのデスか! 今さっき見たばかりデスよ!」
「それは覚えてる…何で私の名前が書いてあるの?」
可可ちゃんの手にはかのんの名前が書かれた立候補紙があった。
「もちろん、かのんが立候補するからデス!」
「あー…」
「アカウントも作りましたので、立候補にあたっての動画を撮影シマス!」
「いー」
「さあ、このタスキを!」
そう言って可可ちゃんはかのんにタスキを渡そうとしたのだが…かのんは逃走を図った。
これで静かな教室になる…かと思われた
「あっ!かのんが逃げた!」
「しょーくん!追いかけるよ」
ちーちゃんが僕の所までやってきて、無理やりに椅子から立たされて引っ張られていかれた場所は部室の前だった。
到着すると。締めようとするかのんとそれを開けようとする可可ちゃんの姿があった。
「かのん! かのん! 開けてくだサイ!」
「嫌だ! 絶対に出ない!」
お互いに強い力で引っ張りあってるし、本当にドア壊れるって…
「かのんちゃん。とりあえず話そ。話せば分かるから。」
「ちぃちゃんも賛成なの!?」
「賛成というか…」
「スクールアイドルのためデス! 今立候補を表明しているのは、恋という人だけデス…あの人が生徒会長になったら、スクールアイドルはいよいよマズイです!」
「それに、生徒会長は普通科の生徒がなった方がいいって声も多いんだよ?」
「だったら、ちぃちゃんか可可ちゃん、しょーくんが立候補してもいいでしょ!」
「えっ?僕?」
かのんの口から僕の名前が出てくると思ってなくてびっくりした。
「そうじゃん!かのんちゃんじゃなくてしょーくんが立候補すればいいじゃん」
「そうデス!しょーくんなら勝ち目がありますよ」
「なんで?」
さっきまでかのんにあそこまで言っていたのに、次は僕か…
「はぁ…」
ため息を吐いて、僕はすみーに近づくと
「僕よりもやりたい子は居るって事」
と言ってすみーを差し出す。
「しょうがないわねったらしょうがないわね。フフフ…」
「ショウビジネスの世界に生きてきたこの私が、その力を発揮して…」
「かのん、お願いシマス!」
「かのんちゃん!」
「嫌だー!」
「ギャラクシー!」
しかし、2人はすみーを相手する事は無く、かのんの方を向いてしまった。
「スクールアイドルを続ける身として、この平安名すみれが…」
「かのん!」
「見なさい!」
「どちら様デスか?」
「知ってるでしょ!」
「あれ? えーっと…す、す、なんとかさん?」
「すみれったらすみれよ! す、み、れ!」
と言っていつの間にか付けていたタスキを指さしながら言う
「メンバーの名前忘れてどうするの!」
「すみません…新入りなもので…」
いやいや…新入りと言っても随分と一緒に居る時間は多いよねちーちゃん…
「まあ、いいわ。生徒会長選挙と聞いて、正直それほど気は進まないけれど…」
「なら結構デス。間に合ってマス。おととい来やがれ。身の程わきまえろデス。」
「何、さらっと酷い事言って…」
「どこで覚えてきたのよ…」
可可ちゃんから飛び出した言葉にびっくりしながら可可ちゃんに聞く。
そんな僕と可可ちゃんを置いておいて、飛び出したかのんはすみーに抱き着いて
「すみれちゃん!」
「ありがとう! 全力で応援するから!」
「ええ…」
『えー…』
「えーって言うな!」
その後、立候補が締め切られ、すみーと葉月さんの2人から選挙で生徒会長を選ぶ事になった。