呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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Jの因果、あるいは『全裸の螺旋』

教室の黒板が、突如として二次元の壁を突き破り、無数の銀河が渦巻く超空間へと変貌した。

 

五条悟はいつの間にか目隠しを外し、白衣を脱ぎ捨て、全身を虹色の螺旋エネルギーで光り輝かせながら、教壇の上に仁王立ちしている。その背後には、全裸の五条がさらに巨大な全裸の五条に乗り込んだような、筆舌に尽くしがたい概念的ビジョンが顕現していた。

 

「先生……何ですかその、宇宙の真理と公然わいせつが融合したような姿は。教室の湿度が、因果律の崩壊によってマイナス100億度になってるんですけど。不吉な予感しかしない」

 

伏黒が、歪む現実の中で「全宇宙待望・全裸の最終決戦」と書かれた不穏なフラッグを凝視する。

 

「恵、これは呪力じゃない。『螺旋の力』さ。いいかい、僕たちが『3年J組』に留まり続けてきたのは、この最終決戦(ギャグ)のためだったんだ。アンチ・スパイラル……いや、この物語をシリアスに戻そうとする『編集部の意志』とのね!」

 

五条は、不自然に腰を折り曲げ、指を天にかざす独特のポーズで叫んだ。

 

「ちょっと先生! 私の席の横で、勝手にドリルで床に穴を掘ってる変なサングラスの男は何よ! そもそも、なんでこの教室、さっきから『確率変動』して、私のハンマーが100%の確率で先生の股間に当たるようになってんのよ!」

 

釘崎が、いつの間にか超銀河サイズのヨーヨーを持たされながら叫ぶ。

 

「アハハ! 先生、見てよこれ! オレの腹筋、もう『螺旋』みたいにグルグル回ってるよ! 呼吸するだけで宇宙が創生されるんだけど!」

 

「悠仁、お前は順応が早すぎるんだよ! ……先生、もういい加減にしてください。空港にいた夏油さんも、今は超銀河ファンキームービーの背景でダンサーとして踊ってるようにしか見えませんよ!」

 

伏黒の指摘通り、宇宙の彼方では夏油の幻影が「You、天を突いちゃいなよ」と、先ほどまでのカリスマ性とファンキーさが混ざったような不気味なテンションで踊っていた。

 

「いいかい諸君。この『J』の世界では、吐き気をもよおす『邪悪』とは、何も知らない生徒たちを全裸で宇宙に連れて行く教師のことではない。……その結末を『なかったこと』にして、シリアスな最終回に戻そうとする、この世界そのものなんだ!」

 

五条が天を仰いで叫ぶ。その背後には、螺旋力と変態性が合体したような、目隠しをした巨大な全裸のビジョンが、銀河を掴んでいた。

 

「……そもそも、オレたち3年じゃないし。宇宙で神様と殴り合いたいわけでもないし。ただ普通に、放課後にラーメン食いに行きたいだけなんだけど」

 

虎杖が、不意に自分の右手に書かれた「ドリルのあざ」を見つめて溜息をつく。

 

「さて、授業再開だ! 次のテストの範囲は『黄金の精神と、全裸で天を突く方法』について。もし赤点を取ったら、全員で多次元宇宙の彼方まで徒歩で遠征してもらうよ。もちろん、全裸でね」

 

「「「「結局、裸に戻るのかよ!!!!」」」」

 

三人の絶刻が、時を止めた五条の笑顔の中で静止した。

彼らが「3年J組」を卒業できる日は、螺旋の力が惹かれ合う運命にある限り、永遠に来ないのかもしれない。

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