-後日-
「可可ちゃん…今回の課題はなんだと思う?」
「分かりません…デスが勝つしかないデス」
「だよね」
可可ちゃんと2人で部室で東京大会の課題の発表を待っていた。
課題に何がこようが、出来る事は勝つしかないのだ。
「あっ。可可ちゃん!来たよ」
そして、発表を見るや否、
「あわわわ…大変です!」
と言って可可ちゃんは部室を飛び出していった。
僕も可可ちゃんを追いかけて、屋上に向かった。
-同じ頃の屋上-
「今回も難しいダンスだねぇ…」
「東京大会でのライブだよ、引けを取らないようにって、しょー君と気合を入れて作ったんだ」
「勝てるかな…」
「私は十分可能性あると思うこのメンバーなら」
「大変です!」
「練習始まっているわよ!」
「東京大会の課題が発表されました」
「課題!?」
可可ちゃんはスマホを操作して、動画を再生する。
課題は『独唱』
「また難しいお題ねぇ…」
「純粋な歌唱力が試されますね」
「そうだよね…」
そう言ったかのんにみんなの視線が向かった。
そして、みんなの視線を感じ取ったかのんは挙動不審に陥った。
「異論を唱える人なんて居ませんよ」
「ええ!?」
「かのんさんで決まりですね」
「違う課題ならやってあげても良かったんだけど」
「でも…」
「Liella!が始まったのは、かのんちゃんがあの時歌ったから。可可ちゃんの思いに応えたから」
ちーちゃんはそう言って、かのんの手を取る。
「ちぃちゃん…」
「かのんちゃん以外いないよ!」
そう言ったちーちゃんの手をかのんは取った。
*******
「よかったですネ。かのんはちゃんと歌えましたし、独唱なら歌唱力を一番活かせますし!」
「うん」
「何か?」
「これはぁ~!」
そう言っている可可ちゃんが持っているたこ焼きは、餅が凄く伸びていて、6個が繋がっていた。
いや…餅を入れただけでは、こうはならないと思うのだが…
「えへへ、ちょっと餅入れすぎちゃった。失敗、失敗」
「平気です!食べちゃえば一緒ですから!」
そう言って、可可ちゃんは食べようとしたが、熱くてうせていた。
「大丈夫?可可ちゃん…」
と言って、ペットボトルのお水を渡す。
「ありがとうございます…」
と言って水を飲む可可ちゃん。
すると、ちーちゃんが大声を出した。
「やっぱりダメだよ! このままは良くないよ!」
*******
ちーちゃんのバイトが終わり、場所を変えてさっきの話の続きをしていた。
「可可達が居たから?」
「うん、かのんちゃんが歌えているのはみんなが一緒だからだと思う」
「そうでしょうか」
「可可ちゃんと2人でステージに立った時、かのんちゃん、何て言ってた?」
「確か、歌える! 1人じゃないから!と…」
「やっぱり…」
「その後のライブも、この前の小学校の時もそう。かのんちゃん、みんながいるから、1人じゃないって思えるから、歌えるんだと思う…」
「それもそうかも…僕が小学校に行かないって言った時、一緒に来てって言ってきたから…」
「それは良くない事なのデスか? 仲間がいるから歌えるって、素敵な事だと思いマスけど…」
「私もそう思ってた。でもね、それって本当に歌える事になるのかな? ずっと今みたいな不安は消えないんじゃないかな?」
「それなら…かのんを1人で歌わせる…?荒治療にはなってしまうけど…」
「それが良いと思う。私は」
その後、すみーと恋ちゃんにも連絡を取って、理事長と相談して、小学校での歌はかのん1人だけに歌わせる事にした。
そして、その日の練習を始める前に、かのんに行けない事をちーちゃんが話した。
続けて、可可ちゃん、すみー、恋ちゃんと苦しい言い訳だけどずる休みをする事になった
「待って!まさかしょー君まで行けないなんて言わないよね!」
「ごめん…かのん…僕もその日用事が…」
「えぇ!?ちょっと待ってちょっと待って!それじゃあもうLiellaじゃないよ。ひとりしかいないなんて……」
「ですよね…」
「だからね…小学校に連絡したんだけど…そしたらかのんちゃん一人でもいいからお願い出来ないかって」
「ええ!?」
「むしろ学校の子達はかのんちゃん1人の歌を聞きたいって」
「そんなぁ…」
「だめ…かなぁ…?」
「うぅ…」
ちーちゃんの泣き落とし作戦でなんとか…かのんを説得する事に成功したが…
「じゃあ…」
「何か困った事があったら連絡して。相談に乗るから!」
「可可、24時間態勢で待っておりマスので!」
「ありがとう。とりあえず、家に帰って練習してみる…」
『ういっすー!』
「頑張って!」
僕はそう言って、家に帰るかのんを見送る
「やっぱり酷いデス…可哀想デス…こんなの…」
「うん…」
「幼なじみなのでしょう?」
「千砂都の言う事は、確かに理想だけど…」
「私ね…私、小さい頃は何をしても上手くできないと思ってた…」
「自分は何をやっても駄目で、すぐ諦めてた…」
「あの笑顔はね、元気になる笑顔。安心して勇気が出て。見ている人が心から嬉しくなる笑顔。」
「私の知ってるかのんちゃんは、そんな笑顔を持っていたんだ…」
「だから、今、あの時のかのんちゃんを取り戻す事ができたら…辛い事や上手くいかない事をいっぱい経験したかのんちゃんが、あの時の気持ちを取り戻せたら、誰にも負けないって…」
「千砂都…」
「ラブライブどころじゃない…飛び越えて世界一、いや、すみれちゃんが言うみたいに、銀河一にだってなれる!」
「私は、嵐千砂都は信じてる…澁谷かのんを!」
-発表当日-
「やっぱり気になるよね…みんな…」
かのんちゃんが1人で発表する日がやってきた。
考える事は皆一緒で、結局学校までやってきていた。
「気になって夜も寝れず…」
「こら…見つかるって…」
可可ちゃんとすみーはいつものように言い合いを始めてしまった…
それこそバレてしまうって…
「かのんちゃん…」
「大丈夫…かのんを信じるって言ったのは誰だった?」
「そうだ…ね!」
「うん」
すると、ちーちゃんのスマホに着信音がやってきた。
「かのんちゃん?」
「ちぃちゃん…」
「どうしたの?」
「ありがとね…私、みんながいたから歌えてた…それでいいと思ってた…」
「でも、それじゃダメなんだよね…誰かを支えたり、力になるためには、ちぃちゃんが頑張ったみたいに、1人でやり遂げなきゃいけないんだよね…」
「うん。それに1人じゃない…」
「え?」
「いるはずだよ。あの頃のかのんちゃんが。」
「歌を全世界に響かせようとしていたかのんちゃんが…」
ちーちゃんはそう言って、電話を終えた。
しばらくして、かのんちゃんがステージに出てきた。
かのんは、そのままステージで見事に歌を歌えた。
とてもいい声色で
「かのんちゃん!」
「ちょっと!?」
すみーの声も意味がなく、ちーちゃんはステージに向けて走っていった。
「なんか、本当に勝てるような気がしてきました!」
「勝つわよ! ラブライブ!」
「当たり前デス! Liella!は、最強なのデスから!」
そう言って、みんなはステージに向かって走っていった。
「皆さん! はじめまして! Liella!です!」
『私達の歌、聞いて下さい!』