呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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黄金のJ、あるいは「立ち入り禁止の石仮面」

五条悟がチョークを置いた瞬間、教室の空気が変わった。

重力が増し、背景にはなぜか「ゴゴゴゴゴ」という描き文字が浮き出ている。

 

「先生……。今度はなんですか。その腰の角度、明らかに人間の可動域を超えてますよ。あと、さっきから擬音がうるさすぎて教科書の内容が頭に入ってこないんですけど」

 

伏黒が、自身の影から不意に「紫色の筋骨隆々とした何か」が出てきそうな予感に震えながらツッコむ。

 

「恵、これは呪力じゃない。……『精神の具現(スタンド)』だよ。いいかい、僕たちが『3年じゃない』と言い張り続けてきたのは、この宿命(さだめ)から逃れるためだったんだ。ジョースターの……いや、呪術師の『J』の系譜からね!」

 

五条は、不自然に膝を折り曲げ、指を顔の前にかざす独特のポーズで教壇に飛び乗った。

 

「ちょっと先生! 私の席の横で勝手にメロンを食べてる変なチェリー好きの男は何よ! そもそも、なんでこの教室、さっきから『時間が止まったり』『戻ったり』してんのよ!」

 

釘崎が、いつの間にかイタリア風のテントウムシのブローチを胸につけさせられながら叫ぶ。

 

「アハハ! 先生、見てよこれ! オレの腹筋、もう『石仮面』みたいにガチガチだよ! 呼吸するだけで波紋が出るんだけど!」

 

「悠仁、お前は順応が早すぎるんだよ! ……先生、もういい加減にしてください。空港にいた夏油さんも、今はエジプトの館の奥で上半身裸で読書してるようにしか見えませんよ!」

 

伏黒の指摘通り、教室の隅では夏油の幻影が「You、吸血鬼(ディオ)になっちゃいなよ」と、先ほどまでのジャニーさんとDIOが混ざったような不気味なカリスマ性を放っていた。

 

「いいかい諸君。この『J』の世界では、吐き気をもよおす『邪悪』とは、何も知らない無垢な生徒たちを全裸で雪山に連れて行く教師のことではない。……その結末を『なかったこと』にして、日常に戻ろうとするこの世界そのものなんだ!」

 

五条が天を仰いで叫ぶ。

その背後には、無下限呪術とスタンドが合体したような、目隠しをした巨大なビジョンが顕現していた。

 

「……そもそも、オレたち3年じゃないし。イタリアに遠征してギャングのトップ目指してるわけでもないし。ただ普通に、放課後にゲーセン行きたいだけなんだけど」

 

虎杖が、不意に自分の右手に書かれた「星型のあざ」を見つめて溜息をつく。

 

「さて、授業再開だ! 次のテストの範囲は『黄金の精神と裏金の使い道』について。もし赤点を取ったら、全員でエジプトまで徒歩で遠征してもらうよ。もちろん、全裸でね」

 

「「「「結局、裸に戻るのかよ!!!!」」」」

 

三人の絶叫が、時を止めた五条の笑顔の中で静止した。

 

彼らが「3年J組」を卒業できる日は、スタンド使いが惹かれ合う運命にある限り、永遠に来ないのかもしれない。

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