「すみー練習頑張ってるね」
「頌樹…」
夜、すみーの事が気になった僕は、すみーに会いに来ていた。
もちろん、事前に連絡はしてある。
「いいの?千砂都に黙って来て」
「大丈夫だって、すみーの方が心配だからね僕は」
「…」
「今までの事があって、自身がない感じ?」
「頌樹も知ってると思うけど…今まで脇役しかやって来なかったのよ…そんな私がセンターなんて務まる訳ないでしょ」
「僕はそうは思わないよ」
「えっ?」
「確かに、すみーは今までメインでやる事は無かったよ。けど、ダンスも上手いし、スタミナだってある。それに、今回のラップだって出来てるでしょ」
「…けど…」
「すみーが頑張って努力をしているのは、僕だって知ってるよ。それが報われない所も含めて」
「…」
「けど、みんながすみーがセンターをやって欲しいって言ってるんだから、今回はやってみない?僕は必ず大丈夫だと信じてるから」
「頌樹…」
「これ以上は何を言えば分からないから…僕はそれだけを言いに来ただけだから、それじゃあ、練習頑張って」
「…ありがと…」
「うん」
僕は、すみーに手を振って神社を後にする。
近くに可可ちゃんも居るのも見えたし、後は可可ちゃんにすみーの姿を見て、何か良い方向に向かってくれたらいいのだが…
******
「オーラの無いあなたでも、センターで戦えるよう他の人とは少し形は変えてやりました」
次の日、なんと可可ちゃんは衣装を作り上げていた。
すみーを練習を見て、何かを感じ取ってくれたらいいなと思っていたけど、ここまでとは思っていなかった。
「学校内のみんなの意見も聞いてみたいから、衣装を着て練習を動画に撮ろう」
と提案するちーちゃんとかのん。
2人に言われるがまま、早速衣装を着るすみー。しかし表情が固く、どこか不安げだった。
そして、衣装に身を包んだすみーが僕達の前までやってきた。
「似合ってるよ! すみれちゃん!」
「本当に綺麗です!」
「さすが可可ちゃん!」
「ク、可可は別に…」
「可可ちゃん…素直になろうよ…」
「頌樹は黙ってください」
「えぇ…」
可可ちゃんからそんな言葉が飛んでくるとは思ってなかったなぁ…
「では、いきますよ!」
「ミュージック!」
『スタート!』
彼女達の声に合わせて、僕はかのん達のダンスを見ながら撮影を行う。
「は~い、そこまで!」
僕の声でみんなは息をあげて休憩を行う。
「どう?」
「ちょっと確認してみる」
僕に寄りかかるようにしてやってきたちーちゃんの問いに答えながら動画を確認する。
特に変な所もなかったし、
「うん、特に気になる所は無かったし、このまま投稿しても問題無いと思う」
「そっかーありがとしょー君」
「うん、ちーちゃんもしっかりと休んで」
「分かった」
そう言って、ちーちゃんは僕から離れて水筒を取りに行った。
そして、編集をして、動画サイトに撮影した動画を投稿した。
しかし…
「センターは違う人の方が良い…かぁ…」
「友達に聞いてもみんな同じ意見」
「そうかぁ…」
かのんとちーちゃんとベンチに座ってコメント欄を確認して話し合っていた。
投稿した動画には、『良い曲だけど、センターは違う人の方が良い』というコメントが多かった。
「気負い過ぎちゃってて、ちょっと……」
「予選突破を考えたら、変えるのも手かな」
「けど…」
「どうしたらいいと思う?」
「そんなの決まってるでしょ」
三人で悩んでいると、すみーがやってきた。
「すみれちゃん…」
「この学校のスクールアイドルなんだから、みんなの意見に従うのが当然でしょ」
「でも…」
「そもそも、ショウビジネスの世界を歩いてきた私がラブライブなんていう素人の大会の予選くらいでセンターやるのはおかしいって思ってたの」
「私の出番は、決勝に取っておくわ…」
「すみれちゃん! 待って!」
「すみー!」
かのんと僕がすみーの事を止めようとするが、すみーは止まる事は無なかったが、すみーの先には可可ちゃんが経立っていた。
「何逃げようとしてるデスか!」
「え?」
「可可は反対デス! 一度決めた以上、あなたがセンターをやるべきデス!」
「はあ?」
「聞こえなかったのデスか! 衣装も作ったのデスよ! 誰が何と言おうと、関係ありマセン! センターをやるべきデス!」
「可可ちゃん…」
「無理よ…」
「え…」
「そんな事言っても分かってるの! どうせ最後はいつも私じゃなくなるんだから!」
「すみれちゃん!」
すみーは僕達の前から走り去っていってしまった。