呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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単行本のオマケページは、戦場(キャンバス)だ

「はい注目ー。そこ、呪い合わない。先生を『単行本派へのネタバレ配慮が足りない男』で見ない」

 

ガララ、と教室の扉が開く。

そこには、白衣の下に「重版出来」と書かれたタキシードを着て、小脇に大量の「単行本未収録の修正原稿」を抱えた五条悟が立っていた。

そして教壇の横には、なぜか全身を真っ黒なインクで塗られた「修正前のモブキャラ」に扮した伊地知さんと、手には「ホワイト(修正液)」を持った家入硝子が立っている。

 

「……先生。まず、その連載時と単行本で、加筆修正のレベルが違いすぎて『これ誰だっけ?』ってなる読者の混乱に追い打ちをかけるような、メタすぎる格好の落とし前、つけてもらえます?」

 

伏黒が、もはや「本誌で読んだ時と、単行本で背景が変わっている違和感」に耐えきれず、単行本の背表紙を確認しながら教壇を指差した。

 

「恵、君は相変わらず『オマケページの美学』が分かってないね。今日は特別講義。読者から『単行本を買ったら、本誌ではいなかったはずの術式のエフェクトが追加されてて、もはや別のアニメを見てる気分です』というハガキが届いたんだ。だから解決策は一つ。僕がこの教室で、単行本にしか載せない『極秘の加筆(全裸)』を先行公開する。ちなみに僕の瞳の輝きは、単行本ではさらに15%増量予定だ」

 

「……五条さん。私はなぜ、本誌では描き忘れられていた『右手の指』を、今さらマジックで描き足されなければならないんですか。私のデッサンは、いつになったら安定するんでしょうか」

 

伊地知が、硝子に顔のパーツを書き直されながら、震える声で訴える。

 

「伊地知くん、固いこと言わないの。ほら、読者からのハガキが来てるぞ。『五条先生。単行本のカバー裏の、あのシュールなイラストの正体は何ですか?』という、ペンネーム・おまけページが本編さんからのお悩みだ」

 

「……アンタの全裸より、作者の自画像の謎を解いてくれよ」

 

虎杖が呆れ顔で突っ込むが、五条はカバーの下の「隠しイラスト」を見せびらかしながら加速する。

 

「いいかい、みんな! コミックスの価値は『隙間』にあるんだ。はい、悠仁! 今すぐ宿儺に代わって、全裸で『本編ではカットされた、宿儺が実は裏梅とパンケーキを焼いていたボツシーン』を、単行本の余白に直接描き込んでいって! 最後に『描き下ろし・あとがき漫画』のセンターで、全裸でポーズを決めてきて!」

 

「おう! 任せろ先生! 俺、これ描けば、読者のみんなにお得感を与えられるんだな!」

「行かせるかボケェッ!!」

 

釘崎のハリセンが、音速を超えて五条の「不可侵(加筆済み)」、伊地知の「線画」、そして背景で勝手に「単行本1巻のカバー袖」のポーズを真似していたパンダをまとめて物理法則無視で粉砕し、五条の脳天にめり込んだ。もはやこの教室において、ツッコミこそが唯一の「単行本限定の必中効果」である。

 

「痛ーい! 野薔薇ちゃん、コミックス派へのファンサービス(物理)を邪魔するなんて……これが初版限定帯の、プレミア価格(暴力)の力か!」

 

教壇でのたうち回る、インクまみれの最強。

教室の掲示板には「累計発行部数1億部(予定)」の文字が踊っているが、この3年J組だけは、新刊が出る前に、先生のせいで全てのページが「作者のボツ画」に差し替えられそうな混沌に包まれていた。

 

「……ま、単行本のページが足りないなら、僕が『領域展開』で全人類の脳内に直接『全1000巻の幻のロングストーリー』を書き込んであげるからさ。タイトルは『五条先生、単行本の背表紙を全部僕の顔にする計画!』。来週から全編これで行くよ」

 

「……そのまま古本屋の100円コーナーで一生眠ってろ」

 

伏黒が、窓の外でなぜか本当に「カバー裏のシュールな四コマ」の真似をして空を飛んでいる虎杖を眺めながら、深くため息をついた。

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