天才ピアニストとスクールアイドル   作:桜紅月音

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手助けピアニスト

 

「村上君、ちょっといいですか?」

 

次の日、登校すると葉月さんに声をかけられた。

昨日の話を聞いているからかタイミングもあって怖い

 

彼女に連れて行かれるがままついて行くと、生徒会室に連れて行かれた。

 

「それで、葉月さん…生徒会室にまで連れて来て何の用でしょうか?」

 

「率直に聞きます。渋谷かのんさんと唐可可さんと知り合いですか?」

 

「かのんとは知り合いですが、2人目の方は知らないですね」

 

「そうですか」

 

「かのんが何かしたとかですか?」

 

「ええ、貴方からなら諦めてくれるかと思いまして…」

 

なんとなくだけど…言ってくる内容が分かってしまった。

 

「貴方から辞めるように言って貰えませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-かのんの家-

 

そんな事があったその日、久しぶりにかのんの家に寄っていた。

後からちーちゃんも来る予定である。

 

「って言われたんだけど…」

 

「そこまで手回しされてるの私達…」

 

「随分と目つけられてるみたいだね2人、音楽科でも話題になってる」

 

葉月恋さん、他の部活には許可を出しているようだけど…なんでスクールアイドルだけはダメなんだ?

 

「なんとかならないかな」

 

「葉月さんは頑固そうだからねぇ…」

 

「そーだよね」

 

すると、店のドアが開いた。

 

「うぃーす!」

 

と言って入ってきたのはちーちゃんだった。

すぐさま、渋谷家が飼っているふくろうに飛びついていた。

 

「それで恋ちゃんって子の弱点は分かった?」

 

「色々と調べてみたんだけどね」

 

「うんうん」

 

「ないYO!」

 

ちーちゃんがそう言うと、かのんは物凄く落ち込んでいた。

その後、ちーちゃんが調べて来た葉月さんの詳細を話した。

 

「だから、あの子の言う事をひっくり返すのは相当難しいんじゃない?」

 

その後、ちーちゃんは他の部活やスクールアイドル以外の部活を作ってみてはとかのんに提案したが

 

「それじゃだめ」

 

「なんで」

 

「この状況を認めたらあの学校は全部葉月さんが好きに出来るって事になる、それはだめ!」

 

「でもスクールアイドル部は認めて貰えなかったんでしょ?」

 

「それに私、本気でちょっとスクールアイドルに興味があるの・・・。」

 

「かのんちゃん…」

 

かのんの言葉を聞いた僕は、何故か口を開いていた。

 

「そこまで言われちゃうと…なんとかしてあげたくなるなぁ」

 

「えっ?」

 

「なんとか出来るの?」

 

「出来る保証はないけど、なんとかするよ」

 

カップに入ってお茶を揺らしながらそう言った。

 

次の日、僕は理事長室に直談判しに行っていた。

 

「頌樹君の口からスクールアイドルという言葉が出てくるとは思っていませんでした」

 

「自分から言うつもりは無かったですよ」

 

「それで、彼女達の活動を認めて欲しいと」

 

「そういう事です」

 

「改めて聞きますけど、葉月さんが認めていないのは事実ですか?」

 

「はい」

 

「そーですか、一旦当事者同士で話し合いの機会を設ける事にします。これでいいですか?」

 

「ええ、チャンスがなくて消えて行く人を僕は何人も見て来ましたからね」

 

「分かりました。では今すぐ」

 

理事長が続けて話そうとした時、外から何やら騒がしい声が聞こえてきた。

 

「我々に自由を! 自由に部活動ができないなんて間違ってマス!」

    

「部活動は常に皆に平等であるべきデス! そう思いますよね? さあ、皆さん! 共に戦おうではありマセンか!」

 

いや選挙か…

というより、あのバカは何やってんだ

 

「今すぐここに呼ぶように言ってください」

 

「了解です!」

 

理事長に敬礼をして、2人の元へと走る。

 

「理事長からお呼び出しだぞお二人さん」

 

「何を言われるんだろう…」

 

「さっさと行く事をお勧めするよ」

 

僕がそう言うと、2人は理事長室へと向かっていった。

 

「2人大丈夫かな…」

 

千砂都が心配そうな声で話しかけてきた。

 

「大丈夫。ここまでやると思ってなかったけど、先に手は打っておいたから」

 

 

 

 

 

******

 

その後、葉月さんと合流して話し合いの機会が作られた。

その結果、近くで行われる『代々木スクールアイドルフェス』で1位になれば認めてもらえるとの事

 

「まぁ…今まで認めてなかったんだからそれに比べたらマシだと考えるしかないか」

 

「どんまい」

 

「「まだ終わってない!」」

 

おー行きぴったし。

出会って1週間も経ってないのに

 

「それはいいとして、歌やダンスは2人は出来るの?」

 

「歌は出来るけど…ダンスは…」

 

「申し訳ないデス…」

 

「攻めてる訳じゃないんだよ…」

 

やっぱりダンスは無理だったか。

くぅくぅちゃんにちょっとだけ期待してたんだけど…淡い希望だったか

 

「だから!ちーちゃんお願い!」

 

「私!?」

 

「ちーちゃんしか頼めないよ〜」

 

「ちーちゃんなら教える事出来るでしょ」

 

「うん分かった。でも私の授業料は高いよ」

 

「ありがとうちーちゃん」

 

「良かったなかのん」

 

「うん!」

 

「それでなんですけど良かったらお二人方、スクールアイドル一緒にやりマセンか?」

   

「私!?」

 

「はい! ぜひ!」

   

「可可ちゃん、それは無理。2人とも音楽科。これ以上無茶は言えないよ・・・。」

 

「そうデスか…」

 

いや誘われるとは思ってなかった。

かのんのおかげで助かったのもあるけど…

 

「曲ならしょーくんがなんとかできるよね」

 

「やっぱり言ってくるのか…」

 

このまま黙っておくつもりだったんだけど…

 

「はぁ…これ使って」

 

鞄に入れておいたノートをかのんに渡す

 

「何これ?」

 

「曲ノート」

 

「凄い…全部曲だ」

 

「良かったら使ってよ。少なくとも今の自分には不要だし」

 

「いいの!」

 

「うん。好きにアレンジしてもいいからね」

 

「ありがとしょーくん!」

 

「それにしても…曲ノートなんてあるの…」

 

「こっちに引っ越しするまで知り合いに曲作ってたの。その余り」

 

ネットでやり取りをしただけの仲だから、顔は見た事はないのだけど…

今も元気にやってんのかな

 

「でも助かるよ!」

 

「そう言って貰らえて何より」

 

 

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