呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

26 / 99
海賊王に俺はなる(ただし全裸で)

「はい注目ー。そこ、呪い合わない。先生を『覇王色』で見ない」

 

ガララ、と教室の扉が開くと同時に、五条悟が教壇に躍り出た。

今日の彼は、白衣の下に真っ赤なベスト一丁。頭には麦わら帽子……ではなく、なぜかドン・キホーテで買ってきたような「金色のとんがりコーン」を両耳に刺している。

 

「……先生。まず、そのクリケットさんの先祖みたいな格好の落とし前、つけてもらえます?」

 

伏黒が、もはや感情の死んだ声で教壇を指差した。

 

「恵、君は相変わらずロマンが足りないね。これは『不可侵の黄金郷』。極限まで頭を尖らせることで、僕の術式はより純粋な『冒険心』へと昇華されるんだ。今の僕は、実質的にひとつなぎの大秘宝を見つけた後のバギーと同じ。心にロジャーの意志を持っていれば、それは変質者ではないんだよ」

 

「いや、警察呼びます。この人、存在が特級の密漁犯です」

 

釘崎がスマホの通報画面を開いたまま構える。だが、五条はそれを優雅な指先で弾いた。

 

 

「野薔薇ちゃん、落ち着いて。それより重大な発表がある。今日の講義は、全人類が避けて通れない……『ジャンプの看板作品が多すぎて、僕の出番が足りない問題』についてだ」

 

教壇には、なぜか巨大な「ゴムの塊」と「オレンジ色の道着」が置かれていた。

 

「いいかい、みんな。呪術なんていう陰気な力じゃ、この大航海時代は生き残れない。これからは他作品の『最強』をパク……オマージュしていく時代だよ。はい、悠仁、これ着て『かめはめ波』って言いながら『ギア5』になってみて」

 

「おう! 任せろ先生! 俺、たぶん血統因子的にいける気がする!」

 

虎杖が道着を羽織り、渾身の力で叫ぶ。……が、次の瞬間。

虎杖の背後に「全裸の巨人の影」が出現し、教室の天井を突き破った。

 

「……先生。悠仁のこれ、ジャンプっていうか別マガ入ってない? 駆逐されそうなんだけど」

 

「あちゃー、悠仁。君、ちょっと『自由』の意味を履き違えちゃったかな。でも大丈夫、先生もさっき『卍解』しようとしたら、持ってたチョークが全部『鼻毛真拳』の毛に変わっちゃったから。これが最強ゆえの、ジャンルを越えた融合(マッシュアップ)ってやつ?」

 

「死ねよ!! 他社の聖域まで汚すなっつってんでしょ!!」

 

釘崎のハリセンが、音速を超えて五条の「不可侵」を物理法則無視で貫通し、その脳天にめり込んだ。

もはやこの教室において、ツッコミこそが最強の「スタンド」である。

 

「痛ーい! 野薔薇ちゃん、不可侵を貫通するなんて……これがゴムゴムの暴力(ガトリング)の力か!」

 

教壇でのたうち回る、最強の呪術師。

教室の掲示板には、歴代のヒーローたちのポスターが並んでいるが、この3年J組だけは、海賊王になる前に、編集部から永久追放(インペルダウン)されそうな混沌に包まれていた。

 

「……ま、出番が増えないなら、僕が『領域展開』で全ページを僕に書き換えてあげるからさ。タイトルは『五条悟、全15作品を同時連載!』。来週から全編これで行くよ」

 

「……そのまま『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に通報されてこい」

 

伏黒が、空っぽになった天井を眺めながら深くため息をついた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。