呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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弁護士が来ても、裁判官が僕なら無罪

「はい注目ー。そこ、呪い合わない。先生の『メタ発言』をジャッジしない」

 

ガララ、と扉が開く。

教壇に立つ五条悟は、白衣の下に裁判官の法服を羽織り、頭にはなぜか「正義」と書かれたリーゼントのカツラを乗せている。

そして隣には、迷惑そうな顔で「ジャッジマン」のぬいぐるみを抱えた日車寛見が立っていた。

 

「……先生。まず、本編で僕らと死闘を繰り広げた現役弁護士を、勝手に『法務担当』として就職させた落とし前、つけてもらえます?」

 

伏黒が、教科書で顔を半分隠しながら、冷徹な視線を教壇へ向けた。

 

「恵、君は相変わらず『法(ルール)』の穴を突くのが下手だね。日車くんを呼んだのは他でもない。最近の呪術界、術式の解釈が広がりすぎて、もはや『言ったもん勝ち』になってるだろ? だから今日は、みんなの術式が法的にセーフかアウトか、日車くんに判決を下してもらうんだ。ちなみに僕の『無下限』は、僕が可愛いから無罪」

 

「……五条さん、私は忙しいんです。あと、このぬいぐるみから『没収(コンフィスケイション)』のオーラが漏れて、あなたの給料が差し押さえられそうなんですが」

 

日車が疲れ果てた手つきで眼鏡を直す。

 

「日車くん、固いこと言わないの。ほら、読者からハガキが来てるぞ。『五条先生。正直、秤先輩の術式(パチンコ)のルールが、何度読んでも理解できません。どうしたらいいですか?』という、ペンネーム・期待値0さんからのお悩みだ」

 

「……それは全読者の総意だろ」

 

虎杖が呆れ顔で突っ込むが、五条はリーゼントを揺らしながら加速する。

 

「いいかい、みんな! 秤の術式が分からないのは、君たちがパチスロで負け続けてるからだよ。だから解決策は一つ。今日からこの教室のルールは『確率変動』だ。はい、悠仁、今すぐ宿儺に代わって、全裸で『大当り』が出るまで教室内を走り回って! 4分11秒の間、君は不死身(無敵)になれるから!」

 

「おう! 任せろ先生! 俺、よく分かんねぇけど、確変引けば勝てるんだな!」

 

「行かせるかボケェッ!!」

 

釘崎のハリセンが、音速を超えて五条の「不可侵」と、横で巻き添えを食いそうになった日車の「裁判官の金槌」を同時に粉砕し、二人の脳天にめり込んだ。

もはやこの教室において、ツッコミこそが唯一の「必中効果」である。

 

「痛ーい! 野薔薇ちゃん、不可侵を貫通するなんて……これが法(暴力)による支配の力か!」

 

教壇でのたうち回る、リーゼント姿の最強。

教室の黒板には、秤先輩の複雑なリーチ演出図解がびっしり書かれているが、この3年J組だけは、術式を理解する前に、パチンコ屋の景品交換所みたいな雰囲気で学校が営業停止になりそうな混沌に包まれていた。

 

「……ま、ルールが難しいなら、僕が『領域展開』で全人類の脳内に直接『スロットの出目』を強制上書きしてあげるからさ。タイトルは『五条悟の、絶対負けないジャグラー生活!』。来週から全編これで行くよ」

 

「……そのまま換金不可のメダルと一緒に埋められてこい」

 

伏黒が、窓の外で勝手に「死滅回游」のポイント集計を始めた日車を眺めながら、深くため息をついた。

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