呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
「――いいかい。4月も終わりだ。世間はゴールデンウィークの浮かれた計画に胸を躍らせている。けれど、真に黄金(ゴールデン)な自分に出会いたいなら、連休の渋滞を螺旋力でぶち抜き、あの巨大な『J』の祭典に全裸でダイブすべきじゃないかな?」
前話、編集部の意志を螺旋力でねじ伏せ、時空を無理やり2026年4月末へと固定した翌週。
五条悟は、全身に銀河のエンブレムと「大型連休・宇宙出禁」のタトゥーシールをこれでもかと貼り付けた、見るからに「銀河系最速の放送事故」な出で立ちで教壇に立ちました。
「先生……。4月28日ですよ。新学期の緊張も解けて、ようやく落ち着いてきた時期なのに、なんで朝から多次元宇宙の『全裸勝率』を黒板に叩きつけてるんですか。しかも、さりげなく自分の名前を『宇宙一のファンタジスタ(変態)』ランキングの不動の1位に書き込んでるし」
伏黒が、連休明けの課題を盾にしながら、五条のギラついた螺旋六眼から目を逸らします。
「恵、甘いよ。今の多次元宇宙を見てごらん。僕たちが全裸で宇宙を創生したことで、因果律が混沌(カオス)にハマる名門……この混沌こそが、連休前の高揚感と重なる螺旋なんだ! いいかい、僕たちがやるのはサポーターじゃない。4月末のJリーグ・スペシャルマッチに、突如として『11番目の概念』として全裸で乱入し、最新のAI搭載カメラすら追跡不能なステップで、全観客に全裸ファンサをする……これこそが、春のJ(ジャッジメント)の締めくくりだよ!」
「ちょっと待ちなさいよ! 今の宇宙はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)だけじゃないのよ! 2026年からは『自動オフサイド判定』もさらに進化して、あんたみたいな不審者がピッチに入った瞬間、スタジアム中のモニターに『UNKNOWN ENTITY(不明な変態)』ってデカデカと表示されて、警備員どころか多次元警察に即刻排除されるわよ!」
釘崎が、いつの間にか手渡された「2026年版・公式螺旋応援フラッグ」を教壇に叩きつけながら叫びます。
「アハハ! 先生、見てよこれ! オレの脚、勝手に海外移籍が決まったばかりの期待の若手みたいな、エグい軌道のシュートを再現し始めたんだけど! 螺旋力でボールに回転を加えれば、ゴールネットどころか時空の壁ごと突き破れるんじゃねーか!?」
「悠仁、お前はいいよな……。先生、一つ聞きたいんだけど。なんで多次元宇宙を救うのに『全裸』が必須条件なんだ? 4月末の夜のスタジアムはまだ肌寒いし、普通に限定ユニフォームでも着て『期待の練習生』として潜り込めばいいだろ」
伏黒の真っ当な指摘に、五条は螺旋六眼をずらし、桜吹雪とスタジアムの照明が混ざり合う多次元宇宙の幻影を見つめました。
「恵、スポーツというのはね、ルールという名の『縛り』の中で戦うものだ。ユニフォームを着るという行為は、既存の戦術(シリアス)への屈服なんだよ。僕たちが目指すのは、VARの審判員たちが『あまりの美しさにオフサイドフラッグを振るのを忘れた』と供述するような、全裸のファンタジスタさ!」
その時、教室の扉が静かに開き、審判のホイッスルを首から下げた夏油傑の幻影が現れました。
「悟。……You、2026年の宇宙はね、フィジカルコンタクトの基準がさらに厳格化されているんだ。そんな中で全裸で乱入して、相手ディフェンダー(概念)と接触(デュエル)してごらん。一発でレッドカードどころか、全宇宙的な法的措置(JIGOKU)が待っているよ。……さあ、私と一緒に、ゴール裏で『特級呪霊による一糸乱れぬコレオグラフィー』の練習をしよう」
「傑……! 君、いつの間にコールリーダーに転職したんだい。よし、みんな! 目標はハーフタイムショーのジャックだ! 悠仁はオーバーヘッドで銀河を巻き上げろ、野薔薇はチアとして螺旋力のポンポンを起爆させろ! 恵は……影絵でマスコットキャラクターを召喚して、宇宙上の全カメラを物理的にジャミングだ!」
「「「「結局、連休前の営業妨害じゃねーか!!!!!」」」」
結局、彼らは新年度最初のヤマ場として、多次元宇宙へと向かう「J」の文字がデカデカと書かれた不審なマイクロバスに押し込まれました。
4月28日の夜、Jリーグの歴史に刻まれるのは、華麗なゴールか、それとも「4月の終わりに現れた最も白い放送事故」として語り継がれる全裸の呪術師たちか――。