そして、翌日、かのん達はひたすら体力作りをする事になった
曲や振り付けが決まってないから仕方ないけど
だが、その練習もグダグダになっていた…
「こんなので本当に間に合うのデスか?」
「それは…」
『じー…』
みんなの視線はかのんに向かっていた。
「分かってる! 分かってるよ! でも、このグループと学校を代表するような曲って言われると、なかなか…」
「そんな難しく考えなくてもいいんじゃないかな?」
「そうデス! この5人を見て感じた事を、そのまま歌にすれば良いのデスよ!」
「じゃあ、聞くけど、可可ちゃんは、この5人を見て何を感じる?」
「そうですね…最強とか、最高とか、エクセレントとか!」
「…ではないかもしれません…」
「ほら!」
「そんなのギャラクシーに決まってるったら決まってるでしょ?」
「それはない」
「ええ!?」
「私は、マルだと思うけどな…名前もマルマルサークルなんだし!」
「その名前は拒否されました」
悪くはないんだけど…グループ名にするかと言われると…
みんな良い発案が出てこず、拒否するばかりだった。
「じゃあ、何だというんデスか!?」
「それは…」
「ほら。みんなだってそうでしょ? 難しいんだよ。この5人ってバラバラだし、最初から何か目的を持って集まった訳でもないし」
「まあ、それは分かりますが…」
「でも、エントリー期限まで、あと少ししかないんだよ?」
「まさか諦めるの?」
「そんな訳ありマスか!」
グループ名が決まらずに参加しませんとか聞いた事ない…。
それだけは避けないといけないよなぁ
「こうなったら…」
「なったら?」
「なったら…」
なんか嫌な予感がする。
******
「これって…」
「ジャパニーズ缶詰めデス。完成するまで帰れマセンので!」
「え!?」
「うう…ずるいよ…私にばっかり押しつけて…」
葉月さんの家に閉じ込める事だった。
かのんの言う通り、押し付ける形になってしまった。
「それじゃ、僕は帰るわ」
と言って帰ろうとしたのだが
「かのんを監視するのは頌樹の仕事でしょ」
すみーに捕まり、何故か僕まで缶詰めにされてしまった。
「歌詞、思いつかないよなぁ…」
「うん…」
真っ白なページを見ているかのんはそう頷く。
「歌詞が無いと曲が出来ないっていう恋も気持ちも分かるし、かのんの気持ちもよく分かるよ」
「でも…全然思いつかないんだよ…」
と言ったかのんは、この部屋のベットにあった大きなベットが目に入ったのか
「うわー! すごーい! 大きなベッド!」
「とおー!」
「ふわふわだー! こんなベッドに一度寝てみたかったんだ!」
「ゴロリン! すやー…」
「かのん…寝たら…」
「かのんちゃん」
「え!?」
「歌はできた!?」
「ちぃちゃん!? 可可ちゃん!?」
「どうやら…」
「監視が必要なようですね…」
「ごめん…かのんを止める事が出来なかった…」
「しょーくんは悪くないよ」
「そうそう、かのんが勝手にやったんでしょ」
「酷い!」
これに関しては、かのんに同情する。
『じー…』
「あの…その…」
「何デスか?」
みんなの視線がかのんに向かっていた。
今日だけで何回見たんだろう…この光景…
「あー! マルマルギャラクシーが!」
かのんはそう言ってこの部屋から逃走した。
『ええ!?』
なんでそれでみんなも騙されるのか…
その後、みんなでかのんを追いかける逃走劇が始まった。
「うわっ! いやあああああ!」
みんなから遅れて、かのんの場所に行くと。そこにはチビに襲われていたかのんの姿があった。
そして、かのんは曲を思いついたと言ったのでこの時は解散となったのだが…次の日
「あなた、昨日…」
「思い付いたから、もう大丈夫! あとは家で書いてくるから!」
「…って言ってなかったっけ?」
「いや、でも、そうでもしないと帰れそうもなかったから…」
「嘘をついたのデスか!? それでは、このグソクムシと同じデス!」
「さらっと言うな!」
クラスメイト達も、かのん達5人に、これといったイメージが湧かなかったようで、募集箱にも何も入って居なかった。
「そろそろ決めないと…期限が来るよね…」
「最初、しょーくんってなんて言ってたっけ?」
「え?何の話?」
「ほら、グループ名をみんなで出し合った時にさ、何か言ってたじゃん」
「あー結ヶ丘だから、結ヶ丘に因んだ名前にしたいよねって話?」
「そう!それ!」
「その感じだと何か思いついたんだね」
「うん!みんな、今日、私、練習休む」
「急ですね」
「何かね、今聞いてて、浮かびそうな気がしたの…」
「作詞デスカ? それともグループ名?」
「分からないけど…でも…」
「全部!」
「全部?」
「うん! なんか、この5人が何なのか、分かった気がした!」
「かのんちゃん!」
「ん?」
「頼ってばかりでごめん…」
「ううん。私の方こそ時間かかってごめん…でも、やっと見つかった気がする!」
「その顔は大丈夫そうだね!」
ちーちゃんが言う通り、かのんの表情はもう心配なかった。
「では、可可達は練習デス! まずはランニングから! ついてくるデス!」
「すぐバテるくせに!」
次の日、かのんは歌詞が出来たという事で歌詞をみんなで見た。
「どうかな?」
「すっごくいいよ!」
「今の私達をとてもよく表している歌詞だと思います!」
「うん、とっても良い歌詞」
「ありがとう! それでね、グループ名も思い付いたんだ!」
そう言ってかのんはホワイトボードに
『Liella!』と書いた。
「リエラ、ですか?」
「うん! フランス語で『結ぶ』って意味の言葉から作ってみたの!」
「結からって事か」
「そう、それに恋ちゃんのお母さんって、学校を通して1つに結ばれるって想いから『結ヶ丘』って名付けたでしょ?」
「ええ」
「私達もそれと同じで、スクールアイドルを通して、色んな色の光で結ばれていくといいなって思ったんだ!」
「光か!」
「赤だったり、青だったり、緑だったり、繋がったり、結ばれていく中で、私達自身想像しないような色んな色の光になっていく…」
「それは、まだ何色でもない私達だからできる事、始まったばかりのこの学校だからできる事」
「私達だから」
「悪くないんじゃない?Liella!」
「Liella!」
「Liella!」
「Liella!」
「Liella!」
みんなでリエラの名前を呼ぶ。
「さあ! そうと決まれば!」
そう言って可可ちゃんは部室を飛び出し、屋上へと走り出し、横断幕を広げた。
可可ちゃんだけ…かのんから聞いてたのか…
「結ヶ丘スクールアイドル! Liella!デース!」
「だから大き過ぎるっていうの!」
「このくらいでいいよ! どんどん有名になっていかなきゃだし!」
「勝たないといけませんね!」
「うん!」
「それでは、皆さん! エントリーしマスよ! 私達の名は?」
『Liella!』