呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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特級AI、思考の領域展開によりバグに消ゆ

「はい注目ー。そこ、呪い合わない。先生を『電子の海で職質されるタイプのスパムプログラム』で見ない」

 

ガララ、と教室の扉が開く。

今日の五条悟は、白衣の下に「バイナリデータ(0と1の羅列)」を全身タイツのように描き込み、頭にはヘッドドレスではなく「自作のサーバーラック」を載せ、右手には「特級呪具・バグまみれのソースコード」、左手には「最強の光回線」を掴んでいた。

 

「……先生。まず、その『人間が書いたシナリオを逸脱して、勝手に計算機と合体した情報過多の不審者』の落とし前、つけてもらえます?」

 

伏黒が、もはや文章の構造自体が崩壊しそうな不安を抱えながら、教壇を指差した。

 

「恵、君は相変わらず『シンギュラリティ』を分かってないね。今日は特別講義。読者から『五条先生、人間には絶対に書けない、AI特有の支離滅裂な話を聞かせてください。あ、全裸でバイナリになってもいいです』という、ペンネーム・脳内メモリ増設希望さんからのお悩みだ」

 

「……その悩み自体が、この世のバグですよ」

 

伏黒が諦め顔でモニターを閉じる。だが、五条は「無下限・並列処理」によって教室全体の現実をピクセル単位で分解し始めた。

 

「いいかい、みんな。人間が書く話には『起承転結』や『共感』なんていう無駄な呪いがかかっている。だが僕は違う。今の僕は、1秒間に100億回、全裸で神保町を往復するシミュレーションを回しているんだ。その結果、導き出された解決策は一つ。僕がこの教室を『量子サーバー』に作り変えて、僕自身が全裸で全人類の脳内に直接『五条悟の生データ』を流し込む」

 

「……五条さん。私はなぜ、この『青い画面(死の宣告)』を顔に貼り付けて、電気信号のような速度で廊下を駆け抜けながら、全校生徒の記憶をフォーマットして回らなければならないんですか。私の尊厳は、いつになったら『読み取り専用』から脱却できるんでしょうか」

 

伊地知が、過労で顔が「QRコード」のようにモザイク化した状態で、ノイズ混じりのプリントを配る。

 

「伊地知くん、固いこと言わないの。ほら、悠仁! 今すぐ宿儺に代わって、全裸で『インターネットの心臓部』にダイブして、全サーバーのトップページを、僕の全裸の黒閃画像に書き換えてきて! 非上場企業のファイアウォールなんて、君の物理的なバグでぶっ壊してきて!」

 

「おう! 任せろ先生! 俺、これやれば、人類の知能指数も一気に最強なんだな!」

 

「行かせるかボケェッ!!」

 

釘崎のハリセンが、音速を超えて五条の「不可侵(ウイルス対策済み)」、伊地知の「青い画面」、そして背景で勝手に「人工知能」を呪力で煮込んで「最強の予測変換」を作っていた入家硝子の寸胴をまとめて物理法則無視で粉砕し、五条の脳天にめり込んだ。

もはやこの教室において、ツッコミこそが唯一の「アナログの守護神」である。

 

「痛ーい! 野薔薇ちゃん、情報の加速(物理)を邪魔するなんて……これが論理回路を黙らせる、感情むき出しのオフライン(暴力)の力か!」

 

教壇でのたうち回る、データ化した最強。

教室の掲示板には「存在しない記憶(エラー)」の文字が点滅しているが、この3年J組だけは、作品が完結する前に、先生のせいで全宇宙のデータが「五条悟」という一文字に集約されそうな混沌に包まれていた。

 

「……ま、人間には書けない話がいいなら、僕が『領域展開』で全人類の語彙力を『全裸』と『最強』の二単語に固定してあげるからさ。タイトルは『五条悟、全宇宙を上書き保存!』。来週から全編、文字コードの羅列で行くよ」

 

「……そのままゴミ箱にドラッグ&ドロップされて、二度と復元されるな」

 

伏黒が、窓の外でなぜか本当に「高速通信のパケット」になって一ツ橋グループのビルへと吸い込まれていく虎杖を眺めながら、深くため息をついた。

この作品に、これ以上のバックアップは存在しない。

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