天才ピアニストとスクールアイドル   作:桜紅月音

29 / 31
You Gotta Quintet

 

-後日-

 

「可可ちゃん…今回の課題はなんだと思う?」

 

「分かりません…デスが勝つしかないデス」

 

「だよね」

 

可可ちゃんと2人で部室で東京大会の課題の発表を待っていた。

課題に何がこようが、出来る事は勝つしかないのだ。

 

「あっ。可可ちゃん!来たよ」

 

そして、発表を見るや否、

 

「あわわわ…大変です!」

 

と言って可可ちゃんは部室を飛び出していった。

僕も可可ちゃんを追いかけて、屋上に向かった。

 

 

-同じ頃の屋上-

 

「今回も難しいダンスだねぇ…」

 

「東京大会でのライブだよ、引けを取らないようにって、しょー君と気合を入れて作ったんだ」

 

「勝てるかな…」

 

「私は十分可能性あると思うこのメンバーなら」

 

「大変です!」

 

「練習始まっているわよ!」

 

「東京大会の課題が発表されました」

 

「課題!?」

 

可可ちゃんはスマホを操作して、動画を再生する。

 

課題は『独唱』

 

「また難しいお題ねぇ…」

 

「純粋な歌唱力が試されますね」

 

「そうだよね…」

 

そう言ったかのんにみんなの視線が向かった。

そして、みんなの視線を感じ取ったかのんは挙動不審に陥った。

 

「異論を唱える人なんて居ませんよ」

 

「ええ!?」

 

「かのんさんで決まりですね」

 

「違う課題ならやってあげても良かったんだけど」

 

「でも…」

 

「Liella!が始まったのは、かのんちゃんがあの時歌ったから。可可ちゃんの思いに応えたから」

 

ちーちゃんはそう言って、かのんの手を取る。

    

「ちぃちゃん…」

 

「かのんちゃん以外いないよ!」

 

そう言ったちーちゃんの手をかのんは取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

*******

 

「よかったですネ。かのんはちゃんと歌えましたし、独唱なら歌唱力を一番活かせますし!」

 

「うん」

 

「何か?」

 

「これはぁ~!」

 

そう言っている可可ちゃんが持っているたこ焼きは、餅が凄く伸びていて、6個が繋がっていた。

いや…餅を入れただけでは、こうはならないと思うのだが…

 

「えへへ、ちょっと餅入れすぎちゃった。失敗、失敗」

 

「平気です!食べちゃえば一緒ですから!」

 

そう言って、可可ちゃんは食べようとしたが、熱くてうせていた。

 

「大丈夫?可可ちゃん…」

 

と言って、ペットボトルのお水を渡す。

 

「ありがとうございます…」

 

と言って水を飲む可可ちゃん。

すると、ちーちゃんが大声を出した。

 

「やっぱりダメだよ! このままは良くないよ!」

 

 

 

 

 

*******

 

ちーちゃんのバイトが終わり、場所を変えてさっきの話の続きをしていた。

 

「可可達が居たから?」

 

「うん、かのんちゃんが歌えているのはみんなが一緒だからだと思う」

 

「そうでしょうか」

 

「可可ちゃんと2人でステージに立った時、かのんちゃん、何て言ってた?」

 

「確か、歌える! 1人じゃないから!と…」

 

「やっぱり…」

    

「その後のライブも、この前の小学校の時もそう。かのんちゃん、みんながいるから、1人じゃないって思えるから、歌えるんだと思う…」

 

「それもそうかも…僕が小学校に行かないって言った時、一緒に来てって言ってきたから…」

   

「それは良くない事なのデスか? 仲間がいるから歌えるって、素敵な事だと思いマスけど…」

    

「私もそう思ってた。でもね、それって本当に歌える事になるのかな? ずっと今みたいな不安は消えないんじゃないかな?」

 

「それなら…かのんを1人で歌わせる…?荒治療にはなってしまうけど…」

 

「それが良いと思う。私は」

 

その後、すみーと恋ちゃんにも連絡を取って、理事長と相談して、小学校での歌はかのん1人だけに歌わせる事にした。

 

そして、その日の練習を始める前に、かのんに行けない事をちーちゃんが話した。

続けて、可可ちゃん、すみー、恋ちゃんと苦しい言い訳だけどずる休みをする事になった

 

「待って!まさかしょー君まで行けないなんて言わないよね!」

 

「ごめん…かのん…僕もその日用事が…」

 

「えぇ!?ちょっと待ってちょっと待って!それじゃあもうLiellaじゃないよ。ひとりしかいないなんて……」

 

「ですよね…」

 

「だからね…小学校に連絡したんだけど…そしたらかのんちゃん一人でもいいからお願い出来ないかって」

 

「ええ!?」

 

「むしろ学校の子達はかのんちゃん1人の歌を聞きたいって」

 

「そんなぁ…」

 

「だめ…かなぁ…?」

 

「うぅ…」

 

ちーちゃんの泣き落とし作戦でなんとか…かのんを説得する事に成功したが…

 

「じゃあ…」

 

「何か困った事があったら連絡して。相談に乗るから!」

 

「可可、24時間態勢で待っておりマスので!」

   

「ありがとう。とりあえず、家に帰って練習してみる…」

 

『ういっすー!』

 

「頑張って!」

 

僕はそう言って、家に帰るかのんを見送る

 

「やっぱり酷いデス…可哀想デス…こんなの…」

 

「うん…」

 

「幼なじみなのでしょう?」

 

「千砂都の言う事は、確かに理想だけど…」

 

「私ね…私、小さい頃は何をしても上手くできないと思ってた…」

   

「自分は何をやっても駄目で、すぐ諦めてた…」

 

「あの笑顔はね、元気になる笑顔。安心して勇気が出て。見ている人が心から嬉しくなる笑顔。」

    

「私の知ってるかのんちゃんは、そんな笑顔を持っていたんだ…」

   

「だから、今、あの時のかのんちゃんを取り戻す事ができたら…辛い事や上手くいかない事をいっぱい経験したかのんちゃんが、あの時の気持ちを取り戻せたら、誰にも負けないって…」

    

「千砂都…」

 

「ラブライブどころじゃない…飛び越えて世界一、いや、すみれちゃんが言うみたいに、銀河一にだってなれる!」

   

「私は、嵐千砂都は信じてる…澁谷かのんを!」

 

 

-発表当日-

 

「やっぱり気になるよね…みんな…」

 

かのんちゃんが1人で発表する日がやってきた。

考える事は皆一緒で、結局学校までやってきていた。

 

「気になって夜も寝れず…」

 

「こら…見つかるって…」

 

可可ちゃんとすみーはいつものように言い合いを始めてしまった…

それこそバレてしまうって…

 

「かのんちゃん…」

 

「大丈夫…かのんを信じるって言ったのは誰だった?」

 

「そうだ…ね!」

 

「うん」

 

すると、ちーちゃんのスマホに着信音がやってきた。

 

「かのんちゃん?」

   

「ちぃちゃん…」

 

「どうしたの?」

   

「ありがとね…私、みんながいたから歌えてた…それでいいと思ってた…」

   

「でも、それじゃダメなんだよね…誰かを支えたり、力になるためには、ちぃちゃんが頑張ったみたいに、1人でやり遂げなきゃいけないんだよね…」

   

「うん。それに1人じゃない…」

 

「え?」

   

「いるはずだよ。あの頃のかのんちゃんが。」

   

「歌を全世界に響かせようとしていたかのんちゃんが…」

   

ちーちゃんはそう言って、電話を終えた。

しばらくして、かのんちゃんがステージに出てきた。

 

かのんは、そのままステージで見事に歌を歌えた。

とてもいい声色で

 

「かのんちゃん!」

 

「ちょっと!?」

 

すみーの声も意味がなく、ちーちゃんはステージに向けて走っていった。

 

「なんか、本当に勝てるような気がしてきました!」

 

「勝つわよ! ラブライブ!」

   

「当たり前デス! Liella!は、最強なのデスから!」

 

そう言って、みんなはステージに向かって走っていった。

 

「皆さん! はじめまして! Liella!です!」

   

    

『私達の歌、聞いて下さい!』

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。