「なんで…かのんがたこ焼き作ってるの…」
「だってかのんちゃん、人前で歌えないって言うんだもん」
「それで…人に見られるのに慣れる為に、たこ焼き作りやってるんか」
ちーちゃん作るたこ焼きを買いにきたら、何故かかのんが作っていた。
理由を聞くと人に慣れる為らしい。
「っていうか…これで歌えるようになるの…」
「大丈夫!このプレッシャーの中で、ちゃんとたこ焼きを作れるようになれば…」
「歌えるように…」
「歌えるように…」
「歌えるように!」
「歌えるように!」
「なってない…」
「そうだと思ったわ」
これで歌えるようになったらびっくりするわ。
まぁ…何かをしようとする所は尊敬できる。
「っていう訳で!」
ちーちゃんの目線が僕に飛んできた。
「何?」
「大きな会場でピアノを弾いたしょーくんにアドバイスが欲しいの」
「偶々通りかかっただけだけど…あまりにも荷が重い事を言われた…」
「何かないの?」
「そうデス!何かありませんか」
2人に詰められるようにされながら問われる僕。
「かのんがどこまでプレッシャーを感じてるのか分からないけど…僕は緊張しなかったからなぁ…」
「だってしょーくんは特別なんだもん!」
「別にそういう事じゃ…」
「本当に何かない?」
「え~」
ちーちゃんに見つめられる中、考えついたのは
「あっ」
「何かあった?」
「スクールアイドルって衣装を着るでしょ?」
「うん」
「それを利用したらいいんじゃないかな?」
******
と僕の発案により、服屋さんに来たのだが…
「なんで僕まで…」
「発案者なんだから」
「そうデス!」
「だからって…」
そう言いながらかのんを事を見る。
かのんは顔を真っ赤にしていた。
「これをステージで?」
「どうしマシタ?」
「いや、衣装可愛いなって…」
「デショ! デショ!」
「早く見たい!」
「まだ着てない…」
「なぜ!?」
「あ! アクセサリーとかも欲しいんだ!」
「なるほどデス!」
「え?」
かのんの意思とこの2人の意思が全くといって嚙み合ってない…
「可可としてはこれが一番似合うかと思うのデスが・・・。」
「こっちの色も合うと思うんだ!」
「なるほど! では、これをワンポイントに使いまして・・・。」
「あの・・・、もしもし?」
『はい! どうぞ!』
「そういう事じゃなくて・・・。」
「ん?」
「可愛い服過ぎて・・・、私には無理だよ!」
そう言ってカーテンにくるまってしまったかのん。
それを見た2人は
「突撃!」
「タァー!」
かのんの事を押し倒した
びっくりしたのか、店員さんまで飛んできてしまった。
「はぁ…」
「大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫なのでお仕事に戻って頂いて大丈夫ですよ。ご迷惑をおかけしてすみません」
そう言うと、店員さんは去っていったのだが…よくよく考えたらなんで僕が謝ってるんだ…
「わあ…」
「よく似合うデス!」
「あり…がと…」
「じゃ、撮るよ!」
「ええ!?」
「目線くだサイ!」
「は、はい!」
かのんもノリノリなのか…
さっきまであんなに嫌がってたのに…
「消して…」
かのんの圧力凄いなぁ…
「大丈夫だよ。ちょっとネット上に挙げて、『いいね』を沢山集めるだけだから!」
「それは全然大丈夫じゃない!」
本当に大丈夫じゃない…
「あっ、ごめん送っちゃった」
「誰に…」
「しょーくんに」
「えっ?」
すると、かのんの視線がこっちに飛んできた
「消して?」
「…」
「しょーくん?」
「消したから安心して…」
結局…問題は解決しなかった。
「かのんさんほどの歌唱力はありマセンが。だから、かのんさんはステージに立つだけでいいんデス! 一緒に全力のライブをしまショウ! それが終わったら再び歌えるよう頑張ればいいんデス!」
「可可約束しマシタ! かのんさんが歌えるようになるまで諦めないって!」
「まぁ…そういうグループも居るには居るけど…」
「かのんちゃん、可可ちゃんがここまで言ってくれてるんだよ?」
「そうだよね・・・。まずは2人で1位取らなきゃだもん!」
「良いライブができるように頑張る!」
「はいデス!」
「そうと決まったら、可可、お二人に見せたいものがありマス!」
「見せたいもの?」
そう言ってくぅくぅちゃんが出してきたのは…
「どうデスか!」
「何、これ…」
「ブレード…?」
2人のメンバーカラー?に光るブレードだった。
それを持たされる僕とちーちゃん
「そうデス!初ライブを行うにあたって用意したグループ名付きの看板とブレードデス!」
「ブレードってファンが持つものなんじゃ・・・。」
「配りたいと思いマス! 私達を応援してくれそうな人達に!」
「このクーカーっていうのは?」
「可可が考えたグループ名デス! 可可のクーと、かのんさんのカーを合わせて、クーカー!」
「どうだろう…」
「でも、トレーニングの合間にこんなもの作るなんて!」
「好きデスので!」
「看板はちょっと考えようか・・・」
「あはは…」
この看板は…
その後、会場に移動して
「ここでライブするんだ…」
「全部で10グループぐらい参加するみたいデス」
「その中で1位か…」
『ういっすういっすういっすー』
「何それ」
「えっ?私達の挨拶だよ」
「しょーくんもやろうよ」
「えっ…やだ」
「なんでよ!!!」
夜の空に幼馴染の言葉が響き渡った。