天才ピアニストとスクールアイドル   作:桜紅月音

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宝物

 

-部室-

 

「どうしよう…」

 

「思ったよりも複雑になってるね…」

 

「そりゃそうよ。元々みんな感じてたからね。音楽科と普通科の溝」

 

すみーが言う通り、音楽科と普通科の溝はただでさえ大きかったのに、最近でもっと深くなっていた。

 

「でも、どちらも譲歩しそうにありません」

 

「だよね…」

 

可可ちゃんとかのんがそう話すと、思ってもいない人物がやってきた。

 

「すみません。私のせいです」

 

「葉月さん」

 

そう葉月さんがやってきたのである。

 

「音楽科の子に聞きました。貴方達が話をしにきたって」

 

「うん…出来る事がないかって、葉月さんの家の事は何も話してないから」

 

「私の発言のせいで皆さんを困らせてしまいました…」

 

「って事は後悔してるって事?」

 

「はい…先程理事長にも呼び出されました…」

 

ここまで事が大きくなっていると、理事長の耳にも話は入ってても不思議ではないか…

そして、理事長先生曰く、明日の全校集会で話し合い、話がまとまらなければ、学園祭は中止になるとの事

 

「母と同級生だった理事長ですが、私に何か思う所があるみたいで…」

 

「今からでも間に合うよ。普通科と音楽科一緒にやろうって話そう」

 

かのんが葉月さんに対してそう聞くけど、葉月さんは何か思う事があるようだった。

 

「まだ何かあるの?」

 

「そうだよ、全校集会で葉月さんが話せばまとまると思う」

 

「もちろんそうしたいのですが…ただ、スクールアイドルは…」

 

葉月さんは小さい声でそう言うと、かのんの前まで行くと

 

「スクールアイドルだけは、やめてほしいのです!」

 

「え?」

   

「この学校で、活動しないでほしい…」

 

「理由を教えてくれる?」

 

「かつて、ここには、学校を廃校から救うためにアイドル活動をする生徒がいました。それが、私の母です。」

    

「だから、この部屋には、学校アイドル部のプレートが…」

 

「まだスクールアイドルという言葉が生まれるずっと前の事。母達の活動は評判になり、注目を集めました。でも、目標は叶わず、学校は廃校に…だから、私は、母が新たに創ったこの学校で、スクールアイドルを始めようと思っていました」

 

葉月さんがそう言うと、みんなが驚いた、

もちろん僕もだけど…

 

「母が願ったスクールアイドル活動で、学校を盛り上げようと…」

 

「あんなに嫌がってましたデスのに!?」

 

「ですが…」

 

「じゃあ一緒にやろうよ!」

   

「それこそ、私達で力を合わせれば…」

 

「何も残っていないのです…いくら探しても…」

   

「スクールアイドル活動の記録だけ残っていないのです…他の学校生活の記録は残っているのに、学校でアイドル活動をした、その記録だけがどこにもない…」

    

    

「それで思ったのです…もしかしたら、母は後悔していたのではないか。スクールアイドルでは学校を救えないと、感じていたのではないかと…」

   

「そんな…」

 

「そう決まった訳ではないデス!」

   

「なら、どうしてないのです? 大切な思い出の写真一枚残っていないなんて、あると思いますか?」

 

 

 

 

 

 

 

*******

 

その日、かのんの家に集まって話をしていた。

 

「どう思う?」

 

「あの人の気持ちは分かりますが、だからといってスクールアイドルを禁止にするのはやっぱり酷すぎると思います」

 

「少なくとも私らには関係ない事だもんね」

 

すみーの言葉を聞き、ちーちゃんはかのんに問いをかけた

 

「かのんちゃんは?」

 

「私、スクールアイドル活動を後悔していたようにはどうしても思えない。葉月さんの家で見たあのお母さんの笑顔は物凄くキラキラしていた」

 

「うん、僕もそう思う」

 

「しょーくん…」

 

「だから、私、確かめたい」

 

次の日、かのんは理事長先生の元に向かい、葉月さんのお母さんが居た神宮音楽学校の記録を見させてほしいと、理事長にお願いしに行った。

 

みんなが必死に探す中、僕はなんとなくだけど、ここにある気がして部室の物置を探していた。

 

「…あった…」

 

すると、宝箱みたいな物を発見した。

 

僕が発見したと同時にかのんが部室にやってきた。

 

「最初この部室に来た時、何があったっけ?」

 

「特には…」

 

「しょーくん」

 

「かのん、お探しの物はこれ?」

 

と言って、宝箱を指す

 

「これ…もしかして…」

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