「この機械で配信をするのですね」
「ここまではする必要はないよ…スマホでも全然出来るし」
簡単なライブならスマホでも全然問題ないけど、かのんがどうしても良い画質でやりたりと言いだすからこうなった。それこそスマホでも良かったと思うんだけど…
「というより…ちぃちゃん、出来るの凄いね」
「へへへ~しょーくんに一から教えて貰ったんだ~」
と言いながらちーちゃんは僕が教えた通りに繋いでいく。
しばらくすれば、いつでも配信が出来る状態までやってきていた。
「動作確認もオッケーだから…いつでも始めれるよ」
「じゃあ、いくよ!」
「え…え…あ…」
「あ、あの、私、結ヶ丘女子高等学校の生徒会長をしております、葉月恋と申します!」
「えーと、この度は、スクールアイドルとしてラブライブ…ん?」
恋は隣に置いてあるパソコンを見て恥ずかしかっていた。
「何ですか、これは!?」
「恋ちゃんを見た人がメッセージくれてるんだよ。何か答えてみたら?」
「ええ!? 可愛い…美人ですね…髪型素敵!?」
「もう! こんなの断りもなく始めないで下さい!」
「お試しだよ、お試し!」
「すぐ切って下さい!」
「ええ…」
いきなり一人でやるのは恥ずかしかったかな…
という訳で部員みんなで出る事になったのだが…僕も出ていいの…
「じゃあ、準備はいい? 何言うか、ちゃんと決めた?」
「大丈夫だよ!」
「最初から、こうして準備させてくれればいいのです!」
「はーい。じゃあ、いくよ!」
ちょっと待て…なんでかのんはそっちに居るんだ…
「待って下さい。」
「え?」
「かのんさん、あなたは? 映らないのですか?」
「私は…撮影?」
「撮影? ずるいですよ。私達だけに押しつけて」
「その通りデス!」
「うんうん!」
「なんで僕がこっちに居るのにかのんはそっちに居るの…」
「えぇ…ダメ?」
「うん、かのんはこっちに居ないといけない人でしょ」
「そうそう」
と言ってかのんは渋々ではあるが、こっちにやってきて
「それじゃ、やるよ~」
と僕の一言で配信を始めた。
『こんにちは! 私達、結ヶ丘スクールアイドルです!』
「では、まず自己紹介から!」
「え!?」
「わ、私達は、結ヶ丘でス、スクールアイドルの…」
「恥ずかしいから、やめよっか…」
「どの口が言うのですか!? この口が言うのですか!?」
あーかのんと恋が何か始めちゃったよ…
その後、すもれはグソクムシをやり始めたり、ちーちゃんは丸しか言わないしで大変だった。
「えっと…マネージャーの頌樹です、こんなメンバーですけど…応援して貰えると嬉しいです」
と言って配信を閉じようとしたんだけど
『ピアノコンクールで金賞取った事ありますか?』
というコメントが目に入ってしまい
「はい、一応ピアノコンクールで金賞取った事ありますよ」
と言った所、コメント欄が加速した。
背後ではドタバタする音が凄く聞こえてくる
『作曲はマネージャーさんが?』
「はい、今までの曲は概ねそうですね。歌詞はあそこで抓られてる子が書きましたよ」
『良い曲でした。これからも応援してます』
「はい、こちらこそ見て頂きありがとうございます。これからもお願いしますね」
とだけ言って配信を閉じた。
目に見えない疲れがドッと来たのが分かる。
「ふぅ…久しぶりに疲れたぁ~」
「しょーくんお疲れ様~」
と言ってちーちゃんが飲み物を渡してくれる。
「サンキューちーちゃん」
「それにしてもいいねが凄い事になってるわね…」
「これも頌樹さんのおかげでしょうか」
「いいや、かのんと恋のやり取り辺りから増えてるよ」
「って、そんなので『いいね」もらっても、嬉しくなーい!」
結局、この日は何もできず。
ただ、かのん達のグループは面白いというのがネットで広まり、僕の方が有名になってしまった。
ピアノコンクールで金賞取ったって言ったら名前くらいは分かってしまうか…
それはさておき、グループ名はともかく、明日からはちゃんと練習をやろうと、ちーちゃんはまとめて、歌の方だが…かのんは、曲ができたら歌詞を考えようと思っていて、それに対して恋は、歌詞ができたら曲を作るつもりでいて、まったく進んでいなかった。
-その日の夜-
「作曲が全くと言って進んでないのはかなりやばい気がするんだけど…2人大丈夫かな…」
「それなんだよね…曲や振り付けが決まっていないから体力作りしか出来ないよ~」
僕の部屋で、僕のベットに横たわっているちーちゃんがそう言っていた。
「それにしても…しょーくん、眼鏡なんてしてた?」
「これ?パソコンを使う機会が増えたから買ったんだよね」
所謂、ブルーカット眼鏡という物である。
「似合ってるよ」
「ありがと、所で…なんでここで寝ようとしてるの?」
「だって…最近、しょーくん…私に構ってくれないだもん」
「それで一緒に寝たい…とか?」
「うん!」
「仕方ないなぁ~」
その日の夜はちーちゃんと抱き合って一緒に寝るのだった。