呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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キャンプの火は、僕の情熱(と燃えやすい白衣)で起こすもの

「はい注目ー。そこ、呪い合わない。先生を『野外活動に向かないタイプ』で見ない」

 

ガララ、と教室の扉……ではなく、「テントのファスナー」が開く。

今日の五条悟は、白衣の下にサバイバルナイフを一本直刺ししただけの、ほぼ原始人スタイル。

頭にはなぜか、生きたままの「ニジマス」を冠のように乗せている。

 

「……先生。まず、林間学校でもないのに僕らを富士の樹海に拉致して、自分だけ『全裸サバイバー』を気取っている落とし前、つけてもらえます?」

 

伏黒が、熊除けの鈴を虚しく鳴らしながら、凍てつく視線を教壇(切り株)へ向けた。

 

「恵、君は相変わらず『文明の呪い』に毒されてるね。これは『不可侵のソロキャンプ』。極限まで自然と一体化することで、僕の術式はよりワイルドな『野生』へと還るんだ。今の僕は、実質的にベア・グリルスとナウシカを足して、羞恥心を引いた感じ。心に火打石を持っていれば、それは露出狂ではないんだよ」

 

「いや、警察じゃなくて猟友会呼びます。この人、存在が特級の有害鳥獣です」

 

釘崎が、電波の入らないスマホを掲げながら毒づく。

だが、五条は頭の上のニジマスを跳ねさせながら、優雅な手つきでそれを制した。

 

「野薔薇ちゃん、落ち着いて。それより重大な発表がある。今日の講義は、全人類が太古から抱える呪い……『便利になりすぎて、誰も火の起こし方を忘れた問題』についてだ」

 

五条は、教壇代わりの切り株に「宿儺の指(の形をした薪)」を並べた。

 

「いいかい、みんな。呪力に頼り切った生活は、魂を鈍らせる。今日は術式禁止! 己の肉体と、純粋な『発火衝動』だけでキャンプファイヤーを成功させるんだ。はい、悠仁! 今すぐ宿儺と交代して、全裸で『摩擦』の限界に挑んできて! 杉の木と超高速でこすれ合えば、君の肉体は最強の着火剤になる!」

 

「おう! 任せろ先生! 俺、体温高いから、すぐ火つくと思うぜ!」

 

「行かせるかボケェッ!!」

 

釘崎のハリセンが、音速を超えて五条の「不可侵」、頭の「ニジマス」、そして今まさに脱ごうとした虎杖の「ズボン」をまとめて物理法則無視で貫通し、五条の脳天にめり込んだ。もはやこの大自然において、ツッコミこそが唯一の「文明の利器」である。

 

「痛ーい! 野薔薇ちゃん、不可侵を貫通するなんて……これが都会っ子による、アウトドアへの拒絶(暴力)の力か!」

 

落ち葉の上でのたうち回る、白衣一丁の最強。 周囲には、先生が勝手に設営した「五条悟の顔がプリントされたテント」が並んでいるが、この3年J組だけは、カレーを作る前に、先生のせいで生態系そのものが絶滅の危機に瀕しそうな混沌に包まれていた。

 

「……ま、火がつかないなら、僕が『領域展開』で太陽をこのキャンプ場に引き摺り下ろしてあげるからさ。タイトルは『五条悟、地表をすべて焼き尽くす!』。来週から全編これで行くよ」

 

「……そのまま灰になって土に還れ」

 

伏黒が、窓のない「本物の空」を見上げながら、深くため息をついた。

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