呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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Jの真実、あるいは「キラキラ」という名の強制領域

「――いいかい。僕たちは今まで『週刊少年ジャンプ(JUMP)』のJを背負って戦ってきた。友情を育み、努力を重ね、勝利を掴み取る……。それが唯一の道だと信じて疑わなかった。けれど、それは大きな、あまりにも大きな間違いだったんだ」

 

物語が佳境を迎え、誰もがシリアスな最終決戦を予感していたある日。

五条悟は教室の扉を蹴り開けるなり、少年漫画の根幹を揺るがす衝撃の宣言を放った。

 

「先生……何言ってるんですか。僕たち、ついこの前まで『ジャンプ編集部』へ原稿を書き換えさせるために全裸で突撃しようとして、危うく社会的に消されかけた仲じゃないですか。今さら何を……」

 

伏黒が、不吉な予感に椅子の背もたれを指が白くなるほど強く握る。

その横では、虎杖が「また全裸か?」と身構えていた。

 

「恵、甘いよ。激甘のキャラメルマキアートより甘い。3年J組の『J』。それはジャンプではない。……いいかい、よく聞きなよ。それは、『ジャニーズ』のJさ! 僕たちがこの過酷な連載サバイバルで生き残る唯一の方法は、最強の呪術師になることじゃない。最強の『アイドル』としてデビューし、お茶の間の好感度を独占することなんだ!」

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

教室がかつてないほどの怒号に包まれる。

 

「ちょっと待ってよ! 私、いつからそんなキラキラした、笑顔で『愛してる』とか言うシステムに組み込まれたのよ! 私の術式は釘と金槌! 得物は藁人形! ダンスのステップなんて一ミリも関係ないし、そもそも私の性格でアイドルなんて、ファン全員を呪い殺すわよ!」

 

釘崎が教壇に詰め寄るが、五条はすでに「無下限・ファンサ・領域」を教室全体に展開していた。

空間が歪み、背景には無数の薔薇と羽根が舞い、どこからともなくシンセサイザーの軽快なイントロが流れ始める。

 

「悠仁、君には『腹筋担当』になってもらう。サビでシャツをはだけさせ、全人類を魅了するんだ。野薔薇、君は唯一無二の『毒舌センター』だ。罵倒すればするほど売れる、新しいビジネスモデルだよ。そして恵……君は『十種影法術』を駆使した最新のレーザー演出担当、兼・クールなピアノ担当だ! さあ、今すぐ武道館へ向かうよ。Youたち、やっちゃいなよ!」

 

「先生、大体、アイドルなんて柄じゃねーだろ! 特級呪霊の前で愛を叫んでどうすんだよ!」

 

虎杖の必死の抵抗も、五条が裏で密かに手配していた「スパンコールをふんだんにあしらった特注・高専アイドル制服」の眩い輝きの中に飲み込まれていった。強制的に着替えさせられた伏黒は、自分の衣装に「Shadow Boy」という絶望的なグループ名が刺繍されているのを見て、膝から崩れ落ちた。

 

「これは教育じゃない……拷問だ……」

 

しかし、幕は無情にも上がる。武道館のステージに引きずり出された一行は、死に物狂いで歌い、踊り、狂ったようにバク転を繰り返した。

五条の術式による「強制的なリズム感の付与」により、彼らの動きは完璧にシンクロし、数万人のファン(という名の、熱狂で呪力を失った呪霊予備軍)を熱狂の渦に叩き落とした。

 

ふとステージの袖を見ると、そこにはなぜか、白シャツを爽やかに着こなした夏油傑の幻影が、目を細めて満足そうに手拍子を送っていたという……。

 

「悟、いいグループだね。私も呪霊操術で、背後からペンライトを持った呪霊を数千体ほど動員しておいたよ」

 

ライブは大成功、しかし3人の心はズタボロだった。

汗と涙、そして「J」の洗礼を受けた興奮冷めやらぬまま、一行は「打ち上げ」として、あの運命の焼肉屋(空港)へと向かうことになるのである。

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